定期販売ラボby Shopi Lab D2C・定期通販の立ち上げと、続く仕組みの作り方
カート・システム

Shopifyで定期販売を始める — サブスクアプリの選定軸

Shopifyの定期購入はアプリ選定でほぼ決まります。決済・解約導線・データの持ち出しやすさを軸に、契約前に確認すべき項目を整理します。

Shopifyで定期販売をやる場合、機能の大半はアプリ側にあります。つまり アプリ選定が運用設計そのもの です。あとから乗り換えると顧客の契約データを移す作業が発生するため、最初の選定でどこまで見ておけるかが効いてきます。

ここでは、デモや無料プランで必ず確認すべき項目を挙げます。

アプリの仕様と料金は頻繁に変わります。ここに書くのは確認すべき観点で、個別アプリの現在の対応状況は必ず公式ドキュメントと実機で確認してください。

1. 決済手段が定期課金に対応しているか

最初にここで詰まります。カートに定期商品を入れられても、その決済手段が継続課金に対応していなければ運用できません。

確認すること。

  • 使いたい決済手段(クレジットカード、コンビニ払い、キャリア決済、後払いなど)のうち、どれが定期課金に対応しているか
  • 定期に使えない決済手段が、定期商品のチェックアウトで 非表示になるか(表示されたまま選べてしまうと、決済できない注文が発生します)
  • カード情報の更新(有効期限切れ)に対応しているか
  • 決済失敗時のリトライ回数と間隔を設定できるか、顧客に通知が飛ぶか

最後の2つは、非自発的解約に直結します。ここが弱いアプリを選ぶと、顧客が離れたわけでもないのに契約が消えていきます。

2. 顧客が自分で操作できる範囲

マイページから顧客が何をできるかは、そのまま継続率に効きます。次の操作がセルフサービスで完結するか確認してください。

操作なぜ必要か
次回配送日の変更「多すぎる」を解約以外で解決できる
スキップ(1回休み)一時的な不要を離脱にしない
周期の変更消費ペースへの調整
数量・商品の変更契約を維持したまま中身を直せる
配送先・支払い方法の変更引っ越し・カード変更で切れない
解約法令上も、到達可能である必要がある

ここが問い合わせ経由になっていると、CSの工数が件数に比例して増えます。定期の件数が伸びたときに最初に壊れるのがこの部分です。

日本語表示とメール文面

海外製アプリの場合、マイページの日本語化とメールテンプレートの編集自由度を確認してください。「文言は変えられるがレイアウトは固定」というケースがあります。次回配送日やスキップ導線をメールに入れられるかは、初回解約の対策で使うので重要です。

3. データを取り出せるか

継続率を測るには、契約データが自分の手元に来る必要があります。

  • 契約単位のデータ(開始日、状態、回数、次回配送日、解約日、解約理由)をCSVで出せるか
  • API またはWebhookで取得できるか
  • 解約理由を任意の選択肢で設定でき、その集計が出せるか

管理画面のダッシュボードに解約率が出ていても、定義が自社の見方と一致しているとは限りません。生データを出せるかどうかで確認してください。出せないアプリは、コホート分析ができません。

4. 表示要件に対応できるか

日本の定期販売では、特定商取引法の表示要件を満たす必要があります。アプリ側の制約で書けない、という事態を避けてください。

  • 商品ページとカートで、2回目以降の価格と支払総額を表示できるか
  • 最低継続回数の条件を設定でき、かつ売り場に表示できるか
  • チェックアウト(最終確認画面)に必要事項を出せるか

Shopifyのチェックアウトはカスタマイズ範囲に制限があるため、ここは特に事前確認が必要です。詳細は表示義務のチェックリストにまとめています。

5. 乗り換えコストを先に見ておく

将来の移行可能性を、契約前に確認します。

  • 他アプリからの契約データ移行に対応しているか
  • 移行時にカード情報(トークン)を引き継げるか、顧客に再登録を求めることになるか

カードの再登録が必要な移行は、実質的に一度全員に解約してもらうのと同じです。 ここを許容できるかどうかが、乗り換えの現実的な可否を決めます。選定時点で「出口」を確認しておく価値はここにあります。

選定の進め方

  1. 使いたい決済手段を先に決め、それに対応するアプリだけに絞る
  2. 残った候補で、顧客セルフサービスの範囲を実機で触って比較する
  3. データのエクスポート形式を実際に出してもらう
  4. 表示要件を満たせるか、テスト商品でチェックアウトまで通す
  5. 料金を件数が10倍になった場合で試算する(従量課金のアプリが多いため)

4まで確認せずに決めると、公開直前に表示要件で作り直しになります。テスト注文を1件通すところまでを選定作業に含めてください。