監修:黒岩俊児(株式会社セルフプラス 代表・Shopify Plus Partner)
公開日:2026年10月2日|本記事は各社の公式発表・一次情報にもとづき、EC構築の実務者が内容を確認しています。
AI検索経由で来た訪問者は、比較検討をAIの側で済ませてから着地します。検索経由の訪問者と同じページを見せても噛み合いません。着地ページで最初に出すべきものは価格と条件、AIが言っていたことの裏取り、そして次の一手の3つです。
AIに引用されるための施策はECサイトのGEO対策で扱っています。本記事はその次、つまり引用されて人が来たあとに何を出すかを扱います。AIコマースやPerplexityで買い物する時代へで見たとおり、購入判断の前段がAIの側に移る分、着地ページの役割も変わります。情報は2026年9月時点で確認できた一次情報にもとづいています。
前提として、AI経由の流入をすべて切り分けて計測することは、現時点では完全にはできません。それでも着地ページの作りは変えられます。本記事は「測れないから何もしない」ではなく、測れる範囲を確認したうえで、先に直せるところを直す順番で書いています。
目次
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結論|検索経由とAI経由で、訪問者の状態が違う

| 観点 | 検索経由 | AI検索経由 |
|---|---|---|
| 来た時点の情報量 | 候補を探している段階 | 候補が絞られ、要約を読んだ状態 |
| 最初に知りたいこと | 何ができるサービスか | AIの説明が本当か、価格と条件はどうか |
| 読む順番 | 上から順に読む | 価格・条件・注意点を先に探す |
| 離脱の理由 | 自分に合うか分からない | AIの説明と書いてあることが食い違う |
| 有効な打ち手 | 概要から具体へ導く | 裏取りできる形で事実を先に出す |
要点は最後の行です。AI経由の訪問者は確認に来ているので、食い違いが見つかった瞬間に離脱します。概要から丁寧に説明する構成は、この状態の訪問者には遠回りになります。
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着地ページで最初に見せる3つ

スクロールせずに見える範囲に、次の3つを置いてください。順番も重要です。
- 何のページかを1文で。AIの説明と同じ語で書く(言い換えると別物だと思われる)
- 価格と条件。税込・税別、初期費用の有無、最低利用期間まで
- 次の一手。資料・見積・問い合わせのどれか1つに絞る
3つ目を複数並べないでください。AI経由の訪問者は目的がはっきりしているため、選択肢を並べると判断が止まります。並べるなら、主たる一手を1つ大きく置き、残りは文中のリンクにとどめます。
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価格と条件を隠さない

「価格はお問い合わせください」だけのページは、AI経由の訪問者にとってもっとも相性が悪い作りです。価格を確認しに来た人が、確認できないまま戻ります。
| 書けない理由 | 代わりに書けること |
|---|---|
| 案件ごとに大きく変わる | 過去の実績レンジ(例: 80万円〜300万円)と、何で変わるか |
| 競合に見られたくない | 最小構成の価格と、その構成に含まれる範囲 |
| 条件が複雑 | 代表的な3パターンの価格と前提条件 |
| 本当に個別見積のみ | 見積までの流れと、必要な情報、所要日数 |
レンジでも構いません。金額の桁が分かることが、次の行動に進むかどうかを決めます。まったく書かないのは、判断材料をゼロにするのと同じです。
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「AIが言っていたこと」の裏取りに答える

AIの要約は、正しいこともあれば古いこともあります。訪問者は、その内容が今も正しいかを確かめに来ます。次の3つをページ内で確認できるようにしてください。
- いつ時点の情報か。価格・条件・対応範囲に日付を添える
- やっていないこと。対応範囲外を明記する(できることだけ書くと期待がずれる)
- 変わった点。料金や条件を変えた場合、いつ何を変えたかを残す
2つ目は見落とされがちですが効きます。AIの要約は「できること」を広く拾う傾向があるため、対応範囲外が書かれていないと、できると思って問い合わせた人と、できないと答える自社の間で齟齬が生まれます。先に書いておく方が、双方の手間が減ります。
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問い合わせの前に置くもの/置かないもの

AI経由の訪問者は、情報が揃えばそのまま問い合わせます。逆に、揃わないうちに問い合わせを求めると離脱します。フォームの前後を整理してください。
| フォームの前に置く | フォームの前に置かない |
|---|---|
| 価格と条件 | 長い会社沿革 |
| 対応範囲と対応外 | 抽象的な理念 |
| 導入までの流れと所要日数 | 実績数だけの羅列 |
| よくある質問(価格・期間・体制) | 関係の薄い受賞歴 |
フォーム自体も短くしてください。AI経由の訪問者は目的が決まっているため、入力項目が多いほど途中で止まります。必須は連絡先と用件だけにして、それ以外は任意にするか、返信のやりとりで聞く形に回します。
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チャットとレコメンドの置き方

Shopify対応AIチャットボット・接客ツール比較で扱ったようなチャットを置く場合、AI経由の訪問者に対しては質問を受ける役割よりも、ページに書いていない条件を答える役割の方が効きます。価格や納期のような、個別性の高い質問に即答できる形にしてください。
商品側では、AIレコメンド機能でEC売上を上げる方法のレコメンドが効く場面と効かない場面が分かれます。AI経由で特定商品に着地した訪問者は、その商品を見に来ています。ここで別商品を大きく出すと、比較をやり直させることになります。関連商品は下部に置き、上部は着地した商品の情報で埋めてください。
| 訪問者の状態 | 上部に置くもの | 避けるもの |
|---|---|---|
| 特定商品に着地 | 在庫・納期・価格・返品条件 | 別商品のレコメンド |
| カテゴリに着地 | 絞り込みと価格帯の目安 | 売れ筋の押し出しだけ |
| 記事に着地 | 結論と、関連する商品への1本の導線 | 記事末尾までCTAなし |
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どこまで測れるか

AI経由の流入は、参照元として記録される場合とされない場合があります。現時点で確実に分かること・分からないことを整理しておくと、過度な期待も過度な諦めも避けられます。
| 知りたいこと | 分かるか | 代わりに見るもの |
|---|---|---|
| AI検索から来たか | 参照元が残る場合のみ分かる | 参照元別の流入と、直接アクセスの増減 |
| どの問いで来たか | 分からない | 着地ページの内容から推定する |
| AIが自社をどう説明したか | 自動では分からない | 主要な問いを決めて、定期的に手で確認する |
| 着地後に進んだか | 分かる | 着地ページ別のフォーム到達と完了 |
3行目は手作業になりますが、続ける価値があります。自社名・主力商品・比較検討で使われる問いを10個ほど決め、月1回同じ問いで確認して記録してください。ShopifyのAIショッピングアシスタント対応ガイドの要件と同じで、記録がないと変化に気づけません。
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先に直す順番

すべてを一度に変える必要はありません。効き方が早く、副作用が小さい順に手を付けてください。
- 価格と条件を書く(もっとも早く効く。書ける範囲から始める)
- 対応範囲外を明記する(問い合わせの質が変わる)
- 情報の日付を入れる(裏取りに答えられる)
- 着地ページ上部の構成を、価格・条件・次の一手の順に並べ替える
- フォームの必須項目を削る
- チャットとレコメンドの置き方を見直す(影響が広いので最後)
1〜3は本文の書き換えだけで済みます。4以降はテンプレートの変更が入るため、変更前の状態を残したうえで、1つずつ入れて効果を確認してください。
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よくある質問(FAQ)
AI検索経由の流入は、検索経由と何が違いますか?
来た時点の情報量が違います。AI経由の訪問者は要約を読んで候補を絞った状態で着地するため、最初に知りたいのは「AIの説明が本当か」と「価格と条件」です。検索経由のように概要から説明する構成では遠回りになります。食い違いが見つかった瞬間に離脱するため、裏取りできる形で事実を先に出す作りが有効です。
価格を公開できない場合は、どう書けばよいですか?
レンジと、何で変わるかを書いてください。過去の実績で80万円〜300万円なら、その幅と、金額が変わる要因(対応範囲・データ移行の有無・期間など)を示します。代表的な3パターンの価格と前提条件を並べる形でも構いません。金額の桁が分かることが次の行動を決めるため、まったく書かないのは判断材料をゼロにするのと同じです。
対応範囲外をわざわざ書くと、機会損失になりませんか?
なりにくいです。AIの要約は「できること」を広く拾う傾向があるため、対応範囲外が書かれていないと、できると思って問い合わせた人に対してできないと答えることになります。先に書いておく方が、問い合わせの質が上がり、双方の手間が減ります。実務では、対応範囲外を明記したあとに商談化率が上がる方が一般的です。
商品ページにレコメンドを出すのは逆効果ですか?
置き場所の問題です。AI経由で特定商品に着地した訪問者は、その商品を見に来ています。上部に別商品を大きく出すと、絞り終えた比較をやり直させることになります。関連商品は下部に置き、上部は着地した商品の在庫・納期・価格・返品条件で埋めてください。カテゴリページに着地した場合は、絞り込みと価格帯の目安が先です。
AI検索経由の流入は、どこまで計測できますか?
参照元として記録される場合は分かりますが、記録されない場合もあり、完全な切り分けはできません。どの問いで来たかも分かりません。代わりに、参照元別の流入と直接アクセスの増減、着地ページ別のフォーム到達・完了を見てください。加えて、自社名や主力商品に関する問いを10個ほど決め、月1回同じ問いで手で確認して記録すると、変化に気づけます。
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まとめ|確認に来た人に、確認できるものを出す

AI検索経由の訪問者は、比較検討を終えて確認に来ています。着地ページの上部に置くのは、何のページかの1文、価格と条件、次の一手の3つです。価格が書けない場合もレンジと変動要因を示し、対応範囲外と情報の日付を明記してください。計測は完全には切り分けられないため、参照元別の流入と着地ページ別のフォーム到達を見つつ、主要な問いを決めて月1回手で確認します。着手は本文の書き換えで済む1〜3から始めてください。
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