監修:黒岩俊児(株式会社セルフプラス 代表・Shopify Plus Partner)
公開日:2026年7月27日|本記事は各社の公式発表・一次情報にもとづき、EC構築の実務者が内容を確認しています。
「ShopifyのAIは結局どこまで使えるのか」「ChatGPTで商品が売れるというのは日本でも本当か」——本記事はShopifyでECを運営する事業者に向けて、公式AIのSidekick・Magicから話題のChatGPT連携までを、公式発表と一次情報だけを使って整理します。結論は明快です。SidekickとMagicは日本語で今日から追加料金なしに使え、効果はまず「時間削減」から出ます。一方、ChatGPT内で購入まで完結する「Instant Checkout」は2026年3月に終了し、日本の購入者向けには一度も提供されないまま終わりました。それでもAI経由の「発見・流入」はむしろ急拡大しており、Catalog登録やKnowledge Baseの整備といった土台づくりの価値は変わりません(情報基準日:2026年7月)。
この記事の要点
- Shopifyの公式AI(Sidekick・Magic)は追加料金なしで使え(利用できる機能と利用上限はプランにより異なります)、Sidekickは2025年4月から日本語対応済み。まず効果が出るのは売上増より「レポート・運用の時間削減」です。
- Q1 2026決算(2026年5月発表)では、AI経由のストアトラフィックが前年比8倍、AI検索経由の注文が約13倍と公表。AIコマースは実測値で伸び始めています。
- ChatGPT内で購入まで完結するInstant Checkoutは、ローンチから約5か月の2026年3月に終了(実際に接続したShopifyマーチャントは約12社)。終わったのは「チャット内決済」だけで、AI経由の発見・流入はむしろ急拡大しています。
- 日本の事業者が今できるのは、Sidekick/Magicの活用、Knowledge Base appの導入、Agentic Storefrontsの設定、商品データの構造化という「AIに選ばれる土台」の整備です。
目次
- 1 ShopifyのAI機能の全体像|何が使えて、日本で使えるのか
- 2 データで見るAIコマースの現在地|Q1 2026決算のAI数値
- 3 Shopify公式事例に見る効果|まず「時間」が削れる
- 4 アプリ活用の売上系事例|数値は「ベンダー発表値」として読む
- 5 国内の参考事例|AI接客で成果を出したEC
- 6 ChatGPT連携(Instant Checkout)の現在地|冷静に見る
- 7 日本のShopify事業者のAI活用ロードマップ|今すぐ/1〜3か月/中長期
- 8 まとめ|「時間削減」から始め、「土台整備」で将来に備える
- 9 よくある質問
- 10 編集ポリシー
- 11 執筆者について
- 12 ShopifyのAI活用、何から始めるか迷ったら
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ShopifyのAI機能の全体像|何が使えて、日本で使えるのか

最初に結論を表で示します。ShopifyのAIは大きく「①店舗運営を助ける公式AI(Sidekick・Magic)」「②AIに商品を見つけてもらう土台(Knowledge Base・Catalog・Agentic Storefronts)」「③AIチャット内で売る仕組み(Instant Checkout・Universal Cart)」の3層に分かれます。①と②は日本でも今すぐ使えますが、③の一部は米国限定です。この違いを押さえるだけで、情報の受け取り方が変わります。
| 機能(層) | できること | 提供状況 | 日本で使えるか |
|---|---|---|---|
| Shopify Magic(①) | 商品説明文・メール・FAQ返信の生成、画像の背景編集 | 正式提供・全プラン無料 | 使える(日本語生成の対応範囲は機能により差、要管理画面確認) |
| Shopify Sidekick(①) | 管理画面のAIアシスタント。レポート生成・セグメント作成・Flow構築・テーマ編集を会話で実行 | 正式提供・追加料金なし(機能と利用上限はプランにより異なる) | 使える・日本語対応(2025年4月〜) |
| Knowledge Base app(②) | 自店舗のFAQ・ポリシーをAIが正しく答えられるよう整備。AIからの参照回数も確認可 | 正式提供・公式無料アプリ | インストール可 |
| Shopify Catalog(②) | 商品を在庫・現地価格つきの構造化データとしてAIエージェントに提供 | 正式提供(2026年3月から未利用企業も登録可) | 掲載は可(購入導線は地域依存) |
| Agentic Storefronts(②) | ChatGPT・Copilot・Perplexity・Google AI Mode上での自ブランドの見え方を管理画面から一元管理 | 正式提供(Winter ’26) | 設定可(AIチャット内購入は米国向け販売が前提) |
| Instant Checkout(③) | (旧)ChatGPTの会話内で購入まで完結。現在は「発見→各ストアで購入」型へ転換 | 2026年3月に終了(ACP仕様は存続) | 日本展開のないまま終了 |
| Universal Cart(③) | AIエージェントが複数店舗横断でカートを保持 | アーリーアクセス(ウェイトリスト制) | 未提供 |
出典は各機能の公式ページと公式ニュースです。Sidekickの料金・提供状況は公式製品ページ(同ページのFAQには「Sidekickはご利用中のShopifyプランに含まれます。機能と利用上限はプランによって異なります」と記載)、日本語を含む20言語への対応はShopify Japanの公式プレスリリース(2025年4月1日)、Agentic Storefrontsの提供開始はShopify公式ニュース、Instant Checkoutの日本での扱いは国内メディアの発表報道で確認しています。(Shopify公式:Sidekick製品ページ) (Shopify Japan公式プレスリリース 2025-04-01) (Shopify公式ニュース:Winter ’26 Agentic Storefronts) (ネットショップ担当者フォーラム 2026-03-30)
AIコマース全体の仕組みや用語(エージェンティックコマース、ACP、UCPなど)を先に押さえたい方は、AIコマースとは?の解説記事を先にお読みください。本記事はその「Shopify特化の各論」にあたります。
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データで見るAIコマースの現在地|Q1 2026決算のAI数値

「AIで本当に売れているのか」を測る一次データが、Shopifyの四半期決算に現れました。2026年5月発表のQ1 2026決算説明会で、AI経由のストアトラフィックが前年比8倍、AI検索経由の注文が約13倍に増えたと公表されています。これは決算説明会でのShopify経営陣の発言が出典です。(Shopify Q1 2026 決算説明会トランスクリプト(Motley Fool転載, 2026-05-05))
ただし数字の読み方には注意が必要です。決算発表これらは「トラフィック」と「注文数」の倍率であり、成長初期で母数が小さいための急伸である点を割り引く必要があります。それでも方向性ははっきりしています。同決算では、Shopify Catalog連携のAI検索は、外部サイトを読み取るスクレイピング型AI検索に比べて約2倍のコンバージョン率だったとも述べられました。ただしこれはShopify自社が公表した比較値であり、データ整備がCVRを押し上げたという因果まで示すものではありません(Catalog連携をしている店舗の属性差という可能性もあります)。それでも、AIに正しく読める形で商品データを渡すことの重要性を示す材料の一つと言えます。
公式AIアシスタントSidekickの利用も伸びています。Sidekickの週間アクティブショップ数は前年比4倍(決算資料の要約では「+385%」と表記)、1四半期でSidekick経由で作られたカスタムアプリは1.2万個超と公表されました。さらに、Q1にShopify上で生成された自動化フロー(Flow)の約半数はSidekickで作られたとも述べられており、マーチャント側の実務にAIが浸透しつつあることが分かります。(Shopify Q1 2026 決算説明会トランスクリプト)
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Shopify公式事例に見る効果|まず「時間」が削れる

Shopifyが公開している公式ケーススタディを見ると、AIの効果は「売上が何倍」ではなく「レポートや分析にかかる時間の大幅削減」に集中しています。ここは誇張されがちな部分なので、公式が出している数値だけを紹介します。
SNOCKS(ドイツ・アパレルD2C):レポート作成を最大98%短縮
公式ケーススタディ靴下D2CのSNOCKSは、Shopify Sidekickを全社で展開しました。それまで1件あたり約30分かかっていたレポート作成を、自然言語で問いかけるだけで数秒に短縮。作成時間を最大98%削減し、財務・営業・物流・クリエイティブの4部門が自分でデータを参照できるようになりました。ポイントは、Sidekickの第一の価値が「売上直結」より「非エンジニアがデータを扱えるようになる=データの民主化」にあることです。(Shopify公式ケーススタディ:SNOCKS)
Maggy London(米国・6ブランド運営):週次レポートを80%以上短縮
公式ケーススタディ米国のファッション企業Maggy Londonは、わずか4人のECチームで6ブランドを運営しています。Sidekickでブランド横断の分析やシーズンの仕入れ計画(過去データと財務計画からの数量提案)を行い、それまで3〜4時間かかっていた週次レポートを20〜30分に、80%以上短縮しました。さらに「顧客はブランドに縛られず横断購買している」という発見が、品揃えの方針を変えたといいます。AIが「人員を増やす代わり」となり、少人数での多ブランド運営を成立させた事例です。(Shopify公式ケーススタディ:Maggy London)
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アプリ活用の売上系事例|数値は「ベンダー発表値」として読む

売上やコンバージョンの改善数値は、Shopify公式ではなくサードパーティのAIアプリ(ベンダー)の公開事例に多く見られます。ここで大切なのは「誰が出した数値か」を明示することです。以下はいずれもアプリ提供元が公開するベンダー発表値であり、Shopifyが検証した数値ではない点を前提にお読みください。
Jones Road Beauty(米国・コスメ):クイズでAOV+50%
ベンダー発表値メイクアップ・アーティストのボビイ・ブラウンが創業したJones Road Beautyは、Shopifyアプリ「Octane AI」の商品診断クイズをTikTok広告の受け皿に使いました。ベンダーの公開事例によると、2021年12月〜2022年2月の3か月間で12.4万件のメールアドレスを獲得し、平均注文額(AOV)は$60から$90へ+50%、TikTok広告のROAS(広告費用対効果)は3倍を記録したとされます。クイズは、同社のメールリスト全体の約8割にあたる累計80万件のリードを生み出した中核施策とも位置づけられています。数値はいずれも2021〜2022年のキャンペーン時点のものである点にご注意ください。ただし「クイズ→ゼロパーティデータ→パーソナライズ提案」という型自体は、日本のコスメ・食品ECでも再現しやすい設計です。(Octane AI公式事例:Jones Road Beauty)
florence by mills(米国・コスメ):CVRを2倍
ベンダー発表値同じくOctane AIのAI商品推薦クイズを導入したコスメブランドflorence by millsは、ベンダー公開事例でストアのコンバージョン率(CVR)が2倍になったとされています。診断で顧客に合う商品を絞り込むことで、迷いによる離脱を減らす狙いです。なお、計測期間や比較対象(ストア全体かクイズ利用者か)は出典に明記されていません。(Octane AI公式事例:florence by mills)
Orthofeet(米国・シューズ):問い合わせの自動解決率56%
ベンダー発表値シューズブランドOrthofeetは、Shopify向けの顧客対応プラットフォーム「Gorgias」のAI Agentで一次対応を自動化し、導入から2か月で自動解決率56%を達成したと公開されています。ただし注意したいのは、同じGorgiasの事例でも自動解決率はブランドによって26%〜56%と幅がある点です。Gorgiasが公式サイトで訴求する「問い合わせの60%を即時解決」という数値と、個別事例の実測値との差を理解したうえで、自社商材での小さなテストから始めるのが安全です。(Gorgias公式事例:Orthofeet) (Gorgias:AI Agent) (事例レンジの整理(第三者まとめ))
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国内の参考事例|AI接客で成果を出したEC
日本のShopifyマーチャントによるSidekick/Magic活用の実名公開事例は、2026年7月時点で一次情報を確認できませんでした。そこでここでは、Shopify Japanの公式ブログで紹介されている国内のAI接客事例を、参考として取り上げます。要確認ただし、これらがShopifyストア上での実施かどうかは公開情報からは確認できないため、あくまで「AI活用の型」の例としてお読みください。
ワインECのエノテカは、AIレコメンドの条件を細かく設定するのをやめ、提案をAIに委ねた結果、提案精度が上がり客単価が向上したと紹介されています。旅行のWILLER MARKETINGは、キーワードからツアーを自動で返すチャットボットを導入し、Instagram経由の予約が7倍になったとされます。いずれも「人が細かく作り込む」より「AIに任せる範囲を広げる」ほうが成果につながったという共通点があります。(Shopify Japan公式ブログ:ECのAI活用) (Shopify Japan公式ブログ:ECチャットボット)
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ChatGPT連携(Instant Checkout)の現在地|冷静に見る

結論から言うと、「ChatGPTの会話内で商品が買える時代」は一度始まり、2026年3月にいったん終わりました。2025年9月29日、ShopifyはOpenAIとの提携を発表し、ChatGPTの会話内で商品を発見してそのまま購入できる「Instant Checkout」を開放しました。決済はオープン仕様のプロトコル「ACP(Agentic Commerce Protocol)」が基盤です。しかしローンチから約5か月後の2026年3月、OpenAIはこのInstant Checkout(チャット内完結決済)を停止しました(報じた媒体によって「一時停止」「終了」と表現が分かれますが、CNBCはOpenAIが終了を認めたと報じています)。報道実際に接続したShopifyマーチャントは約12社にとどまったとされます(The Informationが、Shopify関係者の話として報じたもの。同社の販売事業者は100万社を超えるため、ごく少数にとどまったことになります)。(Value Added Resource:OpenAIがInstant Checkoutを停止)
現在のChatGPTのショッピングは、「商品を発見・推薦し、購入は各マーチャントのサイトで行う」誘導型に転換しました。Walmartのようにマーチャント専用アプリをChatGPT内に置く形も登場しています。日本の購入者向けには、Instant Checkoutは一度も提供されないまま終了しました。一方で、米国の購入者向けに販売している日本企業の商品は、米国側から見た購入対象に含まれ得ました。つまり「日本にいる消費者がChatGPT内で決済まで完了する」という状態は、これまでも今も存在しません。(CNBC, 2026-03-24)
では、AIコマースへの準備は無駄だったのでしょうか。答えは逆です。終わったのは「チャット内決済」という一機能だけで、AI経由の発見・流入はむしろ急拡大しています。Adobeの調査では、2026年第1四半期の米国小売サイトへのAI経由トラフィックは前年比プラス393%に達しました(なお「AI経由の紹介トラフィック」であり売上シェアではなく、絶対量はまだ小さい点に注意)。ShopifyのQ1 2026決算でのAI経由注文が約13倍という数値とは、測定主体も対象も倍率も異なりますが、いずれもAI経由の流入・注文が急増していることを示しています。だからこそ、Catalog登録・Agentic Storefronts・商品データ整備という「AIに見つけてもらう土台」の価値は変わりません。(Adobe Digital Insights)
ACP自体はオープン仕様として存続していますが、Shopifyの現在の主軸は、Googleと共同開発した共通プロトコル「UCP(Universal Commerce Protocol)」と、前章で触れたAgentic Storefrontsへ移っています。UCPは2026年初に発表され、Shopify Japanの公式ブログ(2026年2月3日)によれば、すでに20社以上の大手小売業者やプラットフォームが採用しています。ShopifyのCatalog/Storefront機能がUCPのカタログ仕様に対応しているため、マーチャント側で独自実装を用意する負担は小さくて済みます。(Shopify Japan公式:AI時代のコマース)
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日本のShopify事業者のAI活用ロードマップ|今すぐ/1〜3か月/中長期

ここまでを踏まえ、日本の事業者が取るべき順番を整理します。重要なのは「今日から無料でできること」から着手し、AIチャット経由の販売という不確実な将来には土台整備で備えることです。
今すぐ(無料・即日)
まずShopify Sidekickを日本語で使い倒します。レポート生成、顧客セグメント作成、Flowによる自動化構築を会話で頼むだけで、SNOCKSやMaggy Londonの公式事例と同様の時間削減を狙えます。あわせてShopify Magicで商品説明文やメール文面、画像の背景編集を効率化。さらに公式無料アプリのKnowledge Base appを入れて、FAQや返品・配送ポリシーをAIが正しく答えられる形に整えます。Agentic Storefrontsの設定画面で、AIチャネル上での自ブランドの見え方も確認しておきましょう。
1〜3か月
次に商品データの構造化に着手します。商品タイトル・属性・画像・在庫・価格を、AIが読み取りやすい形で整えることが、Catalog経由の露出とCVRに効きます(決算でCatalog連携は非連携比で約2倍のCVRでした)。AI接客・診断クイズ・CS自動化(Octane AIやGorgiasのような型)を小さくテストし、効果を測ります。あわせて、Shopify管理画面に還流するAI経由流入の計測を始めましょう。
中長期
越境・米国向け販売を検討している事業者は、Shopify経由でUCPやAgentic Storefrontsといった海外AIチャネルに乗る準備が選択肢になります。Universal CartやUCPの動向を監視しつつ、AIチャネルごとの商品露出を最適化していく段階です。Instant Checkoutの5か月での撤退が示すとおり、特定プロトコルへの過剰投資より、どのプロトコルにも効く自社データ整備を土台にするのが堅実です。ここは各社の提供状況が流動的なので、公式の更新を追いながら判断してください。
AI活用チェックリスト(今日から確認できる項目)
- Sidekickを日本語で起動し、直近1週間の売上レポートを会話で生成してみたか
- Shopify Magicで主力商品の説明文を1本リライトしたか
- Knowledge Base appを入れ、返品・配送・サイズのFAQを登録したか
- Agentic Storefrontsの設定で、AIチャネル上のブランド表示を確認したか
- 主力商品のタイトル・属性・画像・価格が構造化データとして整っているか
- 自社が米国向け販売を行っているか(=Agentic Storefronts経由でAIチャネルの購入対象になり得るか)を確認したか
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まとめ|「時間削減」から始め、「土台整備」で将来に備える

ShopifyのAI活用は、派手な「AIで売上倍増」より、地に足のついた順番で考えるのが近道です。まずSidekickとMagicで運用・レポートの時間を削り(公式事例でSNOCKS98%短縮・Maggy London80%以上短縮)、空いたリソースを商品データの整備やAI接客のテストに回す——これが2026年7月時点で最も再現性の高い進め方です。
ChatGPT内で購入まで完結するInstant Checkoutは2026年3月に終了し、日本の購入者向けには一度も提供されませんでした。しかしAI経由の発見・流入はQ1 2026でトラフィック8倍・注文約13倍(Shopify決算)、米国小売では前年比+393%(Adobe)と急拡大しています。終わったのは「チャット内決済」だけです。だからこそ、Catalog登録・Agentic Storefronts・Knowledge Base整備・商品データの構造化という「AIに見つけてもらう土台」は今日から着手する価値があります。AIコマース全体像はAIコマースとは?の記事もあわせてご覧ください。
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よくある質問
Shopify MagicとSidekickの違いは何ですか?
役割が異なります。Shopify Magicは「文章や画像を生成するAI機能」で、商品説明文・メール・FAQ返信の作成や画像の背景編集などを行います。Shopify Sidekickは「管理画面のAIアシスタント」で、レポート生成・セグメント作成・Flow構築・テーマ編集などを会話で実行します。ざっくり言えば、Magicは制作を助け、Sidekickは店舗運営の操作を助けるAIです。なお公式ヘルプ上は、Sidekickは無料のAI機能群「Shopify Magic」を構成する要素の一つとして位置づけられています。どちらもShopifyの各プランに含まれ、追加料金はかかりません(Sidekickは利用できる機能と利用上限がプランにより異なります)。
Shopify SidekickやMagicは日本語で使えますか?追加料金はかかりますか?
Sidekickは2025年4月から日本語を含む20言語に対応しました(Shopify Japan公式プレスリリース)。料金はShopifyの各プランに含まれるため追加料金はかかりませんが、公式製品ページのFAQには「機能と利用上限はプランによって異なります」と明記されています。Shopify Magicは全プランで無料です。ただし、Magicによる日本語コンテンツ生成の対応範囲は機能によって差があるため、実際の使い勝手は管理画面で確認することをおすすめします。
ChatGPTでShopifyの商品が買えるというのは本当ですか?日本でも使えますか?
ChatGPTの会話内で購入まで完結する「Instant Checkout」は2025年9月に始まりましたが、2026年3月に終了しました。実際に接続したShopifyマーチャントも約12社とごく少数で、日本の購入者向けには一度も提供されないまま終了しました(米国向けに販売している日本企業の商品は、米国の購入者から見た対象に含まれ得ました)。現在のChatGPTのショッピングは「商品を発見・推薦し、購入は各ストアのサイトで行う」誘導型です。ただしAI経由の発見・流入は急拡大しているため(Adobe調べで米国小売のAI経由トラフィックはQ1 2026で前年比+393%)、Catalog登録やKnowledge Base整備といった土台づくりの価値は変わりません。
Agentic Storefrontsとは何ですか?設定は必要ですか?
Agentic Storefrontsは、ChatGPT・Copilot・Perplexity・Google AI Modeといった各AIチャネル上での自ブランドの見え方を、Shopify管理画面から一元的に管理できる機能です。アプリの追加インストールは不要ですが、Shopify公式のWinter ’26発表によると、管理画面での初期設定を1回行うことで利用でき、どのAIチャネルに表示するかはチャネルごとにオン/オフを切り替えられます。まずは設定画面で自社の表示状況を確認し、必要に応じて情報を整えておくとよいでしょう。
Knowledge Base appを入れると、AIでの露出は増えますか?
Knowledge Base appは、AIエージェントが自店舗について答える際の「正確性」を高めるための公式無料アプリです。FAQや返品・配送ポリシーを登録しておくと、AIが誤った情報で答えるリスクが減ります。ただし、このアプリを入れたからといってAI上での露出頻度そのものが増えるわけではありません。露出を増やすには、商品データの構造化やコンテンツ整備を別途進める必要があります。
AIチャット経由の販売に備えて、商品データはどう整備すべきですか?
AIエージェントが商品を正しく理解できるよう、商品タイトル・属性(サイズ・素材・カラーなど)・画像・在庫・価格を機械可読な構造化データとして整えることが基本です。加えて返品・配送ポリシーやサイズガイドをKnowledge Baseに登録しておくと、AIが購入判断に必要な情報を答えられるようになります。Shopify Catalogに連携されたデータは、外部を読み取るだけのAI検索よりコンバージョン率が高いという決算データもあります。
ShopifyのAI導入で、まず売上は上がりますか?
公式ケーススタディで確認できる効果は、売上増よりも「レポート・分析・運用にかかる時間の削減」が中心です(SNOCKSで最大98%、Maggy Londonで80%以上の時間短縮)。売上・CVR改善の数値はサードパーティアプリのベンダー発表値が多く、Shopifyが検証した数字ではありません。まずは時間削減で人的リソースを空け、そのうえで商品データ整備やAI接客のテストを通じて売上への効果を検証する、という順番が現実的です。
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編集ポリシー
- 本文中のラベルの意味:公式ケーススタディ=Shopifyが公開する公式事例、決算発表=Shopifyの四半期決算・説明会での公表値、ベンダー発表値=アプリ提供元が公開する事例値(Shopify検証済みではない)、報道=専門メディアの報道、要確認=一次情報で裏取りしきれていない事項、を表します。
- 本記事は2026年7月時点で各社が公開している公式発表・公式ドキュメント・決算などの一次情報を優先して確認し、本文中に出典と日付を明記しています。事実の根拠は「公式仕様・公式発表 > 決算・公式ケーススタディ > 専門メディア報道 > ベンダー発表値」の順で扱っています。
- ベータ/正式提供の区別、対応国(特に日本で使えるか)を明記しています。数値は測定・発表の時点を併記し、確定した事実と将来予定を区別しています。
- 執筆は片岡、内容の正確性はShopify Plus Partnerの黒岩が確認しています(執筆・監修者は記事上部・下部に記載)。
- 公開後に誤り・古い情報が判明した場合は、本文を修正のうえ更新日を改めます。修正のご指摘は運営元(株式会社セルフプラス)までお寄せください。
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執筆者について
本記事は、Shopify公認の「Shopify Plus Partner」認定を受けた黒岩俊児(株式会社セルフプラス代表)が監修しています。監修者の詳しいプロフィールは、監修者ページをご覧ください。
株式会社セルフプラスは本メディア「Shopi Lab」を運営しています(所在地:〒179-0074 東京都練馬区春日町6-8-5)。
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ShopifyのAI活用、何から始めるか迷ったら

Sidekickの活用からKnowledge Base整備、商品データの構造化まで、どこから手をつけるべきかはストアの規模や商材によって変わります。「自社の場合はまず何をすべきか」を整理したい方向けに、ShopifyのAI活用に関する無料相談を受け付けています。現状を伺ったうえで、優先順位と進め方をご提案します。
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【運営者情報】Shopi Labは、Shopify Experts/Shopify Plus Partner認定の株式会社セルフプラスが運営しています。SNS運用・ショート動画・広告運用などの集客領域は、パートナーであるウェブ・コロ株式会社と連携してご支援しています。ご相談内容に応じて最適な体制をご案内します。
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