海外Webマーケティングとは、インターネットを活用して海外で物を売る仕組みを作ることです。実店舗を展開して販売する手段にも良さはありますが、インターネットを使うことで、少ない労力でより多くの人々にアプローチできます。
しかし、海外Webマーケティング では、一般的なWebマーケティングを応用する必要があります。なぜなら、その国ごとに特色や文化が異なるからです。
この記事では、海外Webマーケティングを成功させるためのポイントについて、主要国であるアメリカ・韓国・台湾・中国を例にご紹介します。
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海外Webマーケティングが必要なワケ
日本国内のインターネット利用者は数年前から大きな増減を見せていませんが、海外でのインターネット利用者は増え続けています。そのため、海外での販路獲得を目指す国内企業は増加傾向にあり、日々マーケティング施策を練っている企業も多いでしょう。
しかし、適切な準備を行わなければ、海外でのビジネス展開はハードルが高いです。
そこで、まずは海外で販路を獲得していくために、WEBマーケティングが必要な理由を見ていきましょう。
マーケティング手法の調査
国内海外を問わず、インターネットを使って商品やサービスを販売していくには、WEBマーケティングを行わなければなりません。
先述した通り、日本国内と海外では言語や文化、国民性が異なるのは当然のこと。そんな、属性の違いを加味して、正しいWEBマーケティング手法を選ぶことが、海外進出を成功に導く最大の近道です。
なお、国内で成功したからといって、海外でもまったく同じ手法が通用するかと言えば、答えは『NO』でしょう。まずは、ライバルとなり得る企業の販売戦略を研究し、どのようなことを行えば成功につながるのか、把握しておくことが重要です。
インターネットユーザーの動向の把握
インターネットユーザーの動向もしっかり把握しておきましょう。
一昔前までは、商品やサービスの宣伝を行うには、テレビやラジオのコマーシャルや雑誌、新聞などの媒体がメインでした。しかし、パソコンやスマートフォンが普及する現在では、インターネットで情報を得ることがほとんどです。
消費者の中には、インターネットでその商品の情報を見て、口コミや評価をチェックし、購入する、といったように、一連の流れをインターネットで完結させる方もいらっしゃるでしょう。
そのため、ペルソナを意識した情報発信を行い、消費者の購買意を掻き立てるようなマーケティング戦略をとる必要があります。
マーケティングの効果測定
WEBマーケティングは他の手法と比べて、効果を測りやすいというメリットがあります。
例えば、バナー広告を使った施策を行った際には『どれくらい表示されたか』『どれくらいのユーザーがその広告に目を止めたか』『どれくらいのユーザーが広告をクリックしたか』などと、細かくチェックすることが可能です。
このような数値を確認していくことで、ターゲットに刺さりやすい内容に修正してみたり、バナーの位置を変えてみたりと対策することができます。
海外Webマーケティングでは各国の特色によって施策を変えることが重要
「海外Webマーケティング」とは、インターネットを通じてさまざまな国を相手に、自社製品やサービスを販売する仕組みを作ることです。実店舗を展開して販売する手段にも良さはありますが、インターネットを使うことで、少ない労力でより多くの人々にアプローチできます。
そして、海外Webマーケティング最大の特徴といえば、各国の特色によって施策を変えることで、より効率性を高められることです。日本には日本文化があるように、各国にもそれぞれの文化が存在し、特徴が異なります。その特徴に合わせてWebマーケティング施策を練ることが大切です。
海外への事業展開を視野に入れている企業や、海外向け商品を展開している企業などにとって、海外向けのマーケティング施策を熟考することはビジネスを成功させる鍵となります。日本で成功しているからといって、日本と同じWebマーケティング手法では成功できません。
つまり、各国の特色を見極めることこそが、海外で物が売れるか否かを左右するというわけです。
【日本と海外】Webマーケティングの違い
次に日本国内と海外のWEBマーケティングの違いを見ていきましょう。
言語
日本国内と海外の最も大きな違いはやはり言語でしょう。世界共通語と呼ばれる『英語』と世界で最も話者数が多い『中国語』は抑えておきたい言語の代表例です。
海外向けにビジネスを展開していくのであれば、まずはターゲット国で使われる言語に合わせて、WEBマーケティング・デジタルマーケティングを行なっていく必要があります。また、カスタマーサポートやお問い合わせ対応なども、必ずその国の言語に合わせて行いましょう。
商品の発送
商品の発送にかかる工数も大きく異なります。
一般的に海外へ商品を発送するには、飛行機または船で現地まで商品を発送。そこから車を使って、消費者の自宅まで届けます。国内の発送と同じように、商品の大きさや重さ、距離や発送方法などによってコストは異なるので、事前に最安値を調べておくと良いでしょう。
また、商品の返品対応を行う場合はその際の送料はどちらが負担するのか、どこ宛に送ればいいのか、決めておく必要があります。
そして、最後に忘れてはならないのが、関税の存在です。
関税は国によって異なり、商品のジャンルや輸出の目的によっても差が生じます。
事前に発送にかかるコストも調べておいて、より多くの収益を得られるように準備を整えておきましょう。
文化
文化や国民性の違いにより、その国で需要がある商品は大きく異なります。そのため、ターゲット国の文化も調べておき、自社で扱う商品・サービスが本当に売れるかしっかり吟味しておきましょう。
また、その国によって好まれるデザインにも差があります。
例えば『色』でも、日本でのイメージと海外でのイメージは異なる場合があるので、自社のブランドイメージは守りつつ、その国に合ったデザインも織り交ぜていく必要があるでしょう。
販売サイトを構築する際には、参考にしてみてください。
広告
その国でどのような広告手法が行えば有効か、把握しておきましょう。
日本国内では一般的なインターネットでの宣伝が効果的な国もあれば、テレビや雑誌などのマスメディアでの宣伝が効果的な国もあります。ターゲット国や地域にローカライズした方法で宣伝を行っていきましょう。
金額の表記
金額の表記も海外の通貨に合わせておきましょう。
また、商品を購入してもらった際のトラブルを防ぐという意味でも、表記された金額が『税込み価格』か『税抜き価格』か、記載しておくことをおすすめします。
クレーム対応
最後に留意しておきたいことが『クレーム』です。
日本の消費者は商品やサービスに不満があっても、クレームを残すことは少ないかもしれません。しかし、海外の消費者はクレームを出す方が比較的多いです。
このような予備知識を入れておかないと、いざというときのクレーム対応に苦労する可能性があります。
【主要国別】海外Webマーケティングのポイント
ここからは、アメリカ・韓国・台湾・中国の4カ国に絞り、Webマーケティングをするうえで重視する点についてご説明します。
日本の市場よりも遥かに大きく競争が激しい【アメリカ】
アメリカは日本よりも遥かに大きな国で、その分市場が大きく競争が激しいのが特徴です。さまざまな人種が混在しているアメリカでは知識や技術も最先端で、日本よりもマーケティング手法が2〜3年早く進んでいると言われています。
そんなアメリカで、日本のような物の売り方をしてもビジネスは成功しません。アメリカでマーケティングをおこなうなら、次のような手法を取り入れていきましょう。
- リスティング広告
- コンテンツマーケティング(企業のオウンドメディアなどでニッチな顧客に訴求する)
- SNSを活用したインフルエンサーマーケティング
- バイラル(バズ)マーケティング
- Webブランディング など
リスティング広告
アメリカにおけるリスティング広告の代表例は、Googleアドワーズです。
アメリカにおける検索エンジンのシェアは、Googleが大半を占めているからです。ですから、アメリカでリスティング広告を出すならGoogleアドワーズが最適です。
Googleアドワーズの仕組み自体は、日本とアメリカとで、大きな違いはありません。違いがあるとしたら、それは検索キーワードの使い方です。日本ではせいぜい、3〜4語程度のロングテールキーワードまでしか検索されないのに対して、アメリカではそれよりずっと多い単語数で検索されます。
たとえば日本では「iphone 修正 水没」 だっとしても、アメリカでは「how to repair iphone when wet」 といった形になります。フレーズを完成させて検索する傾向があるのです。したがって、アメリカ市場向けにリスティング広告を運用するなら、ネイティブの感覚を理解している担当者の存在が必須です。日本市場向けの、ぼやっとしたキーワードでは反応が取れないからです。
コンテンツマーケティング
アメリカでも、日本と同様コンテンツマーケティングは主流ですし、オウンドメディアの有効性も変わりません。SEOのアルゴリズムも、アメリカと日本で大きな違いはありません。したがって、日本市場と同じような戦略・戦術がそのまま有効に機能するケースが多いです。
ただ注意したいのは、コンテンツで対策する検索キーワードですね。先ほどのリスティング広告の項目でも説明したように、日本人とアメリカ人とでは、検索行動が異なります。アメリカ人はとにかく具体的で完成されたフレーズを検索エンジンに打ち込んで情報を探す傾向がありますから、コンテンツのキーワードもそのような視点で探す必要があります。
SNSを活用したインフルエンサーマーケティング
アメリカでは、広告や検索結果に対する懐疑心が強いといわれています。「広告はお金を払えば上位表示できるし、自然検索結果もSEO対策済みのサイトが上に来ているだけでしょう?」 という印象が強いのです。それに、FacebookやTwitter、Instagramを生み出した国ですから、SNSが生活によく馴染んでいます。
各種SNSのインフルエンサーも多数存在しますので、彼(彼女)らとコラボしてプロモーションを展開することも視野に入れましょう。
とくに、フォロワー数が1000人程度の「ナノインフルエンサー」 は、コラボも難しくないですし、むしろ大規模なインフルエンサーよりも信頼されやすいです。大規模インフルエンサーは企業から金で買われていると、多くの消費者が感じているからですね。
広告不信・検索不信が強いアメリカでも、ナノインフルエンサーが言及した商品やサービスなら受け入れてもらいやすい可能性があります。
バイラル(バズ)マーケティング
バイラル(バズ)マーケティングとは、広く話題になりそうなバイラルネタ(形はWebサイトや動画など様々)を作成し、それを見たユーザーの口コミによって爆発的に拡散させることを狙ったマーケティング手法です。
上手く拡散されれば、低コストで大量の見込み客にリーチしたり、ブランド認知を大幅に向上させたりできます。先ほどご紹介したインフルエンサーマーケティングも、バイラルマーケティングの一種だといえます。
ただ、完全に無料でバイラルネタを拡散できるわけではない点に注意してください。もちろん、一般的なマーケティング手法に比べれば低コストで実施できますが、お金をまったく掛けずに実施するとなると、時間がかかりすぎます。そのため、初期露出として、リスティング広告やFacebook広告を活用するのが一般的です。
Webブランディング
ブランディングは、どんなビジネスにも必要なものです。ブランディングが弱い商品・サービスは、必ず価格競争に巻き込まれますし、そもそも消費者に選んでもらうことすら難しいでしょう。
ブランディングの対象は、ビジネスに関係するすべての要素です。会社や商品、ロゴ、従業員、あるいはユーザーとのコミュニケーションなど、あらゆるものがブランディングの対象になりますし、それを必要としています。
かつてはテレビCMを出すといった手法でしか、大々的なブランド認知は難しかったのですが、いまはオンライン広告があります。大企業のように潤沢な資金が用意できない中小企業でも、安価でユーザーに対して露出し、ブランド認知を図れるようになりました。検索エンジン(SEO)やSNS、PPC広告などを活用すれば、絞り込んだターゲットに向けて、低予算で露出できます。
インターネットが盛んでブロガーが鍵となる【韓国】
日本やアメリカなど多くの国でよく使用されている検索エンジンは「Google」ですが、韓国では「NAVER」が一般的です。
NAVERとは、ブログやカフェを手掛けるポータルサイトで、韓国人にとって情報収集のポピュラーな手段となっています。ちなみにカフェとは、日本でいう飲食店のことではなく、美容やファッション、音楽などといった同じ話題に興味がある人が集まるWebサイトのことです。
ブログが盛んな韓国では、ブロガーが多大な影響力を持っています。そのため、韓国でWebマーケティングをおこなう際には、次のような手法がおすすめです。
・NAVERを使ったブログSEO
・NAVERのリスティング広告
など
NAVERを使ったブログSEO
韓国はブログ大国です。検索したユーザーの多くが、検索結果のなかからブログを閲覧するという統計もあります。したがって、NAVERを使ったSEOは、ブログに力を入れることを推奨します。キーワードも、ブログ記事用にフィットするものを選ぶことがポイントです。
ちなみに、NAVERの検索結果では、企業サイトはなかなか上位表示しづらいです。先ほども述べたように、ブログを閲覧する層が圧倒的に多く、また、検索上位もブログが多くを占めるからです。そのため、ジャンルにマッチしたブロガーとコラボしてブログコンテンツを書いてもらう、という戦略が有効です。
ほかにも、NAVERブログを運営するという選択肢もあります。NAVERブログの企業アカウントを作って、そこで情報を発信するのです。ただこの場合、更新数を保てないと露出が難しいため、継続的にコンテンツを作成できる体制作りが必要です。
NAVERのリスティング広告など
手っ取り早く結果を出すなら、リスティング広告が一番です。これは日本も韓国も変わりません。自然検索結果の多くをブログが占めることから、企業サイトをユーザーに認知してもらうには、リスティング広告を出すことが一番の近道です。
NAVERリスティングの特色は、最大20以上の広告が同時に表示されることです。日本のGoogleやヤフーのリスティング広告と比べると、圧倒的に競合の数が多いのです。
数多くの競合の広告ではなく、自社の広告をクリックしてもらうには、リスティング広告のコピーが非常に重要になります。クリックされるキャッチコピー作り(それもネイティブの感覚を理解した)が必要不可欠です。
生活のなかにブログが定着している【台湾】
台湾は、中国圏でありながら独立している特有の地域です。台湾といえば「ブログ」といわれているほどに、ブログは台湾人の生活の一部になっています。
そのブログを運営する際に使用しているのが、台湾最大のSNSサイト「PIXNET」です。PIXNETは、日本でいう「アメーバ」や「mixi」で使用できるブログ機能のようなもので、アフィリエイトとしても利用できます。
また台湾の検索エンジンシェアは、「Yahoo!奇摩」と「Google」で90%以上を占めています。そのほかにも、Facebookの利用時間が世界一という特徴もある台湾でオススメのWebマーケティング手法は次の通りです。
- Yahoo!奇摩のリスティング広告
- Facebookを活用したSNSマーケティング など
Yahoo!奇摩のリスティング広告
Yahoo!奇摩でリスティング広告を出す場合に大事なことは、台湾用にローカライズ化されたサイトと広告文を用意することです。台湾がいくら親日国とはいえ、日本語のサイトをそのまま掲載するのは効果的ではありません。
具体的なポイントは、Webサイトの中国語対応です。現地の台湾人の感覚を理解している翻訳会社などに依頼するといいでしょう。
Facebookを活用したSNSマーケティングなど
台湾は、Facebook大国でもあります。SNSの利用率はFacebookが圧倒的首位です。Facebook経由の広告も多く配信されています。リスティング広告施策と併せて、SNSマーケティングも検討してみましょう。
国単位の情報規制があるものの常に最先端を走る【中国】
世界で最も人口が多い国として知られている中国は、それだけ多くの人がインターネットを活用する巨大な市場です。中国では情報規制が厳しいため、他の国でも活用されているGoogle、Facebook、Twitter、LINEなどは使えません。
代わりに中国独自で開発された中国版のLINE「WeChat 微信」、中国版のTwitter「weibo 微博」、検索エンジン「Baidu 百度」などが使われています。
中国でWebマーケティングをおこなう際には、中国用のシステムを活用しなければ物は売れません。中国では以下のマーケティング手法をおすすめします。
- weibo 微博を通じてインフルエンサーに情報拡散してもらう
weibo 微博を通じた情報拡散
すでに中国向けのサイトやLPがある場合は、検索エンジン「Baidu 百度」対策を実施するのもいいかもしれません。ただ、成果が出るまでにある程度時間がかかるため、より手軽かつ低コストでおこなえる「weibo 微博」における施策を、初期は実施することを推奨します。
インフルエンサーやパワーブロガーを使ったプロモーションで、ブランド認知を強化したり、フォロワー数を一気に増やしたりして、影響力を強められる可能性があります。
まとめ:【主要国別】海外Webマーケティングにおけるポイントを解説!
この記事では、海外Webマーケティングにおける各国の特徴やポイント、マーケティング手法についてご紹介しました。
海外Webマーケティングをするうえで、その国の特色を把握し、そこに合わせることが重要です。日本以外の国で、日本のマーケティング手法は通じません。1度は売れても、継続させることは難しいのです。
海外で物を売りたい、ビジネスを成功させたいという人は、必ず各国の特徴を掴んで理解しておきましょう。
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