監修:黒岩俊児(株式会社セルフプラス 代表・Shopify Plus Partner)
公開日:2026年9月30日|本記事は各社の公式発表・一次情報にもとづき、EC構築の実務者が内容を確認しています。
2026年9月21日から、Shopifyアナリティクスのセッションの数え方が変わりました。コンバージョン率・カート追加率・直帰率などが、以前と違う値に見えます。注文数・売上・顧客数は変わりません。9月21日をまたいで比べた数字を、施策の成果や悪化と読まないでください。
この記事はShopify公式のリリースノート(2026年9月21日)の内容だけを根拠にしています。AI施策そのものの進め方はECサイトのAI活用 完全ガイド、AI検索対策はECサイトのGEO対策で扱っています。ここでは「数字の見え方が変わった」ことと「施策が効いた/効かなかった」を切り分ける方法に絞ります。
先に結論です。9月21日は新しい基準の開始日であり、その前後をつないだ折れ線は、同じ物差しで測った線ではありません。Shopifyもリリースノートで、9月21日の前後を比較するときは新しいベースラインとして扱うよう案内しています。
目次
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何が変わったのか

変わったのはセッションの判定方法です。人による訪問に絞り込み、ボットやシステムによるアクセスをより一貫して分類し、通常のページビューを伴わない正当な購買導線も数に含めるようになりました。
| 区分 | 指標 |
|---|---|
| 値の見え方が変わりうる | セッション数、コンバージョン率、カート追加率、チェックアウト到達率、チェックアウトコンバージョン率、直帰率、セッションあたりのページビュー、オンラインストアの訪問者数、検索数 |
| 変わらない | 注文数、売上、顧客数 |
この区分がそのまま切り分けの手がかりになります。分母(セッション)を使う指標は動き、分子だけで数える指標は動きません。
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自社の数字はどう動くのか

上がるか下がるかは、これまでどれだけボットや非人間のアクセスをセッションとして数えていたかによります。Shopifyは方向を明示していません。ありうるのは次の2通りです。
| これまでの状態 | 9月21日以降の見え方 |
|---|---|
| ボットのアクセスが多く、セッションが多めに数えられていた | セッションが減り、コンバージョン率は上がって見える |
| ページビューを伴わない購買導線が数えられていなかった | セッションが増え、コンバージョン率は下がって見える |
どちらの場合も、店舗で起きていることは何も変わっていません。注文数と売上が横ばいなのにコンバージョン率だけが動いていたら、それは定義変更によるものと考えるのが自然です。
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施策の効果と、計測の変更を切り分ける手順

- まず注文数・売上・顧客数を見る。この3つは定義が変わっていない。ここが動いていなければ、店舗の実態は変わっていない
- 9月21日をまたぐ比較をやめる。前月比・前年同月比は、9月21日を含む期間ではセッション系の指標を使わない
- 比較期間を9月21日以降でそろえる。10月と11月のように、両方が新しい基準の期間どうしで比べる
- 9月21日時点の値を記録しておく。新しい基準での出発点として、セッション数とコンバージョン率を控えておくと、以後の比較が楽になる
- 施策の評価指標を、定義が変わっていないものに寄せる。「コンバージョン率が何%上がったか」ではなく「注文が何件増えたか」で見る
社内やクライアントへの報告書を作っている場合は、9月21日に縦線を入れて注記を添えるのが確実です。半年後に同じグラフを見た人が、段差を施策の成果だと誤解しなくなります。
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やってはいけないこと

| やってはいけないこと | なぜ |
|---|---|
| 9月21日前後のコンバージョン率の差を、施策の成果として報告する | 物差しが変わっただけで、店舗の実態は変わっていない可能性がある |
| コンバージョン率が下がったことを理由に、うまくいっていた施策を止める | 定義変更による見かけの低下で、有効な施策を捨てることになる |
| 過去のデータが作り直されたと考える | リリースノートは過去データの再計算について述べていない。9月21日を新しいベースラインとして扱うよう案内している |
| 注文数・売上も変わったと考える | この3つは今回の変更の対象外だと明記されている |
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AI施策を評価している場合の注意

AIレコメンドやAI接客の効果測定は、AIレコメンド機能でEC売上を上げる方法で扱ったとおりコンバージョン率やカート追加率で見ることが多い指標です。これらはいずれも今回の定義変更の影響を受けます。
9月21日をまたいでA/Bテストを走らせていた場合、期間の前半と後半で分母の作り方が違います。同一期間内での比較(同じ日に両方の群が走っている形)であれば両群に同じ影響が乗るため比較自体は成立しますが、前後期間で比べる設計だった場合は、9月21日以降でやり直すのが確実です。
検索からの流入を見ている場合は、Shopify SEO完全ガイドで扱ったSearch Console側の指標は今回の変更と無関係です。Shopifyアナリティクスの指標と混ぜずに、出所ごとに分けて読んでください。
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いつまで気にすればよいか

9月21日をまたぐ比較をしなくなれば、気にする必要はなくなります。実務上は、2026年10月以降の期間どうしで比べるようになった時点で終わりです。ただし前年同月比は2027年9月まで影響が残ります。2027年の8月・9月に前年比を出すときは、比較対象の2026年8月・9月が古い基準であることを思い出してください。
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よくある質問(FAQ)
9月21日から自社のコンバージョン率が下がりました。施策が悪かったのでしょうか?
その判断にはまだ材料が足りません。まず注文数・売上・顧客数を確認してください。この3つは今回の定義変更の対象外なので、ここが横ばいであれば店舗の実態は変わっていない可能性が高く、コンバージョン率の低下は分母であるセッションの数え方が変わったことによるものと考えられます。逆に注文数も落ちていれば、別の原因を調べる必要があります。
過去のデータは新しい基準で計算し直されますか?
Shopifyのリリースノートは過去データの再計算について述べていません。述べているのは、9月21日の前後を比較するときは新しいベースラインとして扱う、という点です。したがって9月20日以前の数値は古い基準のまま残っていると考えて、またいだ比較を避けるのが確実です。
注文数や売上も変わって見えますか?
いいえ。注文数・売上・顧客数は今回のセッション計測の更新では変わらないと明記されています。これらはセッションを分母に使わないため、影響を受けません。だからこそ、施策の評価をこの3つに寄せておくと定義変更に振り回されずに済みます。
A/Bテストの結果は無効になりますか?
テストの設計によります。同一期間内に両方の群を走らせている形であれば、両群に同じ計測変更が乗るため比較は成立します。一方、施策前の期間と施策後の期間を比べる設計で、その境目が9月21日をまたいでいる場合は、分母の作り方が前後で違うため、9月21日以降でやり直すのが確実です。
いつまでこの影響を意識すればよいですか?
9月21日をまたぐ比較をしなくなれば終わりです。実務上は2026年10月以降の期間どうしで比べるようになった時点で意識する必要はなくなります。ただし前年同月比だけは2027年9月まで影響が残るため、2027年8月・9月に前年比を出すときは比較対象が古い基準である点に注意してください。
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まとめ|分母が変わった。分子で判断する

2026年9月21日から、セッションを分母に使う指標(コンバージョン率・カート追加率・直帰率など)は新しい基準になりました。注文数・売上・顧客数は変わりません。9月21日をまたぐ比較をやめ、比較期間を9月21日以降でそろえ、施策の評価は定義が変わっていない指標で行ってください。報告書には9月21日に縦線と注記を入れておくと、後から見た人の誤解を防げます。
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