定期販売ラボby Shopi Lab D2C・定期通販の立ち上げと、続く仕組みの作り方
D2C立ち上げ

D2CのKPIを3つに分解する — 獲得・継続・単価のどれが効いているか

売上を追うだけでは打ち手が決まりません。獲得件数・継続率・平均単価に分解し、どこが伸びていてどこが漏れているかを見る型。

D2Cの数字を見るとき、売上を月次で並べても打ち手は決まりません。伸びていれば安心し、落ちていれば焦るだけで、次に何をすべきかが出てこないからです。

分解の型を1つ持っておくと、毎月の会議が「どこを直すか」の話になります。

売上を3つに分ける

定期販売の売上は、次の3つの掛け算で近似できます。

売上 = 稼働件数 × 平均単価 × 配送回数

そして稼働件数は、新規と既存の差し引きで決まります。

今月の稼働件数 = 先月の稼働件数 + 新規獲得 − 解約

つまり見るべきKPIは、獲得・継続・単価 の3つです。この3つに分けると、同じ「売上横ばい」でも中身がまったく違うことが見えます。

パターン獲得継続単価実態
A悪化横ばい穴の空いたバケツに注いでいる
B良好横ばい獲得が止まっている。既存は健全
C横ばい横ばい値引きに依存し始めている

Aは広告を止めると一気に縮みます。Bは獲得さえ戻せば伸びます。Cは短期の売上は保てても粗利が痩せます。打ち手はまったく別物なのに、売上のグラフだけ見ていると区別がつきません。

獲得を見る

見るのは件数とCPAですが、それだけでは足りません。チャネル別に継続率まで見てください。

実質CPA = CPA ÷ (そのチャネルの2回目継続率)

広告経由のCPAが7,000円で2回目継続率が55%、自然流入のCPAが9,000円で継続率が78%なら、2回目まで残る1件あたりのコストは前者が約12,700円、後者が約11,500円です。CPAだけ見ると逆の判断になります。

続かない顧客を安く買い続けるのが、D2Cで最も多い失敗です。

継続を見る

全体の解約率ではなく、回数別獲得コホート別 で見ます。

  • 回数別 … 離脱の山がどこにあるか。ほとんどの事業で1→2回目に集中します
  • コホート別 … 施策の効果が見えるのはこの形だけです

あわせて、自発的解約と決済失敗による停止を分けてください。原因も打ち手も別で、後者は通知とリトライで戻せます。

測り方は解約率の測り方に、初回の山への打ち手は初回解約を減らすにまとめています。

単価を見る

単価は、値上げ以外にも動かせます。

  • 同梱・クロスセルで1回あたりの購入点数を増やす
  • 年間プランなど、まとめ買いの選択肢を置く
  • 送料・梱包費を下げて、粗利ベースの単価を上げる

3つ目は見落とされがちですが、毎回発生するので回数分効きます。 1回150円下げられれば、期待継続10回で1,500円のLTV改善です。これは初回割引を1,500円縮小するのと同じ効果を、CVRを落とさずに得ることに相当します。

毎月見る形にする

3つのKPIを、次の粒度で並べてください。

  1. 獲得 … チャネル別の件数・CPA・2回目継続率
  2. 継続 … 回数別の継続率、コホート別の1/3/6か月後残存、自発/非自発の内訳
  3. 単価 … 平均単価、1回あたり粗利、購入点数

この3ブロックが揃うと、毎月の議論が「今月どこが崩れたか」から始められます。逆に、この形になっていない状態でいくら会議をしても、原因の特定に時間が溶けます。

自社の3つのうちどこが弱いかは、グロース診断で当たりをつけられます。