2021.1.7

中国・台湾に出店できる!楽天市場から越境ECを展開する方法を解説

近年、新しいEC市場として大変注目されている越境EC。世界の企業だけでなく、日本の企業や事業者も新しい販路開拓の魅力的な手段として活用し始めています。

日本の巨大ECモールとなっている楽天市場もそのひとつで、海外に向けた越境ECのプラットフォームを運営するなど、さまざまな支援サービスを提供しています。

今回は、そんな楽天市場から越境ECを展開する方法を解説していきます。

越境ECの構築手段

まず、越境ECの構築手段はどのような方法があるのでしょうか?

「国内ECモールの海外版がいいのか」「海外のECモールを利用した方が良いのか」ECモールを利用すると決めても、そこからさらに「どのECモールを選べばいいのか」などと迷うポイントは多いはずです。

このように越境ECの始め方はさまざまですが、構築方法には大きく分けて下記の4つの方法があります。

  1. 日本国内に自社の越境ECサイトを構築する
  2. 日本国内にある越境ECのプラットフォームに出店する
  3. 海外のECプラットフォームに出店する
  4. 海外で自社サイトを構築する

ここでは、越境ECの始め方を各方法ごとに簡単にご紹介するので、越境ECを選ぶときの参考にしてみてください。

①国内に自社の越境ECサイトを構築する

ひとつめは、日本国内に自社の越境ECサイトを構築する方法です。

これは自社サイトを一から構築する方法で、海外モールに出店する方法と比べると、余計な契約料や決済手数料などがかからず、プラットフォームを利用するよりも利益を得やすいことが特徴です。

また、一度自社サイトを作ってしまえば、プラットフォームに依存することなく自社ならではの経営戦略を練ることができるし、ECサイト自体が資産となります。

しかし、モール型のように勝手に集客をしてくれるわけではないため、集客方法に力を入れる必要があるというデメリットもあります。

軌道に乗るまでコストや時間はかかりますが、その分利益率が高く、プロモーション戦略を独自に立てられるため長期的に見るとメリットがあるといえます。

②国内にある越境ECのプラットフォームに出店する

2つめは、日本国内にある越境ECに対応したプラットフォーム(楽天・Amazon・Qoo10など)へ出店する方法です。

こちらは、今回ご紹介する4つの方法の中で一番難易度が低く、初心者でも越境ECを構築しやすい方法です。

たとえば、楽天市場の場合、「海外販売機能の利用」の申し込みが完了するだけで、日本語版ページからの自動翻訳で「外国語版の商品掲載ページ」を自動的に生成してくれます。

楽天の出店しているモール内で海外販売機能の申し込みをするだけでいいので、何か特別なことをする必要はなく、知識があまりないショップオーナーも気軽に越境ECを始められるところが特徴です。

ただし、すでに日本でECショップを出店している店舗が対象となり、海外の消費者に向けて販売ページを別で用意していきます。

このように、越境EC対して全く知識がなくても、さまざまなサポートを受けることができるためノウハウがない事業者も簡単に海外販売が行いやすいといえます。

③海外のECプラットフォームに出店する

3つめは、海外のECプラットフォームに出店する方法です。たとえば中国の「Tmall (天猫)」のような巨大ECモールに出店し、日本の商品を販売していきます。

海外で有名なECモールに出店する方法なので、すでに海外消費者の集客力がありモールの信頼度が高いため、商品が売れるための基盤が出来上がっていることが特徴です。

ただし、モールに出店するには販売国での書類手続きや審査があったり、出店手数料・販売手数料がかかってしまったりする点はデメリットといえるでしょう。

また、商品内容の翻訳・カスタマーサポート・海外発送手続きは自社で実施しなければならないといった様々な点も必要となります。そのため、初めて越境ECを行う事業者にはややハードルが高い構築方法です。

④海外現地に自社独自のECサイトを構築する

4つめは、海外現地に自社独自のECサイトを構築する方法です。

商品のターゲットを海外現地にしぼって販売を展開したい場合に効果的です。たとえば、中国にサイトを構築することができれば、中国のユーザー視点で見ると中国の会社と同じように見えます。

しかし、現地でサイトを運営する際は進出国の商習慣や法律に合わせたサポートやオペレーションなどすべて自社で行わなければならないので、かなりの現地対応力が必要とされます。そのたま一番難易度が高い方法です。

越境EC構築手段のなかでは、ほぼ実践している人がいないくらい再現性が低い方法です。

楽天市場での越境EC出店の流れ

この項目では、先ほど紹介した「国内にある越境ECのプラットフォームに出店する」方法をもう少し具体的に紹介します。その中でも「楽天市場から越境ECを展開する流れ」について解説していきます。

楽天市場は「Rakuten Global Market(楽天グローバルマーケット)」「海外パートナー旗艦店」「楽天グローバルエクスプレス」という3つの越境ECサービスを展開しています。

では、それぞれのサービス内容を順番に解説していきます。

楽天グローバルエクスプレス

楽天グローバルエクスプレスは、海外のユーザー向けの海外配送サービスです。楽天市場やその他の日本のECサイトで購入した商品を、一度日本国内の倉庫でまとめて海外に発送していきます。

「複数ショップで購入商品をひとつにまとめて送料を節約したい」「海外配送に対応していない日本の商品を購入したい」と希望している海外のユーザーに便利な配送サービスといえます。

楽天グローバルエクスプレスは、配送サービスのみのサービスとなっています。越境ECを考える事業者にとって特に関心が高いのが、次にお伝えする「海外パートナー旗艦店」と「楽天グローバルマーケット」でしょう。

この2つのサービスについて詳しく解説していきます。

海外パートナー旗艦店

海外パートナー旗艦店は、楽天市場が海外のECモールに出店している店舗のことです。たとえば、中国では「京東(JD.COM)」と戦略提携をむすぶなどの展開をしています。

こちらは、楽天が日本のブランドやメーカーなどから高品質な日本の商品を買い取り、それを中国ECモール上(JD.COM)の店舗で中国ユーザーへ向けて商品を販売しています。取扱商品は、化粧品・家電・お菓子・健康食品などを中心に今後も拡大中です。

日本製の商品は、日本に訪れて買い物する人がいるくらい中国人から高い人気を獲得しています。近年では、中国人のECサイトでの購入が増え、日本で爆買いをしなくても簡単にECサイト上で日本の商品が購入できるようになりました。

「JD Worldwide」や「Kaola.com」に楽天市場の旗艦店が出店することで、中国や韓国での販売を強化しています。

楽天グローバルマーケット

「Rakuten Global Market(楽天グローバルマーケット)」は、楽天の越境ECの取り組みの中心となっており、2019年に10周年を迎えました。こちらは、外国語版の楽天市場です。

楽天グローバルマーケットは、楽天の越境ECの取り組みの中心となっており、日本の楽天市場に出店している事業者であれば無料で海外へ向けて商品を販売することができるECプラットフォームです。追加の固定費用無しで、このサービスを利用することができます。

越境ECのハードルとなりやすい言語は自動翻訳され、決済・物流についても楽天が支援してくれる機能やサービスを備えていることが特徴です。

楽天グローバルマーケットを利用すると、越境ECの壁となりやすい「言語」「決済」の問題がいきなり解決できるというメリットがあります。

しかし残念なことに、この楽天グローバルマーケットは2020年6月末で終了となってしまいました。

グローバルマーケット撤退に関する情報

楽天は2020年4月、越境ECプラットフォーム「Rakuten Global Market(楽天グローバルマーケット)」を6月末で終了すると店舗向けに発表しました。

先ほどお伝えしたように、楽天グローバルマーケットとは楽天に出店しているショップが販売している商品を海外から購入できるサービスで、手軽に越境ECを始められる構築方法でした。

「楽天グローバルマーケット」のサービスを終了する理由については、新型コロナウイルスの影響があるようですが、より成長性の高い事業に注力するためだといいます。

楽天における越境ECの勢いが弱まったわけではありませんが、初心者でも簡単に越境ECを始めることができていたサービスが終了したことは、今後の越境EC市場に大きな影響があるでしょう。

ただし、楽天による越境ECサービス自体がすべて終了するわけではないので、安心してください。

越境EC楽天の今後の流れ

今後の越境ECでの楽天の施策としては、「海外パートナー旗艦店」事業を強化していき、中国や台湾以外のさまざまな海外モールと楽天が戦略提携し国内の商品を海外へ販売していく予定です。

海外パートナー旗艦店は、今後の成長性が高いため、中国や台湾に出店したいと考えている事業者にとっては魅力的な越境EC構築方法のひとつです。

ただしこの販売方法は、日本国内の楽天市場へ出店していれば、海外パートナー旗艦店へ自動的に出品できるという仕組みではないようです。

中国・台湾の越境ECモールで出店強化をしている

海外パートナー旗艦店は、国内のブランドやメーカーなどから楽天が商品を買い取り、それを海外ECモールの楽天店舗で販売する形態です。

海外パートナー旗艦店の成功例としては、中国の大手ECサイト「JD Worldwide」で、日本の鍋つゆ・鍋スープなどを、日本語をあしらって日本らしさが伝わるページデザインにしたところ大変好調な売れ行きを記録しました。

参考:https://ecnomikata.com/original_news/24591/&sa=D&ust=1604918137981000&usg=AOvVaw1hqr95-_vCMZVZNeiLNeIc

中国では、11月11日の独身の日(天猫での巨大セール)以外にも、季節ごとに大型のセールが開催されています。楽天では、このセールのタイミングに合わせてSNSへのコンテンツ配信や、影響力のあるKOLの起用などをして販売力を高めています。

さらに、中国以外にも台湾の大手ECモール「PChome」にも「台湾楽天市場」を運営しており、台湾のユーザーに向けて販売し日本と台湾間での越境ECの強化に取り組んでいます。

楽天が中国・台湾など越境ECを支援する理由

楽天が10年以上前から越境ECに取り組んでき理由には、「海外ユーザーのトレンドの変化」と「店舗の悩み」がありました。

近年は、海外のユーザーのニーズが変化しており、わざわざ来日することなく現地のECサイトで、日本の商品を購入したいというニーズが高くなっています。日本製に対する信頼と人気は変わらず高いため、越境ECは今後もどんどん伸びる傾向にあります。

また、日本の楽天市場に出店している店舗は、越境ECに関心はあるけれどなかなか踏み出せないといった事業者が多かったようです。

この「海外ユーザーのトレンドの変化」と「店舗の悩み」の2つの需要をうまく掛け合わせたのが、初心者でも簡単に越境ECが始められる「楽天グローバルマーケット」などのサービスでした。

楽天では、こういった背景により、海外で商品を販売するための体制を構築していきました。海外のパートナーをひとつずつ増やしながら、越境ECを積み重ねてきた実績があるのです。

楽天の中国オフィス

楽天は、中国市場に合わせた現地の肌感覚をもったマーケティングプランを考える体制ができており、上海のオフィスには約30人ほどの現地スタッフが在籍しています。

また、近年の中国ではSNSやライブ配信アプリなどを活用したインフルエンサーマーケティングが活発に行われています。

楽天もSNSに対応するため、ライブ配信やSNSで影響力をもつKOL(中国のインフルエンサー)と直接の契約をしており、通常よりも大幅に費用を抑えたKOLの起用をすることができます。

海外で日本製の商品が売れるようになると、その販売動向などをもとに、その国の実績と知見を積み重ねることできるので、今後も楽天での越境ECが拡大することが期待できるでしょう。

まとめ

これから越境ECをするうえで、中国や台湾は重要な候補地の一つだといえます。

楽天グローバルマーケットは終了してしまいましたが、海外パートナー旗艦店の中国・台湾の越境EC強化に期待したいところです。

越境ECを成功させるために中国や台湾への越境ECを検討している方は、ぜひこの記事を参考にして、楽天市場から越境ECを展開する方法を選択肢のひとつに入れてみてください。

監修者
木村太一
木村太一

木村太一 マーケティング・動画クリエイター

フィリピンに約3年滞在し、留学・現地学校での勤務・現地就職を経験。海外歴は計5年程。主にコンテンツ作成やマーケティングを担当し、現在は登録者30万人のYoutuberのマネージメントも手掛ける。内閣府認証 留学協会認定カウンセラーとしても活動中。留学協会・大阪支部長代理。

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