定期販売ラボby Shopi Lab
継続率・解約

解約引き止めの設計 — オファーの種類と提示順序をどう決めるか

解約理由に合う周期変更・一時停止・商品変更を、解約導線を明確にしたうえで提案する手順。承諾率と購入継続・粗利を分け、条件表示とCS処理まで確認します。

解約したい顧客には、解約へ進める経路を明確にしたうえで、理由に合う選択肢を提案します。引き止めの承諾件数だけを成果にせず、その後の継続と採算まで確認することが設計の軸です。

提案の種類や回数だけで法的な適否は決まりません。契約条件、表示、電話・画面の実際の導線を含めて確認します。消費者庁の通信販売広告の案内と申込み段階のガイドラインを確認しています(2026年10月7日確認)。

1|自発的解約と決済失敗を分ける

ここで対象にするのは、顧客が契約の終了を希望する自発的解約です。決済失敗による停止は決済失敗を解約にしないで別に扱います。

解約した回数だけで理由を推定しません。「初回なら期待値のずれ」「3回目なら在庫過多」と決めつけず、任意の回答やCS記録から、自社の理由分布を確認します。

2|理由に合う選択肢を用意する

顧客が伝えた状況検討する提案確認する条件
在庫が余る配送周期の変更次回日・請求額・変更の締切
一時的に不要一時停止再開日、再開時の通知、停止中の料金
量・価格が負担商品・容量・プラン変更変更後の量・単価・配送費用
価格だけを見直したい割引等の提案適用期間・終了後の価格・社内上限
商品が合わない、終了を希望解約手続き申出日、契約上の条件、受付結果

一時停止と解約は別です。再開が予定されるならその日と条件を明示し、顧客が解約を選んだ場合は停止へ勝手に置き換えません。

3|提案を断っても手続きを進められるようにする

運用案は次の三段階です。法令が一律にこの段階数を定めているという意味ではありません。

  1. 任意で理由を確認し、回答しなくても解約へ進める。
  2. 対応する選択肢があるときだけ、条件を一度分かりやすく示す。
  3. 提案を断った場合、解約手続きへ進める。

解約を続けるリンクを見つけにくくしたり、同じ提案へ戻したりしないでください。電話で受け付ける場合も、つながる窓口と受付時間を確認します。提案を一回に絞ったことだけで、手続き全体が適法と判断することはできません。

4|機能とCS処理を揃える

周期変更、停止、商品変更をマイページで完了できるか、CS対応が必要かを確認します。自己完結できる場合でも、顧客が選んだ条件が次回の注文・請求・出荷へ反映されるまで照合してください。

手作業の場合は、受付時刻、対象注文、変更内容、処理期限、担当者、完了通知を記録します。締切を過ぎた要望や例外の扱いも先に決めます。機能の対応範囲はカートの比較観点で整理できます。

5|承諾率・残存・粗利を分けて見る

オファー承諾率 = オファーを承諾した人数 ÷ オファーを提示した人数

これに加え、解約を希望した全人数と、実際に提示した人数を別に残します。提示できた人だけを分母にした数字を、解約希望者全体の改善率として報告しないでください。

指標確認すること
承諾後1か月・3か月の契約状態一時停止と実際の購入継続を分ける
承諾後の出荷・入金契約だけ残り売上が出ていない状態を除く
値引き後の粗利割引・配送・決済・CS費用を含める
苦情・再解約・処理時間顧客や現場の負担が増えていないか

オファーごとの数字は、理由や顧客の段階が違えば単純比較できません。期間、解約理由、継続回数を揃え、可能なら提示しない比較群も設けます。解約率の測り方で母数を固定してください。

6|割引と例外対応の上限を決める

CSの都度判断に任せず、対象条件、割引額、期間、承認者を決めます。残りのLTVが割引額より大きいだけでは投資の妥当性は判断できません。提案によって増えると見込む粗利から、割引原資と追加費用を差し引いて検討します。

最初に揃えるもの

  • 任意の理由分類と、提案を断っても進める導線。
  • 提案ごとの価格・再開・締切の条件。
  • 次回注文への反映と完了通知の担当者。
  • 承諾率だけでなく出荷・粗利・苦情を見る記録。

解約引き止め設計チェックリストで条件を整理し、実際の画面・CS手順と突き合わせます。

よくある質問

Q. オファーを一回だけ出せば問題ありませんか

回数だけでは判断できません。拒否した後の経路、解約条件の表示、電話の実際の接続状況など、手続き全体を確認します。

Q. 初回解約の理由は期待値のずれですか

一律には決められません。顧客の任意回答やCS記録から自社の理由を確認します。継続回数だけでオファーを決めないでください。

Q. 一時停止した顧客を残存として数えてよいですか

契約状態の残存と購入・出荷の継続を分けて記録します。停止中の契約を購入継続の成果へ混ぜないようにします。

Q. 割引の上限はどう決めますか

残りのLTVだけでなく、施策で増える見込みの粗利、割引、追加費用を比較し、社内の対象条件と承認者を決めます。