ecforceとShopifyのどちらを選ぶか — 月額ではなく標準機能の範囲で決める
月額を並べるとShopifyが安く見えますが、定期通販に必要な機能をアプリで足すと前提が変わります。標準で持っている範囲と、運用にかかる人数で比べるための整理です。

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「ecforceとShopify、どちらがいいか」は最も多い質問ですが、機能一覧を並べても決まりません。どちらも「定期購入できます」と書けるからです。
差が出るのは 何を標準で持っていて、何を足す設計か です。ここが運用の人数と、壊れやすさに直結します。
料金と仕様は改定されます。金額は2026年9月時点でecforce・Shopifyの公式ページに記載されているものです。
金額を並べても比較にならない
まず数字を出しておきます。
| ecforce スタンダード | Shopify Basic | Shopify Advanced | |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 148,000円 | なし | なし |
| 月額 | 49,800円 | 3,650円(年払い) | 44,000円(年払い) |
| 従量 | 1受注 30円 | — | — |
| 取引手数料 | — | 2% | 0.6% |
Shopifyのほうが安く見えます。ただし この行だけでは比較になっていません。
Shopifyで定期販売をするには、サブスクリプションアプリが要ります。引き上げ、ステップメール、LINE連携、レビュー、分析も、それぞれアプリを足すことになります。アプリの月額を積むと差は縮まり、さらに それらを繋いで運用する手間 が乗ります。
逆にecforceは、定期通販に必要な範囲を標準側に持っているぶん、単品を都度売るだけの店には過剰です。
標準で持っている範囲が違う
定期通販の運用で使う機能を、どちらが標準で持っているかで並べます。
| 機能 | ecforce | Shopify |
|---|---|---|
| 定期契約の管理 | 標準 | アプリ |
| 引き上げ・アップセル | 標準 | アプリ |
| セット販売・頒布会 | 標準 | アプリ/開発 |
| クレジット洗替 | 標準 | 決済・アプリ依存 |
| 再オーソリの自動化 | 標準 | アプリ依存 |
| マーケティングオートメーション | 別契約(ecforce ma。契約データを条件にそのまま使えるため連携設定は不要) | アプリ(別契約) |
| AIエージェント(文面・レポートの下書きなど) | 無償版は基本契約に含む。有償版・外部ツール連携は別契約 | 基本契約に含む(Sidekick) |
| BI・データ分析 | 受注・売上の基本分析は基本契約に含む。横断的なBIは別契約(ecforce bi) | 基本契約に含む(200種類以上のレポート) |
| 会員ランク・ポイント | 標準 | アプリ |
| LINE連携 | 標準 | アプリ |
| 多言語・多通貨 | 弱い | 標準 |
| デザインの自由度 | 型がある | 高い |
| 販売チャネルの拡張 | 弱い | 標準 |
「標準」と書いた行にも、ecforce ma・ecforce bi・ecforce AI有償版のように別契約が必要なものが混じります。 「標準連携(設定が要らない)」と「基本契約に含まれて無料」は別の話です。どの契約が要り、費用がどう分かれるかは次の章で区別します。
「アプリ」と書いた行は、できないという意味ではありません。 選定・費用・連携の検証・アップデート時の追随が、自社の仕事として増えるという意味です。
アプリが3つなら管理できます。8つを超えたあたりから、どれかのアップデートで別のどれかが壊れる状態になります。定期通販は毎日出荷が動くので、壊れた日の影響が大きい業態です。
AI・MA・BIを足すと、契約と費用はどう変わるか
「標準」という言葉は、「同じ契約データを追加設定なしで使える」ことと「追加契約なしで無料」であることの、どちらの意味にも読めてしまいます。 ecforceのAI・MA・BIは前者(連携設定が要らない)であって、後者(無料)ではありません。契約区分で分けて確認してください。
| 対象 | 基本契約に含むか | 別契約 | オプション費用 | 連携設定 | 従量料金 |
|---|---|---|---|---|---|
| ecforce本体(EC構築) | 含む | — | — | — | 受注1件につき30円 |
| ecforce AI(無償版) | 含む(ecforce契約があれば追加契約なしで利用可) | 不要 | なし(一定利用量まで。上限の数値は非公開) | 不要 | 上限超過分は非公開 |
| ecforce AI(有償版) | 含まない | 必要(ecforceまたはecforce cdpの契約が前提) | 月額費用が発生(金額は非公開、申込時に確認) | 不要(同じ管理画面) | あり(AIモデルの利用量に応じる。金額は非公開) |
| ecforce ma | 含まない | 必要(データソリューションとして別契約) | 非公開。資料請求または見積もりで確認 | 不要(ecforceの契約データをそのまま配信条件に使える) | 非公開 |
| ecforce bi | 含まない | 必要 | 非公開。資料請求または見積もりで確認 | 不要 | 非公開 |
| ecforce AIdp | 含まない | 必要 | 非公開。資料請求または見積もりで確認 | EC・店舗・広告・在庫データの連携設定が必要 | 非公開 |
| MCP接続機能(外部AIツールからecforceを操作) | 含まない | — | ecforce AI有償版の契約が前提(追加費用の記載なし) | 対応ツールとの接続設定が必要(ChatGPTアプリ・Claude Code・Cursorで動作検証済み、2026年8月時点) | 有償版の従量課金に準ずる |
(ecforce AI有償版の提供開始は2026年3月2日、MCP接続機能の提供開始は2026年8月4日。ecforce AI・ecforce AIdp・ecforce bi・ecforce maの料金は公式の料金ページでも金額が公開されておらず、資料請求か見積もりでの確認が要ります。2026年9月29日確認。)
総費用として実額で比較できるのは、ecforce本体とShopify本体の基本契約部分だけです。 ecforce ma・bi・AIdpとecforce AI有償版は、足すほど費用が増える一方で、その金額が公式サイトに出ていません。「AI・MAも入れた総費用」を出す前に、この4つの見積もりを取ってください。
Shopify側は、AIアシスタント(Sidekick)と200種類以上のレポートが基本契約に含まれます。ただしecforce maに相当する「契約データを条件にしたシナリオ配信」は標準では持っておらず、Klaviyoなどのアプリを別契約する必要があります。アプリの料金は製品ごとに違うため、比較するときはアプリ側の料金表も確認してください。
決め方
金額でも機能数でもなく、次の順で見てください。
1|定期契約が売上の何割か
ここが最も効きます。
- 定期が売上の過半 → ecforce側が噛み合う
- 都度購入が中心で、定期は選択肢の1つ → Shopify側が噛み合う
定期が主軸なら、引き上げ・解約抑止・CRMが毎日の業務になります。それが標準側にあるかどうかで、必要な人数が変わります。
2|商品点数
- 単品〜数SKU → ecforce
- カタログ型で点数が多い → Shopify
ecforceは単品リピート通販の型に最適化されています。点数が多いカタログを扱うと、型から外れる場面が増えます。
3|海外・多チャネル
- 国内に集中 → どちらでも
- 越境、多通貨、SNSやモールへの展開 → Shopify
ここはShopifyが明確に強い領域です。
4|デザインをどこまで作り込むか
- 標準の型で回したい → ecforce
- 表現でブランドを作る → Shopify
5|運用に何人使えるか
人が少ないほど、標準で揃っている側が効きます。 アプリの組み合わせは自由度と引き換えに、選定と保守の担当者を必要とします。
判断が割れたときは
上の5つで結論が割れることがあります。その場合は次のように考えてください。
「定期が主軸か」を最優先にする。 ここが Yes なら、他が Shopify 寄りでも ecforce を軸に検討する価値があります。定期通販の運用工数は、他の要素より重いためです。
両方を試す。 どちらもデモを出せます。自社の業務フロー(申込み→初回出荷→引き上げ→変更→解約→再開)を、実際に画面で通してください。資料では差が見えません。
出口を確認する。 将来乗り換える可能性があるなら、契約データとカードのトークンを引き継げるかを契約前に聞いてください。カードの再登録が必要な移行は、実質的に全顧客に一度解約してもらうのと同じです。
途中で乗り換えるコスト
Shopifyで始めて、定期が伸びてからecforceへ移る選択もあります。実際に多い経路です。
ただし移行には費用と期間がかかります。ecforceには移行プラン(月額99,800円、初期費用は見積もり)があり、初期費用が個別なのは既存環境で作業量が変わるためです。
移行で重いのは、システムよりも 契約データとカードのトークン です。ここを引き継げないと、顧客に再登録をお願いすることになり、その時点で一定数が離れます。
移行の論点はecforce構築の進め方にまとめました。
よくある質問
Q. Shopifyでは定期販売はできないのですか
できます。サブスクリプションアプリを入れる形です。定期が売上の一部なら十分に回ります。分かれるのは、定期が主軸になり、引き上げやCRMが毎日の業務になったときです。
Q. 結局どちらが安いですか
件数と、必要な機能の範囲で変わります。Shopifyは月額が低い代わりに取引手数料とアプリ費用が乗り、ecforceは月額が高い代わりに標準の範囲が広く受注ごとに30円がかかります。12か月後の想定件数で両方を試算してください。
Q. ecforce maやecforce AIは無料で使えますか
一律には言えません。ecforce AIは基本機能を一定の利用量までは無料で使えますが、上限を超えたり有償版の機能(AIエージェントのカスタマイズ、外部AIツールとのMCP接続など)を使う場合は別契約・従量課金になります。ecforce ma・ecforce biはecforceの契約データと連携設定なしで使える点は標準ですが、契約自体はecforce本体とは別で、料金は非公開です。資料請求か見積もりで確認してください。
Q. ecforceは小規模でも使えますか
スタンダードプランは月2,000件までを想定した設計です。最低利用期間が1年あるため、定期が主軸になる見込みがあるかどうかで判断することになります。
Q. アプリをたくさん入れると何が問題になりますか
連携部分が壊れやすくなります。個々のアプリは正常でも、アップデートの組み合わせで想定と違う動きになることがあります。定期通販は毎日出荷が動くため、止まった日の影響が大きくなります。
Q. 比較表はどう作ればいいですか
「できる/できない」ではなく、標準機能か・オプション費用か・開発が必要かの3段階で聞いてください。同じ「できる」でも実際のコストが桁違いになります。定期通販カートの比較で見る8つの観点に質問の形でまとめています。


