定期販売ラボby Shopi Lab D2C・定期通販の立ち上げと、続く仕組みの作り方
広告・計測

広告計測のずれを直す — CPAが実態と合わない4つの原因

管理画面のCVと受注件数が合わない。定期通販で計測がずれる典型的な原因と、どこから直すかをまとめます。

「広告管理画面のCV数と、実際の受注件数が合わない」。定期通販ではほぼ必ず起きます。合わないまま運用すると、止めるべき広告を伸ばし、伸ばすべき広告を止めます。

原因は大きく4つです。上から順に確認してください。

1. 計測の重複

複数の広告媒体が、同じCVを自分の成果として数えています。

媒体はそれぞれ独自のアトリビューション(クリック後◯日、ビュー後◯日)でCVを帰属させるため、全媒体のCV数を足すと実際の受注件数を超えます。

確認方法

媒体CVの合計 ÷ 実際の受注件数

これが1を大きく超えているなら重複しています。1.3〜1.5程度は珍しくありません。

直し方

媒体の数字を横に並べて比較するのをやめ、自社側の1つの基準(アクセス解析または受注データ)で配分を見ます。媒体の管理画面は入札の最適化に使い、事業判断には使わない、と役割を分けてください。

2. 計測タグの発火位置

定期通販では、CVタグをどこで発火させるかで数字が変わります。

発火位置数える対象ずれ方
申込完了画面申込決済失敗分を含んでしまう
決済完了時決済成功実態に近い
出荷時出荷遅延が大きく最適化に使いにくい

申込完了画面で数えていると、決済が通らなかった分もCVに入ります。 定期通販は初回価格が安く、カードエラーの割合が無視できないため、ここのずれは効いてきます。

3. 計測できていない経路

  • iOS・ブラウザの制限でCookieベースの計測が落ちている
  • 電話注文・LINE経由が計測に乗っていない
  • 同一人物の複数デバイスをまたぐ経路

これらは「合わない」ではなく「取れていない」ので、割合を把握したうえで補正するしかありません。

アンケートを1問足す

申込フォームに「どこで知りましたか」を任意で1問置くと、計測に乗らない経路の規模感が掴めます。精度は低いですが、ゼロよりはるかにましです。

4. 定期特有の「CVの定義」

最大の原因はここです。初回申込をCVとして最適化していると、続かない顧客を集める広告が高く評価されます。

見るべきは2回目

実質CPA = CPA ÷ そのチャネルの2回目継続率

CPA 7,000円で継続率55%のチャネルと、CPA 9,000円で継続率78%のチャネル。2回目まで残る1件あたりでは前者が約12,700円、後者が約11,500円で、CPAだけ見ると判断が逆になります。

考え方はKPIを3つに分解するに、価格からの逆算はLTVから逆算する定期価格の決め方にまとめています。

媒体に返す

可能なら、2回目継続や一定金額到達を オフラインCV として媒体に返します。媒体の最適化が「申込を取る」から「続く顧客を取る」に変わります。返せない場合でも、事業側の判断は実質CPAで行ってください。

直す順序

  1. 媒体CVの合計 ÷ 実受注件数を出す(重複の把握)
  2. CVタグの発火位置を確認する(決済完了に寄せる)
  3. 計測に乗らない経路の割合を、フォームの1問で把握する
  4. チャネル別の2回目継続率を出す
  5. 実質CPAで評価に切り替える
  6. 可能ならオフラインCVを媒体に返す

1〜2を飛ばして4から始めないでください。 元の数字がずれていると、継続率を掛けても正しくなりません。

よくある質問

媒体のCV数を足すと受注件数より多くなります

正常です。媒体はそれぞれ独自の基準でCVを自分の成果として帰属させるため、合計は実件数を超えます。事業判断は自社側の1つの基準で行い、媒体の数字は入札最適化に使ってください。

CVタグはどこで発火させるべきですか

決済完了時が実態に近くなります。申込完了画面だと、決済が通らなかった分もCVに含まれます。定期通販は初回価格が安くカードエラーの割合が無視できないため、ここのずれは効きます。

実質CPAはどう計算しますか

CPA ÷ そのチャネルの2回目継続率です。2回目まで残る1件あたりのコストが出ます。チャネル別の継続率が必要になるので、獲得チャネルを契約データに紐づけておく必要があります。

オフラインCVを返せない場合はどうしますか

媒体の最適化は申込ベースのままになりますが、事業側の予算配分は実質CPAで判断してください。媒体に任せきりにせず、配分を人が決める形になります。