ネットショップに商品画像を掲載する際には、著作権侵害にならないよう十分に注意する必要があります。しかし、著作権に関してあまり理解していないネットショップの運営者もいるでしょう。
本記事では、ネットショップの商品画像において著作権侵害となるケースについて詳しく解説します。また、著作権と同様に注意すべき商標権や意匠権についても説明するため、ぜひ参考にしてください。
目次
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著作権とは?
著作権とは著作物(作品)を創った人(著作者)のことを守るための権利です。著作者の苦労や努力を報いることにより文化を発展させることを目的としています。知的活動によって生み出された創造物やアイデアである知的財産を保護するための権利のひとつです。
著作物とは、作者の想いや考えを形にした創造物のことであり、作品の良し悪しに限らず作者自身が作り出したオリジナルな作品が該当します。写真・小説・音楽・漫画・絵画・映画など、あらゆる創作物が著作物です。
公的機関に届け出る必要はなく、著作物が生まれた段階で自動的に著作権が発生します。
著作物を利用する際には、著作者に利用料を支払うことが義務付けられており、これを怠ると「著作権侵害」となり得るのです。
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著作権侵害ではどのような罰則がある?
著作権を侵害すると、刑事罰・民事罰を受けることになります。具体的な罰則内容は、以下の表のとおりです。
【刑事罰】
著作者が新会社のことを告訴すると、刑事罰が発生することがあります。多くの場合、1000万円以下の罰金あるいは10年以下の懲役が生じます。罰金と懲役が両方課されるケースも珍しくありません。
また、個人ではなく法人が著作権侵害を行った場合、3億円以下の罰金が課され、より罰則が重くなります。法人に対して罰則が課されるだけでなく、法人に在籍している個人に対しても先述した罰則がかされるため、より多くの損害となります。
著作者による告訴がない限り裁判は発生しないものの、甘く見ていると罰金や懲役が生じることも珍しくないため、厳重に注意しましょう。
【民事罰】
著作権侵害に対する民事罰として、以下の4つが存在します。どれか1つが課されるのではなく、場合によっては4つすべてが請求されることもあります。
- 差止請求
著作者によって、著作権侵害者および侵害の恐れがある人に対して差止を請求されます。ネットショップ上に掲載されている画像に対して差止を請求された場合、早急に画像を削除しなければなりません。
- 損害賠償請求
差止だけでなく、損害賠償を請求されることもあります。損害額を具体的に証明できなかったとしても、侵害者が得た利益の金額などから損害額を想定し、賠償を請求できるのです。
- 不当利得返還請求
著作物の使用によって実際に利益を得ている場合、利益の変換が求められることもあります。著作権を侵害していることを自覚していなかった場合は手元に残っている利益が請求され、自覚していた場合はすべての利益に利息を追加した金額が請求されます。無自覚だった場合でも利益の返還が求められるため「知らなかった」では済まされません。
- 名誉回復等の措置請求
故意あるいは過失によって著作権を侵害した人に対して、名誉回復を目的とした措置が請求されることもあります。具体的には、謝罪文の掲載などが挙げられます。
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ネットショップ(EC)の商品画像に著作権は存在する?
商品画像は著作物に該当し、撮影者が著作者となります。ネットショップにおいて第三者が撮影した商品画像を無断で使用すると、著作権を侵害したことになります。
顧客が実際に商品を見たり触ったりできないネットショップでは、商品画像は購入を左右する重要なものです。そのため、著作権の観点以外でも、競合との差別化を図るためにオリジナリティのある画像を使うことが望ましいです。
オリジナルの画像を用意するのが困難な場合は、作成者の許可を得たうえで第三者が作成した画像を使う、著作権フリーの画像を利用する、といった方法をとると良いでしょう。
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商標権や意匠権にも注意
商品画像に発生する著作権だけでなく、商標権や意匠権の侵害もしてしまわないよう注意が必要です。商標権は商品名などに発生する権利で、意匠権は著作権とあわせて商品デザインに発生する権利となります。また、会社名には商号権が発生するため、ネットショップ上で掲載する際には必ず許可を取りましょう。
場合によっては著作者から黙認されることもありますが、訴えられるリスクを考えるとしっかり許可を得たうえで使用するのが賢明です。
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ネットショップ(EC)の商品画像で著作権侵害になるケース
ここでは、ネットショップの商品画像において著作権侵害となる2つのケースについて詳しく解説します。
他社ECの商品画像を無断で使用
他社が運営しているネットショップ上の商品画像を無断で使うと、著作権の侵害となってしまいます。訴えられるリスクがあるだけでなく、オリジナル性に欠ける商品画像では他者との差別化ができず高い売上を得られない恐れがあります。
どうしても他社のネットショップに掲載されている画像を使いたい場合は、使用許可を得られないか打診するのも手段のひとつです。
著作権のある商品画像を使用
著作権が発生している商品画像を無断で使用するのもNGです。著作権の侵害となるうえに、掲載元の正規代理店やメーカーの営業妨害ともなり得ます。多くの正規代理店・メーカーでは違反行為がないかネットショップを巡回しているため、発覚するリスクが高いです。
自社で作成する手間が省けて楽だからといって、安易に著作権のある商品画像を使わないよう注意しましょう。
また、商品画像と実際に取り扱っている商品が異なる場合、顧客からの信頼を失う恐れがあります。一度失った信頼は元に戻すのが困難なため、慎重に商品画像を作成しましょう。
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ネットショップ(EC)の商品画像掲載ルールにも注意が必要
著作権とは別に、ネットショップごとに商品画像掲載に関するルールが設けられており、違反しないよう注意する必要があります。ここでは、利用者の多い楽天市場・メルカリ・ヤフオクの画像掲載ルールについて詳しく解説します。
【楽天市場】
楽天市場では、商品のサムネイル画像に関して以下のルールが設けられています。
- 帯や枠線を使ってはいけない
- 画像の背景は使用風景または白抜きでなければならない
- テキストの占有率は20%以下でなければならない
商品を目立たせたいからと言って、帯や枠線を追加するのは禁止されています。独自の背景画像を利用するのもNGで、仕様風景あるいは白抜きしか許可されていません。また、商品説明や顧客への訴求のためにテキストを入れたい場合も、占有率を20%以下に抑える必要があります。
【メルカリ】
個人間の取引がメインのメルカリでは、楽天市場よりもルールが緩い傾向にあります。具体的には、「他の出品者が使っている写真を無断で掲載してはいけない」というルールです。また、メルカリでは在庫が確保できていない状態での商品販売が禁じられています。
【ヤフオク】
ヤフオクも、メルカリと同様に主に個人間のやり取りをするプラットフォームであるため、ルールはやや緩めです。具体的には、以下のとおりです。
- 掲載できる画像は10枚まで
- 5MB/枚以内の画像を掲載する
- 横または縦の幅が1200pixel以内の画像を掲載する
- 他のページが使用している画像を掲載してはいけない
「10枚まで」という制限は、出品時だけでなく落札までのトータルの枚数制限です。そのため、出品時に10枚画像を掲載してしまうと、その後追加ができなくなります。購入を検討している顧客から質問があり画像の提示が必要となっても対応できないため、注意が必要です。最初から画像を10枚掲載するのは避けるのが賢明でしょう。
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著作権や商標権にあたらないものとは?
ネットショップにおいて、著作権や商標権の侵害に該当しないものは、以下のとおりです。
- 自身が撮影した写真を商品画像として使う
- 自身が撮影した商品画像に文字などを入れて加工する
- 自身が撮影した商品画像に選択範囲を指定して切り抜き加工を行う
- 公式サイトに掲載されている商品画像を修正せずに使う(引用)
- 公式ロゴマークを修正せずに使う(引用)
基本的に、自身が撮影した商品画像はそのまま使用する場合でも、文字挿入や切り抜き加工などをして使用する場合でも著作権や商標権の侵害にはなりません。また、公式サイトに掲載されている商品画像やロゴマークを一切修正せずに使う場合も、引用に該当するため著作権や商標権には引っかかりません。
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ネットショップ(EC)の商品画像で著作権侵害にあたらないようにするポイント
トラブルや罰則を避けるためにも、著作権侵害にならないよう慎重に商品画像を掲載したいものです。ここでは、著作権に引っかからずに商品画像を掲載するためのポイントを3つ紹介します。
自社で撮影をおこなう
先述したとおり、自社で撮影した商品画像は著作権侵害となりません。著作権に引っかからないための一番確実な方法であるうえに、オリジナリティのある画像となるため競合に差を付けられるのも嬉しいポイントです。
商品画像以外にも、スタッフや会社に関する写真を掲載すれば、顧客からの信頼度アップにつながります。
商用利用を確認する
イラスト画像や背景画像を合成して商品画像を作成する場合、必ず商用利用が認められているものを使うようにしましょう。商用利用不可のものを使ってしまうと、著作権に引っかかり訴えられてしまうリスクがあります。
業者に依頼する
著作権に関する知見の深い業者に商品画像の作成を依頼すれば、著作権侵害のリスクを最小限に抑えられます。また、業者に任せることで素人が撮影するよりもクオリティが高く顧客に刺さる画像を用意して貰える可能性が高く、ネットショップの売上アップにもつながるでしょう。
業者に依頼するにあたって費用が発生しますが、著作権の侵害を防げて売上アップも期待できるためおすすめの方法です。
インターネットを通じて買い物をする顧客が増え、ネットショップ需要が高まっている昨今では、数多くの業者が存在します。コストパフォーマンスの高い業者に依頼するためにも、入念にリサーチ・比較検討をしたうえで業者を見極めましょう。
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他者から著作権の侵害を受けた場合の対処法
ここまで、著作権を侵害してしまうケースや罰則などを解説してきましたが、ネットショップを運営しているうちに、他者から著作権を侵害されることも想定されます。そこで、著作権を侵害された場合の対処法について解説します。
自身が運営しているネットショップの画像の無断利用によって他者が利益を得る前に対処しましょう。発覚したタイミングで速やかに対応することが大切です。
運営者に相談する
Amazonや楽天市場といった大手のECサイトを使って商品を販売している場合、運営者に相談しましょう。これらのサイトには通報フォームや相談窓口などが設けられているため、迅速に相談してください。利用者が多いECサイトであればあるほど、手厚い対応をしてもらえる可能性が高いです。
著作権に関する知識に乏しい素人が自力で対処するのではなく、運営に対応を任せる方が手間や労力を抑えられます。そのうえ、直接口論に至らないためスピーディーな解決が期待できます。
侵害者に警告する
大手のECサイトを使わずに自らサイトを構築してネットショップを運営している場合は、著作権の侵害者に警告文を送りましょう。大きなトラブルは避けたいと考えている人が多いため、多くの場合警告が来たらすぐに画像を削除してもらえます。警告文を作成する際には、1から作成するのではなく、インターネット上でテンプレートを探して活用することで手間を抑えられます。
ただし、すでに被害が大きい場合は、のちほど解説する損害賠償請求を行いましょう。損害賠償請求をする際には弁護士を雇う必要があるうえに労力がかかるため、警告文の送付によって解決するのがベターです。
必要に応じて損害賠償請求をする
警告の文書を送っても画像を使用し続けていたり、大きな被害が発生している場合、損害賠償請求をすることも視野に入れましょう。損害賠償請求とは、違法な手段を用いた人・企業や契約に違反した人・企業に賠償金を請求することを指します。実際に確認できる被害額に加え、本来得られたであろう利益を請求できます。
素人が損害賠償請求をするのは困難なため、弁護士に相談しながら進めていく必要があるでしょう。この際、信頼のおける弁護士を見極めることが大切です。
なお、警告文を送る前の段階で、いきなり損害賠償請求をしても問題ありません。悪質な場合は、早急に損害賠償請求をするのも手段のひとつです。
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まとめ:ネットショップ(EC)の商品画像で著作権侵害になるケースとは?
ネットショップにおいて商品画像を掲載する際には、他社のネットショップに掲載されている商品画像を無断で使用したり、著作権のある商品画像を使用したりすると著作権侵害に該当します。トラブルに発展する恐れがあるほか、最悪の場合罰金などの罰則を受ける事態となってしまうため、十分に注意しましょう。
著作権侵害のリスクを抑えるためには、自社で撮影した画像を利用する・業者へ依頼する、といった方法がおすすめです。ぜひ、本記事の内容を参考にして安全にネットショップ運営を進めてください。
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