監修:黒岩俊児(株式会社セルフプラス 代表・Shopify Plus Partner)
本記事は各社の公式発表・一次情報にもとづき、EC構築の実務者が内容を確認しています。
2026年上半期、海外のAIコマースは「実験」から「標準実装」のフェーズへと移りました。ChatGPTやGeminiに話しかけて商品を探し、そのまま買う——そんな体験を支える機能が、この半年でOpenAI・Google・Shopify・Salesforceといった主要プレイヤーから相次いで正式リリース(GA)されています。本記事は、断片的なニュースではなく海外企業の公式発表(一次情報)を時系列で追うことに特化したまとめです。数字の測定時点と出典リンクを明示し、EC担当者・マーケターが動向を正確に把握できるよう構成しました(2026年7月23日時点)。
目次
Shopifyやその他ECの制作・運用・保守について、お気軽にご相談ください。
連絡は問い合わせ・無料相談・無料お見積りよりどうぞ。
この記事の要点
- 2026年上半期、AIエージェント経由の購買機能は主要プラットフォームで正式機能(GA)として出そろい、実験段階を脱した。
- Adobeの計測では、米国小売へのAI経由トラフィックは2026年5月時点で前年比138%増、コンバージョン率(CVR)は非AI経路より高い水準へ逆転した。
- 競争の主戦場は「チャット内での購入完結」から、「AIによる商品発見(ディスカバリー)」と「決済・データの標準規格争い」へと移っている。
- 本記事は海外の公式発表を時系列で追う月次更新型のまとめであり、次月以降もタイムラインに追記していく。
Shopifyやその他ECの制作・運用・保守について、お気軽にご相談ください。
連絡は問い合わせ・無料相談・無料お見積りよりどうぞ。
今月のハイライト3選

2026年6〜7月で最も影響が大きい発表は、Salesforceのエージェント基盤GA・Shopifyの大型アップデート・Visa×OpenAIの決済提携の3件です。いずれも「AIエージェントが実際に買い物を完結させる」ための土台を、プラットフォーム・ストア・決済網の各レイヤーで整えた動きと言えます。
① Salesforce「Agentforce Commerce」を正式リリース(2026年7月6日発表)
Salesforceは同社史上「過去最大のAgentforce Commerceリリース」として、Shopper Agent(買い物客向け)・Buyer Agent(BtoB購買向け)・Merchant Agent(事業者向け)の3種類のAIエージェントをGA(一般提供)しました。ChatGPT・Google検索(AI Mode)・Geminiとのネイティブ統合を数ヶ月内に提供予定としています。発表では「2025年ホリデー商戦でAIがグローバルオンライン売上の20%(2,620億ドル)に関与し、AI経由のショッピングトラフィックは前年比119%増だった」というデータを引用しています。
一次ソース:Salesforce公式プレスリリース(2026年7月6日)
② Shopify「Spring ’26 Edition」で150超のアップデート(2026年6月17日発表)
Shopifyは半期恒例の大型アップデート「Spring ’26 Edition」で150を超える機能を発表しました。中でもAIコマース関連の中核は3つです。(1)Shopify Catalog——適格マーチャントの商品を、ChatGPT・Copilot・Google AI Mode・ShopアプリといったAIサーフェスへ自動的にシンジケート(配信)する仕組み。(2)Googleと共同で進めるUCP(Universal Commerce Protocol)への対応。(3)AIエージェントが操作できるエージェント対応ストアフロント。あわせて「2026年第1四半期にAI経由トラフィックが前年比8倍、AI検索経由の注文が約13倍に伸びた」ことも公表しています。
一次ソース:Shopify公式ニュース(マーチャント向け・2026年6月17日)
③ Visa×OpenAIが戦略提携(2026年6月10日発表)
VisaはVisa Payments ForumでOpenAIとの戦略提携を発表しました。Visaのカードネットワークに加え、エージェント単位・用途単位でのトークン化技術や不正監視の仕組みを、OpenAIのエージェンティックコマース(AIエージェントによる購買)に統合するものです。「AIが買う」時代に不可欠な、決済の安全性と本人確認を誰が担うのかという問いに対し、既存の決済網が本格参戦したことを象徴する動きと言えます。
一次ソース:Visa公式ニュースリリース(2026年6月10日)
Shopifyやその他ECの制作・運用・保守について、お気軽にご相談ください。
連絡は問い合わせ・無料相談・無料お見積りよりどうぞ。
2026年4月〜7月タイムライン

2026年4月から7月にかけての主要発表を、日付・主体・要点・一次ソースの順で時系列にまとめました。各項目は原則として一次ソース(発表元の公式リリース)にリンクしています。一部、個別の公式リリースが特定できず二次報道を出典とする項目はその旨を明記しています。
| 発表日 | 主体 | 発表内容の要点 | 一次ソース |
|---|---|---|---|
| 2026/7/6 | Salesforce | Agentforce Commerceの3エージェント(Shopper/Buyer/Merchant)をGA。ChatGPT・Google AI Mode・Geminiとの統合を予定。 | Salesforce |
| 2026/6/17 | Shopify | Spring ’26 Editionで150超の機能。Shopify Catalog、UCP対応、エージェント対応ストアフロント。Q1にAI経由トラフィック8倍・AI検索経由注文13倍。 | Shopify |
| 2026/6/17頃 | Adobe | 2026年5月データ。米国EC向けAI参照トラフィック前年比+138%。AI参照訪問者は滞在時間+53%、CVRは非AI経路より54%高い。※Adobe発表(PDF未確認のため報道出典を掲載) | Digital Commerce 360(報道) |
| 2026/6/10 | Visa × OpenAI | 戦略提携。トークン化・不正監視をOpenAIのエージェンティックコマースに統合。 | Visa |
| 2026/6月 | Mastercard | 「Agent Pay for Machines」発表。IoT機器・ソフトウェアエージェントの常時・高速決済に対応。 | Mastercard |
| 2026/5/27 | Amazon(AWS) | 「Agentic Shopping Assistant on AWS」発表。外部小売向けにパッケージ化し約60日で会話型アシスタント導入可能。導入例:Kate Spade「AI Gift Concierge」。 | About Amazon |
| 2026/5/26 | Mastercard | Merchant Cloud経由でAgent Suiteのマーチャント向け機能を拡張。自社サイトに決済・ID・セキュリティ内蔵のブランドAIエージェントを組み込み可能に。 | Mastercard |
| 2026/5/20 | Stripe | Stripe Sessions 2026で288の新製品。Agentic Commerce SuiteのMeta・Google拡大、Google UCP経由のAI Mode/Gemini内購入対応など。 | Stripe |
| 2026/5/19〜20 | I/O 2026とGoogle Marketing Live 2026。Universal Cart(Search・Gemini・YouTube・Gmail横断の永続カート)、AI Modeショッピング拡張、UCP新機能群。 | ||
| 2026/5/13 | Amazon | 「Alexa for Shopping」発表、1週間で全米展開。検索バー常駐型エージェントに一本化。価格履歴・目標価格での自動購入など。 | About Amazon |
| 2026/5/5 | Shopify | Q1 2026決算。GMV1,010億ドル(+35%)、売上32億ドル(+34%)。「AI経由トラフィック前年比8倍」「エージェントはShopifyを迂回せず直接書き込む」と説明。 | Shopify |
| 2026/4/16 | Adobe | Q1(1〜3月)AIトラフィックレポート。米国小売へのAI経由トラフィック前年比+393%。AI経由CVRが2025年3月の非AI比-38%から2026年3月に+42%へ逆転。※Adobe発表(PDF未確認のため報道出典を掲載) | TechCrunch(報道) |
| 2026/4月 | McKinsey × ICSC | レポート「Shopping in the Age of AI」。米国消費者3,004人調査。エージェンティックコマースにより2030年までに米国B2C小売売上の最大1兆ドルが動くと試算【予測値】。 | McKinsey |
| 2026/4月上旬 | Visa・Mastercard | Visaが「B2AI(Business-to-AI)」レポートとAI不正・紛争解決ツールを発表。Mastercardが香港で初のライブなエージェンティックトランザクションを完了。※個別一次リリース未特定・二次ソース。 | Digital Commerce 360(二次) |
Shopifyやその他ECの制作・運用・保守について、お気軽にご相談ください。
連絡は問い合わせ・無料相談・無料お見積りよりどうぞ。
数字で見るAIコマースの現在地

2026年上半期の各社データを見ると、AIコマースは「量(トラフィック)」だけでなく「質(コンバージョン率)」でも実績を示し始めています。以下は主要プレイヤーが公表した数字のハイライトです。将来予測は【予測値】と明記しています。
| 主体 | 指標 | 数値・測定時点 |
|---|---|---|
| Adobe | 米国小売へのAI経由トラフィック | Q1(1〜3月)前年比+393%、2026年5月時点で前年比+138% |
| Adobe | AI経由のCVR(対非AI経路) | 2025年3月は-38% → 2026年3月に+42%へ逆転 |
| Shopify | AI経由トラフィック/AI検索経由注文 | 2026年Q1に前年比8倍/約13倍。Q1 GMVは1,010億ドル(+35%) |
| Salesforce | 2025年ホリデー商戦でAIが関与した売上 | グローバルオンライン売上の20%=2,620億ドル |
| Amazon | AIショッピング機能の利用規模 | 3億人超が利用、昨年約120億ドルの増分売上、会話型セッションのCVRは従来検索の3.5倍 |
| McKinsey | 2030年に動く米国B2C小売売上 | 最大1兆ドル【予測値】 |
| Bain | 2030年の米国エージェンティックコマース規模 | 3,000〜5,000億ドル(EC全体の15〜25%)【予測値】 |
とりわけ注目すべきは、AdobeがCVRの「逆転」を報告している点です。1年前まではAI経由の訪問者は買いにくい(CVRが非AIより低い)とされていましたが、2026年に入り非AI経路を上回りました。AI経由の訪問者ほど滞在時間が長く閲覧ページ数も多い、という傾向とあわせて、AIトラフィックが「冷やかし」から「本気の購買客」へと質的に変化していることを示唆します。なおAdobe自身は「小売サイト側のマシンリーダブル(機械可読)対応が遅れている」とも指摘しており、供給側の対応が追いついていない状況もうかがえます。
Shopifyやその他ECの制作・運用・保守について、お気軽にご相談ください。
連絡は問い合わせ・無料相談・無料お見積りよりどうぞ。
背景理解:2026年1〜3月に何が起きていたか

上半期後半の動きは、年初の「方針転換」を受けたものです。2026年1〜3月に起きた重要な流れを簡潔に押さえておきましょう。
チャット内購入(Instant Checkout)の失速とディスカバリー回帰。OpenAIは2026年3月24日「Powering Product Discovery in ChatGPT」で、チャット内での決済完結を事実上後退させ、「チェックアウトはマーチャント体験に委ね、OpenAIは商品ディスカバリー(発見)に注力する」方針へ転換しました(OpenAI公式)。Walmartも同時期にInstant Checkoutから撤退し、自社AI「Sparky」をChatGPT・Geminiに埋め込む方針へ舵を切ったと報じられています(一次リリース未特定・二次ソース)。
標準規格(プロトコル)の登場。2026年1月11日、GoogleがNRF 2026でUCP(Universal Commerce Protocol)を初公表。Shopify・Etsy・Wayfair・Target・Walmartらと共同開発する形で、20を超えるパートナーが賛同しました。一方、1月8日にはMicrosoftが「Copilot Checkout」「Brand Agents」を発表し、Copilot内での購入完結(小売側がmerchant of record)を打ち出しています(Microsoft公式)。OpenAI/Stripe陣営のACP、GoogleのUCP、AP2など、複数の規格が並走する構図がこの時期に固まりました。
この背景をより詳しく知りたい方は、記事①海外AIコマースの先行事例(Perplexityほか)、および記事②AIコマースとは?仕組みと対策を徹底解説もあわせてご覧ください。基本的な仕組みはAIショッピング時代のShopify運用とは?でも解説しています。
Shopifyやその他ECの制作・運用・保守について、お気軽にご相談ください。
連絡は問い合わせ・無料相談・無料お見積りよりどうぞ。
Shopi Lab編集部の読み解き — 日本のEC事業者への示唆

2026年上半期の動きは、次の4つの流れとして整理できます。日本のEC事業者にとっての示唆もあわせて解説します。
- 「発見はAI・購入はマーチャント」への揺り戻し。チャット内で決済まで完結させる構想は一巡し、AIは「商品を見つける入口」、購入は自社サイト(ストアフロント)で、という役割分担に収束しつつあります。
- プロトコル標準化の競争。ACP・UCP・AP2といった規格が並走し、どの規格に商品データを流し込むかが問われ始めています。
- 決済網の全員参戦。Visa・Mastercard・Stripe・PayPalが出そろい、「AIが安全に決済する」基盤が整いました。
- 数字の裏づけ。AIトラフィックは量・質ともに実データで裏づけられ、無視できない集客チャネルになりました。
日本のEC事業者が今すぐ取り組むべきは、決済規格そのものへの対応よりも、まず「AIに正しく発見される」ための土台づくりです。具体的には、商品情報を構造化データとして機械可読にすること、価格・在庫・属性を最新に保つこと、そしてAI検索やAIアシスタントに引用されやすいコンテンツ設計(LLMO/AIO)を進めることが第一歩になります。Adobeが指摘した「小売サイト側の機械可読対応の遅れ」は、裏を返せば早く対応した事業者ほど先行者利益を得やすい状況とも言えます。
こうした「AI時代のサイト構築・AI検索対策」を専門的に進めたい場合、Shopi Labの運営元でもある株式会社セルフプラスのような、Shopify Experts/Shopify Plus PartnerでLLMO・AIOに強い事業者に相談するのが近道です。一方で、AIに発見されるだけでなく「そもそもの認知・集客」を強化したいなら、SNS運用・ショート動画・インフルエンサーマーケ・広告運用まで手がけるウェブ・コロ株式会社のような集客側に強いパートナーが選択肢になります。自社の課題が「サイト側の最適化」なのか「入口となる集客」なのかを見極めて、相談先を選ぶとよいでしょう。
Shopifyやその他ECの制作・運用・保守について、お気軽にご相談ください。
連絡は問い合わせ・無料相談・無料お見積りよりどうぞ。
よくある質問
Q. AIコマースとエージェンティックコマースは何が違いますか?
AIコマースはAIを活用した商取引全般を指す広い概念で、エージェンティックコマースはその中でも「AIエージェントがユーザーに代わって商品を探し、比較し、購入まで行う」形態を指します。2026年上半期の海外の動きは、後者のエージェンティックコマースを実用化する機能・規格・決済基盤が出そろった点が特徴です。
Q. ACPとUCPはどちらに対応すればよいですか?
2026年7月時点では複数の規格が並走しており、どれか一つに絞る段階ではありません。ただしShopifyを利用している場合、Shopify Catalogを通じて主要なAIサーフェスへ商品が自動配信される仕組みが整いつつあるため、まずは自社のプラットフォームが提供する連携機能を活用するのが現実的です。規格の統合動向は流動的なため、本記事のような一次情報ベースの継続的な確認をおすすめします。
Q. AI経由の流入は本当に売上につながっていますか?
海外データでは、つながり始めているという結果が出ています。Adobeは2026年3月時点でAI経由のCVRが非AI経路を上回った(+42%)と報告し、Amazonは会話型セッションのCVRが従来検索の3.5倍だと開示しています。ただしこれらは主に米国市場のデータであり、日本市場での再現性はまだ検証段階です。自社の計測環境でAI経由流入を分けて把握することが重要です。
Q. 日本のEC事業者はまず何から始めるべきですか?
商品情報の構造化(機械可読化)と、価格・在庫・属性を最新に保つ運用体制づくりが最優先です。そのうえで、AI検索・AIアシスタントに引用されやすいコンテンツ設計(LLMO/AIO)へと進めます。規格対応やエージェント連携は、この土台が整ってから検討しても遅くありません。
Shopifyやその他ECの制作・運用・保守について、お気軽にご相談ください。
連絡は問い合わせ・無料相談・無料お見積りよりどうぞ。
まとめ:AIコマース時代の対策を相談するなら

2026年上半期、海外のAIコマースは主要プラットフォーム・ストア・決済網のすべてで正式実装が進み、AIトラフィックは量・質ともに実データで裏づけられました。競争の軸は「チャット内購入」から「AIに発見されること」と「規格・決済の標準化」へと移っています。日本のEC事業者にとっての第一歩は、商品情報の機械可読化とAI検索対策(LLMO/AIO)です。
※本記事は海外の一次情報をもとに月次で更新予定です。数値・発表内容はいずれも記載の測定時点・発表日時点のものです(2026年7月23日時点)。次回更新で最新のタイムラインを追記します。
Shopifyやその他ECの制作・運用・保守について、お気軽にご相談ください。
連絡は問い合わせ・無料相談・無料お見積りよりどうぞ。
執筆者について
本記事は、Shopify公認の上位認定「Shopify Strategic Partner」に選出された黒岩俊児(株式会社セルフプラス代表)が監修しています。監修者の詳しいプロフィールは、監修者ページをご覧ください。
株式会社セルフプラスは本メディア「Shopi Lab」を運営しています(所在地:東京都渋谷区東2-17-15 アイビル2F)。
Shopifyやその他ECの制作・運用・保守について、お気軽にご相談ください。
連絡は問い合わせ・無料相談・無料お見積りよりどうぞ。
AIコマース対応、何から始めるか迷ったら

本記事で紹介した対策をどこから始めるべきかは、ストアの規模や商材によって異なります。「自社の場合はまず何をすべきか」を整理したい方向けに、AIコマース対応の無料相談を受け付けています。現状を伺ったうえで、優先順位と進め方をご提案します。
【運営者情報】Shopi Labは、Shopify Experts/Shopify Plus Partner認定の株式会社セルフプラスが運営しています。SNS運用・ショート動画・広告運用などの集客領域は、パートナーであるウェブ・コロ株式会社と連携してご支援しています。ご相談内容に応じて最適な体制をご案内します。
Shopify制作のお見積もり・ご相談
また、初めてのお取組みで不安のある方などもご不明点などはお気軽にご連絡ください。

.gif)










に相談する
