韓国は日本と同じくインフラが整っているため、越境ECを始める事業者が増えています。
韓国のインターネットの普及率は世界第2位です。
したがって、韓国越境ECの事業を行うのはライバルが多く困難なイメージがありますが、きちんと事前に知識を付けることでスムーズに進出できます。
この記事では韓国越境ECの市場規模や特徴、韓国で人気のモールまで紹介しています。
これから韓国越境ECを始めたいと検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
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韓国越境ECの概要
韓国は世界の中でもトップクラスに入るインターネット先進国で、個人のスマートフォン普及率は95%です。
日本人より韓国人の生活にはスマートフォンが深く浸透しており、モバイルネットワークが重要なツールとなっています。
よって、韓国では越境EC事業が活発に行われており、今後も成長していく環境と言えます。
しかし、アメリカや中国と比較すると、韓国のEC事業はそこまで話題にならないイメージです。
韓国が話題になりづらい理由としては、独自のサービスが盛んに行われていることや、出店の条件、関税など乗り越える課題が多いことが挙げられます。
韓国越境ECに挑戦するためには、いろいろな課題を事前に把握して対策することが重要です。
韓国越境ECの市場規模
令和3年7月に経済産業省が作成した「電子商取引に関する市場調査」に載っている、2020年の国別EC市場規模トップ10の図表を見ていきましょう。
(単位:億USドル)
引用元:令和2年度産業経済研究委託事業(電子商品取引に関する市場調査)
図表では中国がEC市場規模トップになっており、第2位のアメリカとは3倍くらいの差があるのが分かります。
韓国は日本に次いで世界トップ5に。
中国やアメリカと比較すると韓国の市場規模は小さいと言えますが、今後はどんどん拡大していくと予想されています。
世界の越境EC市場規模の傾向
次の図表は、世界の越境EC市場規模の推計値2019年と2026年の予想値です。
2019年の市場規模は7,800億USドルと推計されて、2026年には4兆8,200億USドルにまで拡大されると予想されています。
引用元:令和2年度産業経済研究委託事業(電子商品取引に関する市場調査)
2019年から2026年の間の年平均成長率は30%となり、世界の越境EC市場規模は今後も拡大をしていくと見られているので、韓国においても同様なことが言えます。
韓国越境ECの特徴
韓国越境ECにはいくつか特徴があるため、きちんと把握しておくことで越境EC事業に参入するときに適した方法が見えてくるでしょう。
大手ECサイトだけでなく他にもECサイトがたくさんある
日本のECサイトと言えば大手ECサイトを思い浮かべますが、韓国では個人で運営しているECサイトがたくさんあります。
韓国の大手ECサイトは雑貨やアパレルなど、多種多様な商品を扱っています。
一方で、個人で運営しているECサイトは一つの種類に特化しているサイトが多いです。
例えば、アパレルで言うと男性向けと女性向けでも分けられてサイト運営していることがあります。
また、日本だと大手ECサイトの利用者が多いですが、韓国の場合は個人運営EC サイトも認知されており、ユーザーをたくさん抱えているのが特徴です。
細かく言うと、国内と越境ECサイトの違いはありますが、韓国内のEC市場を把握しておくことで、韓国のユーザーがどんな趣向であるか理解できるようになります。
韓国越境ECサイトを運営する前に、調査しておくと良いでしょう。
インフラが整備されているのでECサイトの利用者が多い
韓国は日本と同等なインフラが整備されているため、ECサイトの利用者が多いのが特徴の一つです。
発展途上国と比較すると先進国の韓国はネット環境が整っており、インターネットの利用率も世界で上位に入ります。
年々、ECサイトの市場規模が広がっている理由の一つとして挙げられるのが、インターネットの普及です。
インフラが整備されている韓国では、今後もEC市場が発展していくと言えます。
ECサイト独自のサービスが盛んである
韓国のECサイトは、ポイント制度やサイト構造などオリジナル性のあるサービスが盛んなのが特徴です。
韓国だけではなく他国でもサービス内容にオリジナル性がありますが、他の国と比較すると韓国は独自なサービスが抜きん出ています。
サイト構造では、種類によって細かく分けられているのが特徴的です。
日本のECサイトは一つの画面上に情報をたくさん載せていますが、韓国の場合はシンプルなECサイトであることが多いです。
また、日本ではランキング形式を取り入れているサイトが多いですが、韓国では表示されることはあまり無いです。
ポイント制度に関しては、独自の集客を図っているサイトが韓国では頻繁に見受けられます。
韓国内で発展していったオリジナル性があるサービスは、ユーザーにとって馴染み深いため利用しやすいと言えます。
そのため、新たに韓国へ越境ECで参入しようとする場合は、少し困難に感じるでしょう。
しかし、事前に調査をして対策を考えることで、困難と思えたことがクリアになります。
韓国の状況を踏まえて、越境ECに参入していきましょう。
韓国ECのユーザーとは
韓国のECサイトのユーザーは、インターネットを利用して買い物をすることに慣れているので、価格や品質を見定めて購入する傾向があります。
韓国以外からECサイトで購入する最も人気のある商品は、食品やアパレル関連です。
また、韓国ユーザーが購入を決断する要因は、商品の写真や画像です。
よって、韓国ユーザーはテキスト文より画像を重視する特徴があり、アパレル関連のサイトなら、コーディネートされた写真を載せることで、商品を分かりやすく伝えられるため、購入につながりやすいと言えます。
韓国越境ECで押さえておきたいポイント
ECサイトを運営するためには条件が多数あり、ハードルが高い韓国越境ECですが、しっかりポイントを押さえていれば参入は難しいものではありません。
韓国越境ECを始める前に押さえておきたいポイントを紹介していきます。
韓国では検索エンジンNAVERが多数派
日本の検索エンジンは「Google・Yahoo」の利用者が圧倒的ですが、韓国の場合は「NAVER」を利用している人が多数なため、日本でSEO対策をしても意味がありません。
集客をするために検索エンジンを使うのであれば「リスティング広告」を掲載することが重要です。
リスティング広告は、検索結果ページの上部と下部に表示されることが主流で、無料ではなく掲載するためには一定の費用がかかります。
とはいえ、韓国で集客するならリスティング広告は効果的なので、現地のECサイト事業者の多くは利用しています。
韓国に向けて越境ECを運営したいなら、NAVERにリスティング広告を表示させるようにすると良いでしょう。
出店するには制度が整っているモールか確認する必要がある
韓国の越境ECは、他国に比べると少し条件がシビアです。
出店する際に現地の法人格が必要になるケースがあるため、あらかじめ調べておく必要があります。
大手のモールは越境EC制度が整っているケースがあるので、その場合は容易に行えます。
とはいえ、個人で越境ECサイトを始めようとしているなら気をつける必要があるでしょう。
韓国では法人格が原則必要なため、モールが越境ECに対応していない場合だと、事業を始められない恐れがあります。
個人で運営していきたいなら、法人代行業者に依頼するなどの対策が必要です。
よって、韓国の越境ECを始めるなら、事前に条件を確認してから行うようにしましょう。
韓国ECサイトでの決済方法
韓国は世界の中でもトップクラスにキャッシュレス化が進んでいます。
韓国でECサイトの決済に多く利用されるのは「クレジットカード・デビットカード」が52%、次いで「口座引き落とし」が16%、「銀行振込」が10%の順で、カード決済が半数以上となっています。
韓国でECサイトが拡大している理由として、オンライン決済が発達していることと、閉鎖的な流通が関係していることです。
例えば、韓国のデパートに出店するとき、売上25%のテナント料だけでなく販売スタッフも用意する必要があります。
また、資金力や知名度があまりない中小企業は、韓国では参入しにくいです。
一方、大手モールの場合は販売手数料だけで出店ができ、受注した後に商品を仕入れて発送ができる無在庫販売もできるため、多くの個人や企業がネットショップに参入するようになりました。
越境ECを始める方法
越境ECを始めるには、韓国のECモールと契約してから出店するやり方と、自社ECサイトを構築するやり方があります。
運営にかかる費用や手間などを考慮した上で、自社に合ったやり方で始めていきましょう。
- 韓国のECモールと契約する方法
韓国ではたくさんのECモールがあり、それぞれ取り扱う商品の種類やユーザー層に違いがあるので、自社で売りたい商品の種類に合ったモールを選択することが大事です。
商品とユーザーの相性が合うモールを選択すると、集客しやすい環境になります。
ただし、出店するには手数料が発生することもあるため、費用を確認してから決めると良いです。
また、SNSなどのソーシャルメディアを利用した販売方式「ソーシャルコマース」が韓国では人気があるため、ユーザー層に合ったSNSから商品を訴求することで、利益アップへとつながっていきやすいです。
- 自社ECサイトを構築する方法
韓国のECモールから出店するより、自社でECサイトを構築した方が自由にできるので、理想のサイトを開設できるのが利点です。
越境ECを構築するには知識がなくても開設可能な「ASP」と、一から組み立てる「フルスクラッチ」など複数のやり方があります。
自社に合った方法で構築していきましょう。
韓国越境ECの人気モール
越境ECに対応している韓国で人気のあるモールを紹介していきます。
韓国でトップシェアを誇るGmarket
引用元:Gmarket
韓国のECモールの中でも最大級の「Gmarket」は、化粧品や食品、アパレルなど多種多様な商品を取り扱っています。
言語は、英語と中国語、韓国語に対応しているので、韓国だけではなく幅広いユーザーへ商品をアプローチできます。
2016年には「楽天」と協業をスタートさせたので、Gmarketから簡単に越境ECができやすい環境になりました。
韓国へ向けて越境ECを開設してみたい事業者には利用しやすいモールです。
今後の成長に期待TMON
引用元:TMON
韓国の大手モールと比べるとユーザー数が少ない「TMON」ですが、昨今成長し続けているECモールなので出店チャンスと言えます。
商品の種類はさまざまですが、物ではなく旅行予約や食品のデリバリーなどの販売も可能です。
また、セールを定期的に行っているので、お得に購入したいユーザーから支持を得ています。
セールを定期的に行う11番街
引用元:11番街
「11番街」は商品の取り扱いが多く、モールの規模も大きいです。
11番街もタイムセールをよく行っているのが特徴的で、セールのときを狙って訪問するユーザーは多くいます。
戦略としてタイムセールを取り入れて集客したいと検討している事業者には、向いているECモールです。
まとめ
韓国はインフラが整備されている国で、越境ECを利用するユーザーも多くいるため、今後の成長に期待できます。
また、韓国越境ECへ出店するには、厳しい条件があります。
よって、韓国の市場規模や特徴など、あらかじめ調査を行い把握しておくことが大切です。
これからも伸び続ける越境EC市場はチャンスと言えるので、韓国の現地に合わせたサイト運営を始めてみましょう。
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