webサービスを運営している方はShopifyアプリの開発を手がけたほうがいいといわれています。しかし、Shopifyアプリは一筋縄で完成するものではありません。色々な条件や知っておくべき情報がたくさんあります。
そこで今回はShopifyアプリを開始する前に知っておくべき条件や知識をご紹介します。
目次
Shopifyやその他ECの制作・運用・保守について、お気軽にご相談ください。
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Shopifyアプリとは

ECサイトを自由に構築することができるShopify。Shopifyでは越境ECにも対応しており、日本国内だけでなく海外への販売が可能になっています。そんなShopifyには様々なShopifyアプリが提供されているのをご存じでしょうか。
普通にShopifyを使っているだけでは、心もとないECサイトが出来上がります。デフォルト状態でも使えないことはありませんが、デザインも悪く訪問者にいい印象を与えることができません。
ECサイトにおいて一番大事なものはデザイン性であるといわれており、商品の質やプラグインツールなどは二の次でも構いません。
Amazonや楽天、eBayといった超巨大なECサイトは全てデザイン性に富んでいます。ユーザーがいかにして商品を購入しているのかを把握しており、人間の行動心理に基づいたデザイン性を作り上げることに成功しています。
そんなデザイン性を担保するためにはShopifyアプリの存在が欠かせません。Shopifyアプリがあればデザインだけでなく、
- ショッピングカート
- メルマガ
- 購買促進
などの施策を施すことができるようになります。つまり、Shopifyストアで成功を収めるためにはShopifyアプリの存在が欠かせないのです。
Shopifyアプリが無ければShopifyストア上で商品が売れて行くことはないという極端な考えでも問題はありません。
そこで活用したいのがShopifyアプリです。Shopifyアプリはプラグインのような役割を果たしており、機能を追加することができるソフトウェアを指します。
Shopifyアプリでは、
- ストアデータの読み書き
- 管理画面の機能を追加する
- ストアのUIを拡張する
などをすることができ、Shopifyストアをより素晴らしいものにすることができるのです。
Shopifyアプリを開発している方々は、
- Admin API
- Storefront API
を利用していることが多いです。
そして、開発後は独自で契約しているサーバーへデプロイをしてインフラ上にあるサーバーにホスティングすることによりShopifyアプリを使えるようにしているのです。
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Shopifyアプリの種類

ではここでShopifyアプリの種類について抑えておきましょう。「Shopifyアプリ」と一言で言っても様々な種類があり、それぞれに特徴があります。
公開アプリ
まず多くのShopifyアプリは公開アプリに属されます。公開アプリはその名の通り、Shopifyアプリストア上に公開されているアプリのことを言います。世界中で利用されており、有名なShopifyアプリなども全て公開アプリの1つです。
ちなみに、公開アプリには無料・有料の2つがあります。
無料Shopifyアプリは誰もがインストールできるように障壁を低くしていますが、利益をとることが難しくなっています。
一方、有料Shopifyアプリは月額〇〇円!のように継続課金型のアプリが多く安定的な収益を生み出すことが可能です。しかし、お金がかかるがゆえにインストール数が伸び悩む傾向にあります。
カスタムアプリ
カスタムアプリとは、単一のマーチャントに対して開発されているShopifyアプリになります。
マーチャントとはShopifyを利用している事業者のことを指し、一般的にはShopifyアプリストアに公開されることはありません。あくまで内部的に開発されているアプリのことをカスタムアプリといいます。
ちなみに、カスタムアプリはShopifyパートナーのダッシュボードで一元管理されています。事業者が使いたいときに使えるアプリですので重宝されますが、利益を残すことが難しくなっています。
利益ベースではなく、あくまで「支援」的な役割であることを理解しておきましょう。
プライベートアプリ
プライベートアプリはカスタムアプリと比較して、少数のマーチャントに対して開発されているShopifyアプリです。マーチャントが管理しているのですが、カスタムアプリでは達成できていないよう用件を補うためのアプリです。
つまり、
- カスタムアプリが完成
- カスタムアプリで足りないところが発覚
- プライベートアプリを開発し補う
といった流れで開発されていきます。
ただプライベートアプリの需要は年々減少してきており、最近では新しくShopifyアプリを開発する場合カスタムアプリを開発することが推奨されています。
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Shopifyアプリ開発の始め方

では早速、Shopifyアプリを開発していきましょう。Shopifyアプリの開発には様々な手順がありますので、順番にご紹介していきます。
まずShopifyアプリを開発するうえで必要なのが「パートナーアカウント」です。
このアカウントは先ほどもありましたがカスタムアプリを管理するために使われているものですが、Shopifyアプリを開発するためにも保有しておく必要があります。
ただ、このパートナーアカウントにもいくつか種類があり、
- ストア構築
- アプリ開発
- テーマデザイン
- 紹介
などのジャンルに分かれていますが、Shopifyアプリを開発するため「アプリ開発」を選択してください。他は使用しません。
パートナーアカウントを開設したら、早速管理画面へログインしましょう。
そして「開発ストア」を作成するために「ストアを追加する」をクリックしてください。
続いて、「開発ストア」にチェックを入れて
- ストア名
- ストアURL
を入力しましょう。
ストアURLに関してはすでに誰かが使用しているURLを使用することはできません。そのため別途、URLを用意してください。
続いて、「開発者プレビューを使用する」をONにしてください。これをONにしておくことでShopifyアプリがリリースされる前に機能をテストすることが可能です。ただ機能のチェックが必要ない方はOFFにしておいて問題はありません。
最後に、住所とストア開設の目的を入力して「保存」をクリックしましょう。
以上で設定自体は完了しました。入力した情報に問題がない場合は、そのまま画面が遷移します。
Shopifyアプリ開発へ
さて、先ほどはストア開設について見ていきました。続いては本題のShopifyアプリ開発に進んでいきます。
ではまずパートナーアカウントの管理画面へログインしてください。そして、
- 「アプリ管理」→「アプリを作成する」をクリック
- 「カスタムアプリ」か「公開アプリ」のどちらかを選択
- 「アプリ名」・「アプリURL」・「リダイレクトURL」を設定する
- 「アプリを作成する」wクリック
- Shopifyアプリ作成が完了すれば「アプリ名」をクリック
- 「アプリ設定」で各設定項目を埋めていく
でOKです。
これでShopifyアプリ開発の土台は整いましたので、コードをガリガリ書いてShopifyアプリを開発してください。
ちなみにこれに+αしてアプリ開発に着色をすることもできます。
後にご紹介しますが、
- APIを使った処理の作成
- Polarisを使ったUIの作成
- Webhookを使た処理の作成
などをすることでさらにShopifyアプリの開発がスムーズに進みます。
ちなみに、現段階ではテスト環境を使うことはできません。Shopifyアプリをテストするためには開発ストアにShopifyアプリをインストールしておく必要があります。
ただ、Shopifyアプリをインストールするには「認証処理」を通過しておくことが条件となります。
Shopifyアプリの認証処理について
Shopifyアプリを開発ストアへインストールするためには、認証処理が必要です。ShopifyアプリはGETリクエストに対して認証画面を表示させる必要があるため、
https://{shop}.myshopify.com/admin/oauth/authorize?client_id={api_key}&scope={scopes}&redirect_uri={redirect_uri}&state={nonce}&grant_options[]={access_mode}
をURLリダイレクトとして返してください。OAuth認証のフローが開始されますのでそのまま待機しておきましょう。
これでアクセストークンを取得して、スコープ範囲内でアクセスが可能になりますので自由にインストールされていく環境を整えることができました。
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Shopifyでアプリを開発するメリットとデメリット

アプリ開発するメリットとデメリットには、次のようなものがあります。
- 【メリット】販売経路を増やせる
- 【メリット】スマホの機能を使える
- 【デメリット】インストールが必要になる
それぞれの項目を確認していきましょう。
【メリット】販売経路を増やせる
Shopifyでアプリを開発するメリットは、販売チャネルを開拓できることです。
特に、近年はスマホユーザーが増えており、スマホを通してストアを訪れる顧客も少なくありません。アプリ開発により、今まで手に入らなかったユーザー層を獲得できます。
【メリット】スマホの機能を使える
アプリ開発により、スマホの機能にあるプッシュ通知を利用できるメリットがあります。
プッシュ通知を利用することで、アプリをインストールした顧客に対して通知できるのです。これまで以上にユーザーに情報を見てもらえる確率が高くなります。
【デメリット】インストールが必要になる
アプリは、ユーザーにインストールしてもらわなければ機能しません。単にアプリを開発しただけでは、メリットは得られないのです。
アプリ開発した後は、ユーザーにアプリのインストールを促す施策を考える必要があります。
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Shopifyアプリの開発環境

先ほどから「開発!」といっていますが、開発環境は1つではありません。
Shopifyアプリの開発環境はいくつかありますので、1つ1つご紹介します。
ローカル開発環境
開発ストアへShopifyアプリをインストールしてテストをするために認証処理が必要です。認証処理については、アプリのURLに対して外部からアクセスできるようにしていました。
ローカルサーバーを立てたとしても外部からアクセスすることができず、環境をテストすることができないためngrokなどの外部ツールを活用する必要があります。このngrokなどのツールがローカル開発環境での構築を助けています。
例えばngrokを活用すると、URLのエイリアスとしてランダムな文字列を含むURLを発行してくれます。一時的なURLになりますので長くは使えませんが、外部からアクセスすることができるようになるURLです。
この状態になればローカル開発環境で開発を進めることができるようになります。
本番環境
先ほどのローカル開発環境はあくまでテストをするためだけに用意した環境です。
しかし、Shopifyアプリをストアへリリースするためには本番環境のためのインフラやサーバーを用意する必要があります。テストではなく、「本番」の環境でしっかりと動作するのかを確かめるためです。
Shopifyアプリを開発した人が本番環境を使って確認をしてください。
この本番環境での確認を怠るとリリース後に手を加えなければいけなくなり、インストール数が激減してしまうのは目に見えていることです。
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Shopifyアプリ開発に役立つツール

さて、ここまでShopifyアプリの開発環境や手順を見ていきました。
1から開発できる方は問題ないかもしれませんが、開発に関して効率よく進めたい方も多いと思います。そこでShopifyアプリ開発に役立つツールについて少しご紹介をしておきます。
Polaris
Polarisとは、マーチャントの管理画面に対して専用アプリのUIを埋め込むために利用されます。
ジャンルとしては「UIコンポーネント」になり、Reactコンポーネントとしても提供されています。
Webhook
決めたイベントをトリガーにして別の処理を呼び出すために必要なツールです。
Webhookはデフォルトの状態では使うことができないため、ある程度設定する必要があります。
設定は15分ほどで完了します。
App Bridge
マーチャント向けの標準機能をアプリを介して使えるようにするためのツールです。
App BridgeはJavaのライブラリとして提供されています。
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Shopifyアプリ開発に際しての注意点

では最後にShopifyアプリ開発に際しての注意点をご紹介します。
1から開発していく中でちょっとしたミスが時間を大きく奪ってしまうこともあるでしょう。しっかりと注意点を抑えておきましょう。
APIの呼び出し制限
まずはこちらの表をご覧ください。
| API | Rate-limiting method | Standard limit | Shopify Plus limit |
| Admin API (GraphQL) | Calculated query cost | 50 points/second | 100 points/second |
| Admin API (REST) | Request-based limit | 2 requests/second | 4 requests/second |
| Storefront API | Time-based limit | minimum 0.5s per request, 60s per user IP | minimum 0.5s per request, 120s per user IP |
| Payments Apps API (GraphQL) | Calculated query cost | 910 points/second | 1820 points/second |
引用:https://shopify.dev/api/usage/rate-limits?shpxid=44561376-12E6-4391-F840-F0143F3787F1
開発に当たりAPIを呼び出すことがあると思いますが、時間制限があります。この制限を抑えておく必要があります。
Storefront APIの利用条件がある
全ての開発者にStorefront APIが利用できるわけではありません。Storefront APIには利用条件がありますので、事前に確認しておきましょう。
Storefront APIの利用条件はこちら。
APIのバージョンについて
様々なAPIがありますが、それぞれのバージョンについても抑えておく必要があります。
APIのバージョンについては以下の表をご覧ください。
| Versioned APIs | Unversioned APIs |
| Admin API (GraphQL and REST) Storefront API Webhooks Developer previews | OAuth endpoints (including AccessScope) Liquid Shopify Scripts Ajax API Analytics API Any other resources not explicitly listed as versioned |
引用:https://shopify.dev/api/usage/versioning?shpxid=44561376-12E6-4391-F840-F0143F3787F1
こちらのサイトではAPIのバージョンについて英語ではありますがしっかりと書かれています。自分が活用しているAPIのバージョンについてはチェックしておきましょう。
アクセストークンについて
APIのアクセストークンを作成する場合、オフラインかオンラインかを選ぶことができます。これはアクセスモードで切り替えが可能ですが、それぞれのユースケースによって異なりますので事前にある程度決めておく必要があります。
デフォルトではオフラインアクセスに分類されています。ユーザーの操作がないようなアクセスに関してはオフラインモードにしておいたほうがいいでしょう。
しかし、オンラインアクセスモードに関してはOAuthの承認フェーズの際に必ず要求する必要がでてきますので、いったんオフラインから切り替えなければなりません。
オンラインモードのアクセストークンについてはストア上にリンクされており、webセッションの有効期限と一致しています。権限レベルの付与もできますので基本的にはオフラインで、重要な操作を進める際にはオンラインモードでアクセストークンの有効範囲を変更しましょう。
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まとめ

今回はShopifyアプリ開発について見ていきました。
Shopifyアプリを開発してさらにShopifyストアを使いやすくするのは、EC事業者からすると有難い話です。さらにShopifyストアの質が良くなればECサイトのデザイン性も上がり、顧客満足度も上がるでしょう。
また、Shopifyアプリを使って収益を得ることもできますので是非独自で開発してみましょう!
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