監修:黒岩俊児(株式会社セルフプラス 代表・Shopify Plus Partner)
公開日:2026年10月16日|本記事は各社の公式発表・一次情報にもとづき、EC構築の実務者が内容を確認しています。
AI検索対策というと、多くのEC事業者は自社サイトの改善をイメージします。構造化データや本文の分かりやすさを整えることは基本です。なおGoogle検索ではllms.txtは必須ではなく、設置しても表示や順位に有利・不利な影響はないと説明されています(Google公式:生成AI検索の最適化ガイド)。ですが、それだけでは足りない領域があります。 AIが会社や商品を判断する材料は、自社サイトの中だけにあるわけではないからです。この記事では、自社サイトの外側でAIに「言及される」機会を増やす実務を、難易度と費用の順に整理します。AIがECをどう扱っているかの前提はAIコマースとは?で、自社サイト側の施策はECサイトのGEO対策|AI検索に選ばれる10施策で扱っているため、本記事では重複させていません。
目次
Shopifyやその他ECの制作・運用・保守について、お気軽にご相談ください。
連絡は問い合わせ・無料相談・無料お見積りよりどうぞ。
なぜ自社サイトの改善だけでは足りないのか

Perplexity・ChatGPT検索・Google AI Overviewsといった主要なAI検索の仕組みは、いずれも「複数のソースを参照し、回答に引用を添える」設計で動いています。Perplexity公式ヘルプセンターは、回答について「番号付きの引用が含まれ、元のソースへのリンクをたどれる」と説明しています(Perplexity Help Center・2026年9月時点)。OpenAIのヘルプセンターも、ChatGPT検索を使った回答には引用が含まれ、ユーザーは「Sources」から引用元を開けると案内しています(OpenAI Help Center・2026年9月時点)。GoogleのAI Overviewsについても、公式ヘルプは回答を生成AIで作成し、内容を裏付けるリンクを提示する仕組みだと説明しています(Google検索ヘルプ・2026年9月時点)。
AI検索の回答では、自社サイトと第三者サイトの両方が参照元になり得ます。ただし、各AIが外部の言及をどう評価するかの詳細は公開されていません。第三者情報を必須条件や順位要因と断定せず、情報の正確さを保つ観点で取り組みます。
これは検索エンジンのSEOでも以前から言われてきた「自作自演は弱い、第三者の評価は強い」という考え方の延長線上にあります。違うのは、AIの回答はその場で1つの答えに集約される点です。検索結果なら自社サイトも一覧の1枠として表示されますが、AIの回答は複数のソースを統合した一つの文章になります。その文章に自社が登場するかどうかは、自社サイト単体の完成度ではなく、参照される情報源の集合の中に自社の名前がどれだけ、どういう文脈で出てくるかで決まります。だからこそ、自社サイトの外側の対策が要ります。
Shopifyやその他ECの制作・運用・保守について、お気軽にご相談ください。
連絡は問い合わせ・無料相談・無料お見積りよりどうぞ。
実務として取れる手段を、難易度と費用の順で整理する

第三者からの言及を増やす手段は一様ではありません。着手のしやすさと、効果が出るまでの時間が違うため、優先順位をつけて進める必要があります。
| 手段 | 難易度・費用 | 効果が出るまで |
|---|---|---|
| GBP・ディレクトリ・モール掲載 | 掲載先による。GBPは適格性の確認が必要 | 審査・掲載先による。AI引用への効果は保証されない |
| レビュー・口コミの獲得 | 低〜中(依頼の手間) | 遅い(数か月〜) |
| 業界メディア寄稿・取材対応 | 中〜高(関係構築が必要) | 中程度(掲載まで数週間〜) |
| プレスリリース | 中(配信費用+内容作り) | 配信は早いが転載は内容次第 |
| 比較・まとめ記事への掲載依頼 | 高(依頼先の選定・交渉) | 中〜遅い |
低コスト・すぐ着手できるもの
まず、実態に合う外部プロフィールや掲載情報を確認します。Googleビジネスプロフィールは、顧客と対面で接する店舗型・非店舗型の適格なビジネスが対象で、オンラインのみのECは対象外です(Google公式:ビジネスの適格性)。ディレクトリやモールは費用・審査・出店条件が異なり、無料や即時反映とは限りません。AIに引用される効果の時期も保証できません。
Googleビジネスプロフィールの登録を検討する場合は、まず適格性を確認してください。対象外のEC事業者は、会社概要・公式SNS・適切な業界ディレクトリなど、実態に合う情報源を整えます。すでに掲載されている情報も、旧住所・旧社名が残っていないか確認しましょう。
時間はかかるが積み上がるもの——レビュー・口コミの獲得
レビューや口コミは、依頼してもすぐには集まりません。購入後のフォローメールやアフターサポートのタイミングで自然に依頼する仕組みを作り、時間をかけて積み上げる前提で計画してください。件数だけでなく、具体的な使用感が書かれたレビューほど、第三者性のある情報として扱われやすくなります。獲得の方法によってはルール違反になる場合があるため、注意点は後段の「やってはいけないこと」でまとめています。
依頼先はGoogleビジネスプロフィールのレビュー欄だけに限りません。出店しているモールのレビュー欄、SNSでの言及、業界特化のレビューサイトなど、購入者が自然に書き込む場所は複数あります。全部を一度に追いかけるより、まずは自社の顧客層が実際に見ている場所を1〜2箇所に絞り、依頼のタイミングと文面を固定してから運用に乗せる方が続けやすくなります。
業界メディアへの寄稿・取材対応
自社の発信ではなく、第三者の媒体に載ることが目的です。業界専門メディアへの寄稿、記者からの取材依頼への対応、業界団体が主催するイベントでの登壇などが該当します。着手のハードルは上がりますが、一度掲載されると長期間残る資産になり、単発のプレスリリースより信頼度の高い言及として扱われやすくなります。
取材や寄稿の依頼を受けやすくするには、自社が何の専門家として語れるかを先に決めておくことが役立ちます。「EC全般」のような広い括りより、「越境ECの決済まわり」「定期通販のLTV改善」のように具体的な領域に絞った方が、メディア側も企画に組み込みやすくなります。問い合わせフォームからの持ち込み提案や、業界団体・商工会議所のネットワークを通じた紹介も、着手できる経路です。
プレスリリース
PR TIMESなどの配信サービスを使えば、新サービス・実績・調査結果を第三者媒体を経由して発信できます。配信自体はすぐに着手できますが、転載や引用につながる内容(具体的な数字・独自調査・一次情報)でなければ効果は限定的です。「発表した」という事実だけでは、第三者からの言及にはつながりにくい点に注意してください。
取り上げられやすいのは、自社のアンケートや実績データをもとにした独自の数字、業界の変化に対する見解、他社との提携や導入事例など、記者やブロガーがそのまま引用しやすい形になっている発表です。単なる新機能のお知らせより、数字や一次情報を伴う発表の方が、比較記事やまとめ記事に転載される可能性が高くなります。
比較記事・まとめ記事への掲載依頼
業界の比較記事・まとめ記事を書いているメディアやブロガーに、掲載を依頼する方法です。既に一定の読者を持つ記事に載ることで、新規に記事を書いてもらうより早く言及を得られる場合があります。ただし依頼先の選定と関係構築に時間がかかるため、優先順位としては後ろになります。掲載条件や表記の依頼をする際は、次に説明するNAPの一致も忘れずに伝えてください。
依頼先の見つけ方は、自社の商材やサービスに関連するキーワードで実際に検索し、上位に出てくる比較記事・まとめ記事の運営者に問い合わせる方法が確実です。すでに競合が掲載されている記事であれば、その記事の運営者は同じジャンルの情報を継続的に発信している可能性が高く、依頼が通りやすくなります。
Shopifyやその他ECの制作・運用・保守について、お気軽にご相談ください。
連絡は問い合わせ・無料相談・無料お見積りよりどうぞ。
NAP(名称・住所・電話)の一致がなぜ重要か

第三者からの言及を増やしても、そこに書かれている会社名・住所・電話番号(NAP)が自社サイトやGoogleビジネスプロフィールの表記と揃っていなければ、同じ会社の情報として結びつけられない場合があります。Googleビジネスプロフィールのガイドラインは、ビジネス名について「実店舗の看板やウェブサイト、印刷物などで一貫して使われている、現実世界での名称を反映させること」、住所について「正確で詳細な住所・対応エリアを使うこと」、電話番号について「個々の店舗につながる番号を用意すること」を求めており、同一ビジネスのプロフィールは1つに限ると明記しています(Google ビジネスプロフィール ヘルプ・2026年9月時点)。
言い換えると、NAPが揃っていない状態は、正しい情報を発信しているつもりでも、AIや検索エンジンからは「同じ会社について書かれた、別々の断片情報」に見えてしまう状態です。第三者からの言及を増やす努力をしても、その言及が自社と正しく結びつかなければ、裏付けとしての効果は薄れます。
実務でぶれやすいのは次のような箇所です。
- 旧社名・旧屋号のまま掲載が残っているディレクトリやモール。 社名変更後も外部の掲載は自動では更新されません
- 移転後の住所が、過去のプレスリリースや外部の紹介記事に残っている。 検索結果に古い住所のページが残り続けます
- 店舗・拠点ごとに異なる電話番号と、代表番号の混在。 どちらを正とするか決めずに掲載を依頼すると表記が割れます
- 「株式会社」の位置(前株・後株)や、半角・全角、スペースの有無といった表記ゆれ。 人間には同じ会社と分かっても、機械的な突き合わせでは別表記として扱われます
棚卸しの手順は次のとおりです。
- 自社サイト・GBP・主要ディレクトリ・モールの現在の掲載を1件ずつ確認し、表記を一覧化する。 検索エンジンで社名を検索し、ヒットした掲載ページを順に開いて記録します
- 正とする表記を1つ決める。 自社サイトのフッターなど、最も管理しやすい場所の表記を基準にします
- 自社が管理者権限を持つ掲載から直す。 GBP・自社SNS・自社が申請したディレクトリが対象です
- 管理者権限が無い掲載(第三者の記事など)は、先方に修正を依頼するか、新しい正しい言及で上書きする方針を決める。 全てを追いかけきれない前提で、影響の大きいものから対応します
- 半年に一度など、定期的に再確認する。 新しい言及が増えるたびに表記ゆれも増えるため、棚卸しは一度で終わりません
Shopifyやその他ECの制作・運用・保守について、お気軽にご相談ください。
連絡は問い合わせ・無料相談・無料お見積りよりどうぞ。
やってはいけないこと

第三者からの言及を短期間で増やそうとすると、評価を落とす手段に手が伸びやすくなります。次は避けてください。
- 相互リンクの大量交換。 Googleのスパムに関するポリシーは、リンクスキームの例として「相互リンクの過剰な交換(『私にリンクしてくれたら、私もリンクします』)」や「クロスリンクのためだけに作られたパートナーページ」を挙げています(Google公式:スパムに関するポリシー)
- 有料リンク。 同ポリシーは「ランキング目的での被リンクの売買」を禁止しており、広告・スポンサー目的で対価を伴うリンクを設置する場合は、nofollowまたはsponsored属性を付けることが必要とされています(Google公式:スパムに関するポリシー)
- 自作自演のレビュー。 米連邦取引委員会(FTC)の消費者レビュー規則は、実在しない人物によるレビューの作成・販売、好意的な評価と引き換えの報酬提供、独立した口コミサイトを装った自社運営サイトなどを禁止しており、米国法の適用対象となる行為は民事制裁金の対象になり得ます(FTC公式:消費者レビュー規則のQ&A)
これらは短期的には言及数や被リンク数を押し上げますが、発覚すれば評価を落とし、時間をかけて積み上げてきた正当な言及の信頼性まで疑われます。 急がず、実態のある言及を積み重ねる方が結果的に早く届きます。
Shopifyやその他ECの制作・運用・保守について、お気軽にご相談ください。
連絡は問い合わせ・無料相談・無料お見積りよりどうぞ。
増えたかどうかを確かめる方法

施策をやりっぱなしにせず、定点で確認してください。効果が出るまでに数週間〜数か月かかる施策が多いため、毎週ではなく、月次程度の頻度で確認すれば十分です。
- 社名の完全一致検索。 検索エンジンで自社の正式名称を引用符で囲んで検索し、ヒットするページの増減と顔ぶれを追います
- AIに直接聞く。 ChatGPT・Perplexity・Google AI Overviewsに自社名や取扱商品について質問し、どのサイトが引用されているか、内容が自社の実態と合っているかを確認します
- 言及の定点観測。 Googleアラートなどで社名を登録し、新しい言及が出るたびに、NAPの表記が揃っているかもあわせて確認します
Shopifyやその他ECの制作・運用・保守について、お気軽にご相談ください。
連絡は問い合わせ・無料相談・無料お見積りよりどうぞ。
よくある質問(FAQ)
自社サイトを改善するだけではAI検索対策として不十分なのですか?
自社サイトの改善に加え、外部の情報も正確に保つことをおすすめします。ただし、第三者からの言及がAI引用の必須条件であると各社が説明しているわけではなく、自社サイトの一次情報が直接引用されることもあります。外部掲載だけを増やすことを目的にせず、実態に合う情報源を整えてください。
何から着手すればいいですか?
既存の外部掲載を確認し、旧住所や旧社名などを直すことから始めてください。Googleビジネスプロフィールは対象となるビジネスだけで検討し、ディレクトリやモールも費用・審査条件を確認します。
NAPの表記がずれていると、具体的に何が起きますか?
Googleビジネスプロフィールのガイドラインは、ビジネス名・住所・電話番号を実店舗と一貫させ、プロフィールを1つに保つことを求めています。表記がずれると、同じ会社の情報として結びつけられず、検索やAIの回答で正しく扱われない可能性があります。
レビューを増やすために謝礼を渡すのは問題ありますか?
問題があります。FTCの消費者レビュー規則は、好意的な評価と引き換えの報酬提供や、実在しない人物によるレビューの作成・販売を禁止しており、米国法の適用対象となる行為は民事制裁金の対象になり得ます。Googleなど掲載先の口コミ規定も別途確認してください。
相互リンクを増やすのは効果がありますか?
Googleのスパムに関するポリシーは、ランキング目的での過剰な相互リンク交換や有料リンクの売買をリンクスキームとして禁止しています。短期的に数を稼げても、発覚すれば評価を落とすため避けてください。
Shopifyやその他ECの制作・運用・保守について、お気軽にご相談ください。
連絡は問い合わせ・無料相談・無料お見積りよりどうぞ。
まとめ

AIに引用されるには、自社サイトの中を整えるだけでなく、自社の外側で「誰が何を言っているか」を増やす必要があります。適格なビジネスのGBPや、実態に合うディレクトリ・モールの掲載情報から確認し、レビュー・業界メディアへの寄稿・プレスリリース・比較記事への掲載依頼へと広げながら、NAPの一致を保ち、相互リンクの大量交換や自作自演のレビューのような近道は避けてください。自社サイト側のAI検索対策はECサイトのGEO対策|AI検索に選ばれる10施策にまとめています。何から着手すべきか判断に迷う場合は、AIO無料診断で自社サイトの現状を確認するところから始められます。
Shopify制作のお見積もり・ご相談
また、初めてのお取組みで不安のある方などもご不明点などはお気軽にご連絡ください。














に相談する