定期販売ラボby Shopi Lab D2C・定期通販の立ち上げと、続く仕組みの作り方
法規制・表示

薬機法で落ちる表現 — 健康食品・化粧品のLPで確認する順序

D2Cで扱う商材の多くは薬機法の対象です。何が言えて何が言えないかを、売り場のどこで確認するかという形に落とします。

D2C・定期通販で扱われる商材は、健康食品と化粧品に大きく偏ります。この2つはどちらも薬機法(医薬品医療機器等法)の規制対象で、広告表現の作り方を間違えると、売れる前に止まります。

ここでは法令の解説ではなく、売り場のどこで何を確認するかを書きます。

法令の解釈は個別事情で変わります。この記事は確認漏れを防ぐための実務上の観点であり、法的な判断を示すものではありません。最終的な判断は所管の行政窓口と専門家にご確認ください。

何が規制されているのか

薬機法は、医薬品ではないものを 医薬品のように見せること を禁じています。判断の軸は「その表現が、病気の治療・予防や身体の機能変化を示しているか」です。

商材ごとに言える範囲が違います。

区分言える範囲注意点
医薬品効能効果の表示が可能承認された範囲のみ
医薬部外品承認された効能の範囲範囲外は不可
化粧品定められた56の効能の範囲「〜を防ぐ」「〜を保つ」など言い回しが決まっている
健康食品(一般食品)身体の機能への影響は言えない味・原材料・栄養成分の事実は言える
機能性表示食品届出た機能性の範囲届出内容から逸脱できない
特定保健用食品許可された表示許可内容の範囲

いちばん事故が多いのは一般食品としての健康食品です。 区分上は食品なので、身体の機能が変わることを言えません。それでも売りたいので表現が寄っていきます。

危ない表現の型

具体的な単語を暗記するより、型で覚えたほうが漏れません。

1. 病気の治療・予防を示す

「〜が治る」「〜を予防する」「〜に効く」。病名を出さなくても、症状を示せば同じです。

2. 身体の機能や構造の変化を示す

「脂肪を燃やす」「代謝を上げる」「腸内環境を整える」。一般食品では言えません。

3. 医薬品的な用法・用量を示す

「1日2粒を朝晩」のような服用方法の指定、「〇日で」という期間の明示。食品としての目安量の案内と、医薬品的な用法の指定は別物です。

4. 体験談・ビフォーアフターで暗示する

本文で言えないことは、体験談でも写真でも言えません。 「お客様の声」という形にすれば通る、という理解は誤りです。ビフォーアフター写真、数値の変化、劇的な変化を示す写真も同様です。

5. 打ち消し表示で逃げる

「※個人の感想です」「※効果を保証するものではありません」を小さく添えても、主たる表現が規制に触れていれば意味がありません。打ち消し表示は、主たる表現が誤認を与えないことが前提です。

売り場のどこを確認するか

LP全体を眺めても抜けます。場所ごとに見てください。

場所確認すること
ファーストビューのキャッチ効能効果を示していないか
見出し・小見出し症状名・機能変化を含んでいないか
画像の中の文字本文だけ直して画像内が残るのが最頻出
体験談・お客様の声本文で言えない表現を代弁していないか
ビフォーアフター写真そもそも使えるか
図解・グラフ機能変化を暗示していないか
比較表医薬品と並べていないか
動画・SNS広告LPだけ直して広告素材が残っていないか
アフィリエイト原稿第三者が書いた表現も広告主の責任

画像内の文字とアフィリエイト原稿が、最も見落とされます。 修正の指示がテキスト単位で回るため、画像は差し替えられず、外部の書き手には伝わりません。

運用として回す

薬機法対応は、一度チェックして終わりではありません。キャンペーンのたびに新しいクリエイティブが増えます。

  1. クリエイティブの制作依頼に、確認観点を添付する
  2. 公開前チェックを テキスト・画像内文字・動画 の3つに分けて実施する
  3. チェック日とチェック者を記録に残す
  4. アフィリエイトを使う場合、原稿の事前確認を必須にする
  5. 指摘を受けた表現を社内の禁止リストに追加していく

5が効きます。同じ表現で二度指摘されるのは、リストになっていないからです。

景品表示法との関係

薬機法をクリアしても、景品表示法に触れることがあります。両方を通す必要があります。

  • 薬機法 … その表現を 言ってよいか
  • 景表法 … その表現が 実際と合っているか

「10万人が愛用」は薬機法上は問題なくても、根拠が無ければ景表法の問題になります。

よくある質問

健康食品で「腸内環境を整える」と書けますか

一般食品としての健康食品では、身体の機能への影響を示す表現にあたるため書けません。機能性表示食品として届出た機能性の範囲内であれば、届出た表現で書ける場合があります。区分によって変わるため、自社商品の区分を先に確認してください。

お客様の声なら効果を書いてもよいですか

いいえ。体験談は広告表現の一部として扱われます。広告主が本文で言えない内容は、体験談の形をとっても言えません。

「※個人の感想です」と入れれば大丈夫ですか

打ち消し表示は、主たる表現が誤認を与えないことが前提です。主たる表現自体が規制に触れている場合、注記を添えても解決しません。

誰が確認すべきですか

最終的な判断は専門家に確認してください。そのうえで、社内では制作物を公開前に確認する担当を明確にし、テキスト・画像内文字・動画・アフィリエイト原稿の4つを分けて見る体制にしてください。