2021.8.23

2021.8.28

【越境EC担当者必見!】中国越境ECと市場規模と特徴について

【越境EC担当者必見!】中国越境ECと市場規模と特徴について

日本国内でのEC市場の発展をよく耳にしますが、世界的規模でいうとまだまだ先進国とは言えません。今回は、世界の中でも一番規模の大きい市場を持つ中国のECについてお話をしていきたいと思います。

中国越境ECの概要

中国の越境EC市場は世界で最大となっています。実際に2020年からのEC市場の成長率は20%を超えており、世界でも最大の伸び率となっています。2020年でのEC市場規模は、中国が118兆円超、アメリカは45兆円超、日本は11兆円超となっており、圧倒的な市場の規模を示しています。そして越境ECの市場規模では、中国は3兆6,652億円、日本は3,175億円超、アメリカは1兆5,570億円超となっており、越境EC市場でも中国はとても大きな規模であることがわかります。

また、中国の市場は独自の路線での発展をしており、この世界最大のマーケットを掴むためにはその特徴を知っておく必要があります。

国内ECモールが圧倒的に独占している

主に越境ECのタイプとして3つのタイプがあり、ひとつは総合的に商品を販売しているモールがあります。こちらは消費者の信頼を持っており、集客力に優れています。しかし、競争も激しいこともあり、中国法人等の協力が必要ともいえます。ふたつめは特売を主としているものです。こちらは低価格を前面とした集客に特化しています。その他にはコミュニティーアプリの利用者からの消費をターゲットとしたものがあります。

この中国のECの大きな特徴は、国内ECモールがほぼ独占状態であるということです。国内ECモールの代表的なものは「天猫(T-Mall)」と「京東商城(JD.com)」となっています。「天猫」はアリババグループが運営しており、中国国内のEC取引の半数以上を占めているといわれています。国内での知名度はとても高いといえるでしょう。国内ECモールでの取引が盛んであるため、自社サイトでの集客は期待がもてません。ECモールへ出店することが一番の集客といえます。

そして、11/11は中国では「独身の日」といって、ECのセールがおこなわれています。その一日だけでの消費がとても高く大変な盛り上がりをみせます。

決済はアリババグループの「アリペイ」やテンセントの「ウィーチャットペイ」が主流となっており、中国からの消費を求めるのであれば利用可能とする必要があります。

インフルエンサーマーケティングが盛んとなっている。

それから、中国ECサイトでのマーケティングにはインフルエンサーを利用したマーケティングがとても多いことも特徴としてあります。インフルエンサーには、ファンであるフォロワーがたくさんおり、インフルエンサーが商品を紹介することでフォロワーからの商品の購入が多く認められています。このマーケティングは日本でもおこなわれていますが、中国ではインフルエンサーが動画やライブ配信によるライブコマースを積極的に利用してプロモーションをしていて、日本よりもはるかに発展していることと、市場規模自体が大きいこともあり、その影響力は絶大なものとなっています。

関税に二つのモデルがある

中国越境ECの関税には「直送モデル」と「保税区モデル」いうものがあります。購入者が日本から直接購入した商品を輸入する取引の形(直送モデル)と中国国内の倉庫で一度保管をしてから配送をする形(保税区モデル)となっており、どちらか選択をしなければなりません。直送モデルは日本から発送するので発注からお届けまでの時間と税関でかかる時間を考慮しなくてはなりません。保税区モデルは商品のお届けまでの時間は短くすることは可能となりますが、商品を倉庫で保管する保管料が別途必要となります。税率という面で保税区モデルの方がコストを抑えられる可能性もありますし、配送する商品の量によってもコストダウンをはかることができることもありますので、こちらは販売していく戦略に応じて考慮する必要があります。

中国越境ECに参入する方法

中国越境EC市場に参入するためには、いくつかの方法があります。

まず、中国越境EC事業者にECサイトの業務委託をして中国越境ECモールに出店する方法です。しかしモールに出店するためには、まず中国に法人を持っていないと出店することができません。中国法人の協力がある程度なければ実現することが難しいと思われます。中国法人を設立することが可能である場合、法人があればモールへの出店準備はスムーズとなるでしょう。自社にて出店、運営をしていくことも可能です。または、EC事業者への依頼をして協力しながら運営していくこともできます。その場合の依頼方法は、運営のみの代行依頼であったり、販売権を取得して運営をおこなっていく形であったり、運営自体も依頼したりと事業者によりさまざまとなっています。自社において、言語や文化の問題や、規制に関して情報を収集、解析、対応のできる人員を準備できるのであれば、問題はありませんが、中国法人またはEC事業者の協力があったほうがいい場合もありますので、自社での対応可能な範囲というものを調査しておくべきでしょう。その場合には契約によってコストがかかる場合もありますし、パートナー企業となった中国法人によっては実績を残せない可能性もあります。信頼できる企業に協力してもらうことも考えなくてはなりません。

次に、自社で越境ECサイトを構築する方法もあります。こちらは、モールに出店するのではなく、国内のECサイトを構築するように制作していけば開設は可能となっています。しかし、言語対応や規制面での問題をクリアしていく必要がありますので、こちらも自社での対応が可能なのか確認すべきですし、必要となれば中国EC事業者等の協力を仰ぐ必要があります。

その他に、個人オークションサイトに出品するという方法もあります。中国での個人オークションで代表的なものに「タオパオ」というものがあります。この方法であれば、中国での法人の設立は必須要件となっていませんので、日本法人からの出店が可能です。しかしながら、成果という面でかなり難航する可能性もあります。また、こちらにおいても言語の問題をクリアする必要があるのと決済方法を中国で主要なアリペイなどを可能としておく必要がありますので、中国法人等の協力が必要となってくるでしょう。

日本の事業者が出店しやすい中国ECモールをご紹介

ここでは中国でのECモールについてお話していきます。中国のECモールの大手には、「T mal Global」(天猫国際)や「JD,world wide」、「kaola.com」、「京東商城」というものがあります。

「T mal Global」(天猫国際)

「T mal Global」(天猫国際)は中国大手のIT企業アリババグループが運営しているECモールです。アリババグループは中国のECモールでは50%以上のシェアを誇っています。元々は、CtoCのECサイトである「タオパオ」を運営していましたが、BtoCの越境ECとして「T mal Global」(天猫国際)を開設し、一気に成長して今の地位を築いています。こちらは中国法人を設立していなくても出店が可能となっています。それからプラットフォームパートナーとの契約をすることによって、運営の一部または全てを委託しながらの運営もすることができます。

こちらは、中国のモール最大手とあって集客力にメリットがある他、越境EC出店のしやすさがありますが、顧客データを活用できないことや消費者との接触が不可能であったりといったデメリットもあります。消費の多い商品は美容関係や健康に関する商品となっています。

「JD,world wide」(京東国際)、「JD.com」(京東商城)

中国越境ECモールでのシェア第二位でとなっている「京東」(ジンドン)はテンセントグループの企業です。中国国内向けに「JD.com」(京東商城)を開設し、越境ECとして「JD,world wide」(京東国際)も運営しています。こちらは家電の販売が初めであったため中国では家電量販店のイメージとなっているようです。人気商品は家電が多く、美容関係商品も売れ筋となっています。配送面では、ヤマトグローバルロジスティクスジャパンとの業務提携により、配送時間の大幅な短縮が可能となっています。

「kaola.com」

「kaola.com」(コアラ)は2019年にアリババグループに買収されていますが、独立したブランドとして運営しており、シェア率はアリババグループ内で「T mal Global」(天猫国際)と「kaola.com」(コアラ)とで約半分ずつを分け合っている形となっています。コアラの大きな特徴は、越境EC保税用倉庫の面積が中国で最大となっていることです。そのため配送にかかる時間を少なくすることが可能となっています。

中国越境EC事業成功のポイント

中国での越境ECの運営を成功させるためには、いくつかのポイントがあります。

ひとつに、国内ECモールが大きいという特徴から、出店をモールに出すということです。先ほどもお伝えしましたが、中国での越境EC市場の多くはモールの独占となっています。市場のシェア率から考えるとモールに出店することが優位となります。

ふたつめに、ECサイト内で取り組むべきポイントをおさえることです。モール内でのECサイトの競争率は高めとなっています。消費者の印象に残るECサイトの構築が必須となります。サイト内のリスティング広告の活用をしてみたり、商品のページの説明を写真や動画を利用するなど充実させましょう。中国の方はトレンドを意識されている傾向がありますので、流行していることを示すキーワードを載せるなど工夫してみることも必要です。

また、口コミや評価も大事となってきますので、問い合わせへの返信は速やかに丁寧におこなうことが大事となります。

それから、SNSやライブ配信(ライブコマース)を利用したインフルエンサーマーケティングが中国では多くおこなわれているため、サイト内外でのインフルエンサーによるライブ配信を利用した商品の説明などの情報発信を積極的におこなうことも重要です。セールの時には特に影響が大きくでるため準備をした方がいいでしょう。また、サイト外では「微信」(WeChat)や「微博」(Weibo)、「TikTok」などからの発信も大きく影響を受けます。これらの投稿によりサイトへの誘導をおこなうことで売上貢献へと繋がっていきますので、積極的におこなっていきましょう。その場合には、商品のターゲットの年代と宣伝をおこなうSNSの利用者年代が合致していなければなりません。事前にSNSの調査をおこなったうえで絞って発信をしたほうが効果的となります。

中国越境ECに関する法律を解説

続いて、中国での規制についてお話していきます。

まず、2019年に政府による越境ECについての制度が改定となり、取り扱いの認められている商品のリスト「越境 EC 小売輸入商品リスト」(ポジティブリスト)があり、更新され2020年から適用となっています。販売したい商品がこのポジティブリストに載っているか事前に確認する必要があります。リストの項目は1,413点となっており、食品や化粧品などが記載されています。

次に、越境ECの取引は優遇税制があり、税率が一般の貿易よりも低くなっています。しかし優遇されるには限度額が決められており、2019年以前は一回につき1,000元までとなっていましたが、2020年には一回につき5,000元まで、年間では26,000元までと改正されています。限度額を超えてしまっても取引は可能ですが、その場合は一般の貿易と同じ税率が適用されます。

それから、中国でEC事業をおこなう事業者の経営者は、すべて法人などの登記をしたり、税務登記をしたりしなくてはならないという電子商取引法という法律があり、違反した場合には罰金最高50万元(日本円で約800万円)を請求される可能性があると定められています。対象となるのは中国のECモールへの出店や中国で法人を設立し越境ECサイトを運営する場合となっていますので、ご注意ください。日本で中国向けに越境ECサイトを運営するには対象とはなりません。

また、中国で越境ECサイトを運営する場合には管轄の税関に登録をしなくてはならないと小売輸出入商品監督管理に関する広告という規定があります。対象は、ECサイトの運営事業者だけではなく、物流事業者や決済システム事業者など関連するすべての事業者とされており、関係する事業者すべてを把握しておかなければなりませんので、ご注意ください。詳細は、商品を販売するECサイト運営業者、物流業者などの情報をすべて税関に登録しなければなりません。

広告を出す際には、中国には広告法という法律があり、禁止項目が定められています。詳細としては、「一番」や「最高級」「最良」といった言葉の禁止、健康食品や医薬品であれば安全性を断言する表現や保証するような表現などとなっています。

中国越境ECは事前の情報収集がカギ

コロナ禍となりインバウンド効果が望めなくなった現在、越境ECサイトは、買いたいときにいつでも買うことができるため、これからも需要があるといえます。市場規模ももっと拡大していくことでしょう。そんななかで今現在わかる情報をもとにこれからを予測していくとこの中国の市場というものは、分母が大きい分、掴むことができたら大きな利益をもたらす可能性がある絶好の機会となります。

中国での越境ECを始めるためには事前に知っておかなくてはならない規制がいくつかありました。まずは、現地法人を設立すべきかどうかです。それは、どのような商品をどのように販売していくかのコンセプトが固まっていることも必要となります。また、ポジティブリストに載っている商品しか越境ECでは取り扱いができませんので、ポジティブリストの確認も必要となります。それから、現地法人の協力も必要となってくることでしょう。そのようなビジョンを持ったうえで運営をおこなっていくことが可能かどうか判断する必要があります。また、物流体制も直送モデルや保税区モデルといった独特な形式をもっていますので、消費者に対して商品をどのくらいの時間で届けることができるのかということも検討しなくてはなりません。食品に関しては、東日本大震災の後に日本の食品に対して規制を新たに設けていますので、そちらの確認も必要となります。また、越境EC税制による関税などの優遇措置を超えてしまった場合、一般貿易での税率となりますので、中国の貿易の税率についても調べていただく必要があります。

このように、中国での越境ECを始める際には事前に確認すべきことがたくさんあります。

外国の方を相手にしますので、言語といった文化についても、もちろん事前に確認しておく必要があります。自社での調査チームをぜひ集めてチームでまず検討し準備をする必要があります。

まとめ:【越境EC担当者必見!】中国越境ECと市場規模と特徴について

さて、今回は中国の越境ECについてお話してきました。世界で最大の市場をもっていますので、この市場を狙っていくのはいかがでしょうか。概要や出店方法、成功のポイントにも触れてきましたので、特徴を掴んで出店への順序を踏んでいけば参入することは難しくはありません。新型コロナウイルス感染症の蔓延のため、海外旅行者からの消費が激減してしまっている今となっては、越境ECサイトでの売上が頼りとなります。この機会に是非ご準備してみてはどうでしょうか。

Shopify experts(エキスパート)ならShopi Lab

監修者
木村太一
木村太一

木村太一 越境(海外)マーケティング・動画クリエイター

2021年6月より越境マーケティングをさらに強化するため、アメリカ ロサンゼルスにて駐在。以前はフィリピンに約3年滞在し、留学・現地学校での勤務・現地就職を経験。海外歴は計5年程。主にコンテンツ作成やマーケティングを担当し、現在は登録者30万人のYoutuberのマネージメントも手掛ける。内閣府認証 留学協会認定カウンセラーとしても活動中。留学協会・大阪支部長代理。

この監修者の記事一覧

あなたにおすすめの記事

よく読まれている記事

この記事を見た人はこんな記事も見ています

お問い合わせ

Shopi Lab(ショピラボ)

Shopi Lab(ショピラボ)をご覧のみなさまへ

Shopi Lab(ショピラボ)では、Shopifyのアプリや構築制作方法、運用マーケティング手段についてはもちろん、自社のECサイトを構築・運用する上で必要な情報を紹介しております。現在日本では開発業者の数が少ないため、検索しても役立つ情報が少ないことが現状です。そのためShopi Lab(ショピラボ)では、今後Shopifyの導入を検討している企業担当者様へ向けて、正確な役立つ情報を発信して行くことを心掛けております。 企業担当者様については、Shopify導入に対してご不明点や懸念事項がございましたら、お問い合わせ窓口よりお気軽にお問い合わせください。 また他カートをご利用中でShopifyへの乗り換えをご検討中の企業様についても、ご支援が可能でございます。世界シェアNo.1のECプラットフォームが日本で展開を初めて2年が経ちましたが、Shopi Lab(ショピラボ)ではさらにShopifyの魅力を発信していきます。