定期販売ラボby Shopi Lab D2C・定期通販の立ち上げと、続く仕組みの作り方
法規制・表示

景品表示法の確認観点 — 優良誤認・有利誤認とNo.1表示

「業界No.1」「通常価格の80%オフ」「今だけ」。根拠が無いと止まる表現を、売り場ごとに確認する形にまとめます。

薬機法が「言ってよいか」を見るのに対し、景品表示法は その表現が実際と合っているか を見ます。D2Cで問題になりやすいのは、価格の見せ方とNo.1表示です。

法令の解釈は個別事情で変わります。この記事は確認漏れを防ぐための実務上の観点です。最終的な判断は消費者庁の資料と専門家にご確認ください。

2つの誤認

優良誤認 — 品質を実際より良く見せる

商品の内容が、実際のものより著しく優良だと示す表示です。効果、成分、産地、受賞歴などが対象になります。

根拠資料を示せるかどうかが分かれ目です。 表示の裏付けとなる合理的な根拠を求められた場合、期限内に提出できなければ、不当表示とみなされる仕組みになっています。「あとで用意する」は通りません。

有利誤認 — 取引条件を実際より有利に見せる

価格、数量、保証など取引条件についての表示です。定期通販では価格の見せ方がここに当たります。

価格表示でつまずく型

二重価格表示

「通常価格9,800円 → 初回1,980円」の「通常価格」に実態が必要です。

  • その価格で 相当期間 販売した実績があるか
  • 実績が無い価格を「通常価格」と書いていないか
  • 「メーカー希望小売価格」を使う場合、実在するか

定期通販で最も危ういのは、初回価格しか販売実績が無いのに通常価格を併記する形です。

期間限定・数量限定

「今だけ」「先着100名」を、実態なく繰り返していないか。

  • キャンペーン終了後も同じ価格が続いていないか
  • カウントダウンが、アクセスのたびにリセットされていないか
  • 「残りわずか」の在庫表示に根拠があるか

サイトの実装が自動でこれを繰り返す作りになっていることがあります。表現は人が書いていなくても、実装が誤認を生めば同じです。

実質無料・0円

送料や手数料がかかるなら「無料」ではありません。条件があるなら、条件を同じ視認性で書いてください。

No.1表示

「顧客満足度No.1」「売上シェアNo.1」は、根拠の作り方に条件があります。

確認項目具体的に
調査対象何を比較したのか(競合の範囲)
調査方法誰が、いつ、どのように調べたか
調査時期古すぎないか
出典の明示表示の近くに書かれているか
主観的評価か「イメージ調査」をシェアのように見せていないか

イメージ調査のNo.1を、実績のNo.1のように見せる形が典型的な問題です。 調査の性質が分かるように書いてください。

定期通販での確認一覧

場所確認すること
価格表記通常価格に販売実績があるか
価格表記総額と継続条件が同じ視認性か
キャンペーン期間・数量の限定に実態があるか
No.1・ランキング調査の出典と性質が明示されているか
「無料」表記送料・手数料の条件が併記されているか
体験談効果の代弁になっていないか(薬機法と重複)
アフィリエイト外部の書き手の表現も広告主の責任
打ち消し表示主たる表示と同じ視認性で読めるか

表示義務との関係

定期購入では、特定商取引法の表示義務も同時にかかります。景表法は「誇張していないか」、特商法は「必要事項が書かれているか」を見ます。両方を通す必要があります。

運用として回す

価格やキャンペーンを変えるたびに、表示は崩れます。

  1. 価格変更の作業手順に、根拠資料の確認を組み込む
  2. 通常価格の販売実績を、期間と件数で記録に残す
  3. No.1表示は、調査データと出典表記をセットで管理する
  4. キャンペーン終了時に、限定表現が残っていないかを確認する
  5. 変更後の売り場のスクリーンショットを日付つきで保存する

2と5が効きます。 指摘を受けたときに「いつ、いくらで、何件売ったか」を出せるかどうかで、その後の展開が変わります。

よくある質問

通常価格はどれくらい販売していれば使えますか

一定期間の販売実績が必要とされますが、具体的な期間は個別の状況で判断されます。実績が無い価格を通常価格として併記するのは避けてください。記録として、いつ・いくらで・何件販売したかを残しておくことが実務上の備えになります。

カウントダウンタイマーは使えますか

期限に実態があり、期限後に同じ条件で販売していなければ問題になりにくい表現です。アクセスのたびにリセットされる実装は、実態のない限定表示にあたる可能性があります。

アフィリエイターが書いた表現も責任を負いますか

広告主の責任が問われます。原稿の事前確認を必須にし、禁止表現を共有してください。

根拠資料はどの程度必要ですか

表示の裏付けとなる合理的な根拠が求められます。提出を求められてから作れるものではないため、表示を出す時点で揃えておく必要があります。