定期販売ラボby Shopi Lab D2C・定期通販の立ち上げと、続く仕組みの作り方
CRM・リピート施策

ecforce maでできること — 定期通販でMAを入れる前に決めること

MAツールを入れれば継続率が上がるわけではありません。ecforce maが標準連携で何を省けるのか、シナリオを組む前に何を決めておくべきかを整理します。

MAツールの導入検討は「何ができるか」から始まりがちですが、機能で選ぶと導入後に止まります。シナリオを誰が作り、誰が直し続けるかが決まっていないためです。

ecforce maは、ecforceの契約データをそのまま条件に使えるMAです。ここでは何が省けるのかと、入れる前に決めておくことを分けて整理します。

機能は更新されます。ここに書くのは判断の論点で、現在の対応範囲はecforceの定期通販向けページと個別の確認で押さえてください。

外部MAとの違いは「連携の設定が要らない」こと

一般的なMAをECに繋ぐとき、最初の作業は連携です。

  • 顧客データをどう渡すか
  • 購買履歴をどの粒度で同期するか
  • 定期契約の状態(何回目か、次回いつか、停止中か)をどう持たせるか
  • 同期の遅れをどこまで許容するか

ここが重い。特に3つ目は、外部MAだと標準の項目に無いことが多く、カスタム項目を作って同期する設計になります。そして同期のずれが、誤配信として顕在化します。 解約した人に「次回発送のご案内」が届く事故は、たいていここから起きます。

ecforce maは同じ基盤の上にあるため、この工程が発生しません。定期の回数や次回発送日を、そのまま配信条件に使えます。

これが最大の差です。 機能表を並べるより、ここを評価してください。

何ができるか

  • 定期の回数・状態を条件にしたシナリオ配信
  • ノーコードでのシナリオ設定
  • メールとLINEの配信
  • 会員ランク・ポイントと組み合わせた出し分け

「ノーコードで組める」は導入のハードルを下げますが、組む内容を決めるのは別の仕事です。ここを外部に丸投げすると、動いているが誰も直せないシナリオが残ります。

入れる前に決める4つ

1|どの数字を動かすのか

MAで動かせる数字は限られています。まず1つ選んでください。

  • 初回解約率 — 届く前・届いた直後の不安を減らす
  • 引き上げ率 — お試しから本商品への移行
  • 休眠復帰率 — 止めた人の再開
  • 決済失敗からの復旧率 — 事務連絡の到達

同時に全部やると、配信が重なって開封率が落ちます。 1つ決めて、その数字が動いてから次に行くほうが速く進みます。

どこから手をつけるかはD2CのKPIを3つに分解するで当たりをつけられます。

2|配信の総量をどこで止めるか

シナリオを足していくと、1人に届く本数が増えます。シナリオごとに最適化すると、顧客体験としては最悪になります。

先に上限を決めてください。

  • 1人あたり週に何通まで
  • 事務連絡(発送・決済)と販促を同じ枠で数えるか
  • どのシナリオを優先するか(重なったときに落とす側)

後から決めると、既存シナリオを全部見直すことになります。

3|誰が中身を書き、誰が直すか

ノーコードで組めても、文面は人が書きます。そして 一度組んだシナリオは、放置すると劣化します。 商品が変わり、価格が変わり、法規制の解釈が変わるためです。

  • 初期構築を誰がやるか
  • 月次で数字を見て直すのは誰か
  • 文面の法務チェックを誰が通すか

3つ目は定期通販では外せません。健康食品・化粧品なら薬機法、価格や効果の訴求なら景表法が絡みます。薬機法で落ちる表現に典型例をまとめました。

4|測り方を先に決める

「メールを送った → 継続率が上がった」は、そのままでは因果になりません。同じ時期に別の施策が動いていることが多いためです。

最低限、次を決めてから始めてください。

  • 何と比べるか(配信前後か、配信した群としない群か)
  • いつ判定するか(定期は結果が出るまで数か月かかる)
  • どの数字で判定するか

シナリオの入り口として置くもの

最初に組むなら、次の4つのどれかです。効果が出やすく、作りが単純な順に並べています。

1|決済失敗の通知。 販促ではなく事務連絡なので開封されます。カードの有効期限切れは本人が気づいていないことが多く、通知するだけで復旧します。決済失敗を解約にしないを参照してください。

2|初回到着前後のフォロー。 「いつ届くか」「どう使うか」を先に送ります。初回解約の多くは期待とのずれから起きるため、ここが効きます。初回解約を減らすにまとめています。

3|引き上げの案内。 お試しから本商品への切り替えを、決めたタイミングで案内します。引き上げ率の設計を参照してください。

4|解約直前の代替提示。 解約の手前で一時停止やサイクル変更を出します。引き止め自体は禁止されていませんが、解約という結論にたどり着けなくする作りは規制の対象です。選択肢を増やす形にしてください。

入れないほうがいい場合

次に当てはまるなら、MAより先にやることがあります。

  • 配信する文面を書ける人がいない。 ツールは文面を書きません
  • 顧客数がまだ少ない。 数十人なら手作業のほうが速く、学びも多い
  • 既存のステップメールの数字を取っていない。 現状が分からないと、改善したかどうかも分かりません

設計の型は定期通販のステップメール設計にまとめています。まずここを紙で書いてから、ツールを選んでください。

よくある質問

Q. ecforce maは別料金ですか

料金ページにはプラン料金と従量課金の記載があり、個別機能の内訳は公開されていません。契約時の見積もりで確認してください。費用の考え方はecforceの費用は何で決まるかに整理しています。

Q. 外部のMAツールを使うことはできますか

できます。ただし定期契約の状態(回数・次回発送日・停止中か)を条件に使うには、その項目を同期する設計が必要になります。同期のずれが誤配信につながるため、そこの設計と保守を誰が持つかを決めてください。

Q. LINEとメールはどう使い分けますか

到達と即時性はLINE、情報量と保存性はメールが向きます。事務連絡(発送・決済)はメール、時間で効くリマインドはLINEという分け方から始めると整理しやすくなります。

Q. シナリオはいくつから始めるべきですか

1つです。数字が動いたことを確認してから足してください。同時に複数を走らせると、どれが効いたか分からなくなり、配信量だけが増えます。

Q. 効果はどのくらいで判断できますか

定期通販は結果が出るまで時間がかかります。初回解約なら1〜2か月、継続率なら3か月以上を見てください。短期で判断すると、季節要因や広告の変動を施策の効果と取り違えます。