2020.12.13

2021.8.23

越境ECサイトを活用した日本酒の各国別販売方法と成功事例を解説

越境ECサイトを活用した日本酒の各国別販売方法と成功事例を解説

海外では日本酒が大変人気で、日本酒の輸出が年々増加し続けています。

しかし、越境ECで日本のお酒を販売するには「免許や規制」など、それぞれの国に合わせた対応が必要となります。

今回は、「越境ECサイトを活用した日本酒の各国別販売方法」などを解説していきます。日本酒販売で成功した事例も合わせてご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

越境EC市場に関する情報

越境ECは、中国などアジアを中心に世界的に拡大しています。

国税庁課税部酒税課が発行した「酒のしおり(平成30年3月)」によると、10年連続で過去最高の輸出金額を更新しており、2019年の日本産酒類輸出金額は約661億円を記録しています。
残念ながら日本国内でのお酒の需要は、健康志向などを背景に年々減少し続けています。しかし、海外では「健康志向からの日本食ブーム」がきっかけで、日本酒などのお酒が海外の市場で増加傾向にあります。
海外で特に人気なのが日本酒で、他にもビールやウイスキーなどもよく飲まれているようです。
越境ECでは「お酒の輸出に需要がある」ということが分かれば、すぐにでも販売を開始したいところですよね。しかし、お酒の輸出には確認しておくべき「免許や規制」が存在しています。
酒類の輸出での注意点を確認していきましょう。

越境ECでの酒類輸出で必要な免許

越境ECのお酒販売で必要な免許は、以下の2つです。お酒の無免許販売は違法となってしまうので、注意しましょう。
・輸出酒類卸売業免許
・通信販売酒類小売業免許
まず、お酒を輸出する際には、「輸出酒類卸売業免許」という免許が必要となります。これは相手国の卸売業者・小売店などへの販売を前提とした免許です。
また、インターネットを利用した越境ECで海外の消費者にお酒を販売する場合は、「輸出酒類卸売業免許」ではなく、「通信販売酒類小売業免許」が必要になります。
この免許の必要書類の取得にかかる費用は約6,000円ほどですが、審査に通った場合は税務署で免許を受け取る時に30,000円を支払います。
「通信販売酒類小売業免許」は国内販売を想定したものですが、海外の飲食店や一般消費者に直接販売するための「一般酒類小売業免許」を求められる場合もあるようです。
こちらは税務署によっても判断が異なりますので、正確な情報についてはそれぞれの税務署で個別確認をしましょう。
海外の取引先によっては「輸出酒類卸売業免許」がないと取引に応じてくれないところもあるようなので、そのあたりも確認が必要になります。

輸出先国の規制や法律

続いて、ECによる輸出先国の規制や法律への準備に関してです。

東日本大震災以降、日本からの食品輸出には規制がかけられているため、お酒にも「規制対象ではないか」という確認が必要となりました。もし規制対象であった場合、輸出できる産地や安全を証明するための書類が必要です。

ヨーロッパ(フランス・イギリス・ドイツ)

フランス・イギリスは、「消費者保護(遠距離取引)規制」により、クーリングオフ期間が定められています。商品到着後14日間以内であれば、購入者はどんな理由でも注文を取り消すことができます。

また、消費者には「注文されてから30日間以内」に注文商品を届けなければなりません。(特別な合意がない場合)
フランスは、ECサイトでのアルコールの販売をする際、「アルコール販売ライセンス」が必要です。
ドイツは、有機食品として販売する場合、ドイツでの認可と登録をしなければなりません。オーガニックワインなどを輸出する際には注意が必要です。

アジア諸国(中国・韓国)

2018年以降、日本から中国への「ビール」は越境ECでの販売は許可がおりていません。ちなみに、梅酒や日本酒などの販売は許可されています。
韓国では、基本的にはお酒の輸入などは禁じられています。輸入酒類も韓国産酒類も、お酒全般は必ず1次問屋を通さなければいけません。そのため、日本のお酒を韓国の飲食店(一般消費者)などに輸出することはできないのです。
このように、各国によって規制や法律がそれぞれに違うため、対象国の最新情報を確認するすることをオススメします。

酒税の免税について

通常は、日本国内でのお酒の流通には「酒税」が徴収されます。しかし、海外へ輸出する場合は「酒税の輸出免税」が適用されます。

適用要件としては「製造者自らが輸出する場合」「製造者が許可を受けた輸出業者の蔵置場に移出して輸出される場合」などです。

外国に輸出したという明細を書類に記載し、税務署に提出すれば免税となります。

日本酒の各国別販売方法:ヨーロッパへの輸出

ヨーロッパは、上位のアメリカや中国と比べると、まだ輸出量も少ないのが現状です。ただし、地理的表示(GI)という制度のおかげで、日本酒などのブランド価値向上がおき、これからさらにシェアを伸ばしていく可能性があります。

※GIとは地域ブランド。気候や風土などと結びついた伝統的な製法によってつくられる産品を保護する制度のことです。

では、それぞれの国別にお勧めの越境ECサイトを紹介していきます。

フランス

【Cdiscount(シーディスカウント)】

フランス最大のECモールはCdiscount(シーディスカウント)と言われており、アマゾンにつぎ、2番目の規模となっています。

フランスで小売チェーンを所有する大手小売会社カジノグループの子会社で、購入者はフランス国内の1万8千箇所以上で注文した商品を受け取ることができます。また、出店手続きはWeb上で行うことができます。

Cdiscount出店手続きはこちらから

公式サイト:Cdiscount

【Satsuki(さつき)】

フランスリヨンにある日本食品店の日本人が経営しているオンラインサイトです。

他のフランスサイトでは見かけないような、珍しい日本の地ビールなども取り扱っています。また、日本語での問い合わせ可能です。

出店手続きは以下の問い合わせ先から行います。

Satsuki問い合わせはこちらから

公式サイト:Satsuki

【Kioko(京子食品)】

京子食品はパリで1972年に創業されてた老舗日本食品店です。
日本食レストランからの注文が8割を占めていますが、日本食のレストラン以外でもヨーロッパ内のレストランやフランス人の購入者も多いようです。
サイトが完全日本語対応で、お問い合わせも日本語対応となっているため安心です。

出店手続きはKioko問い合わせから

公式サイト:Kioko

イギリス

【Amazon.uk(イギリスアマゾン)】

イギリスは世界第5位のEC大国です。総人口約6,500万人の半数がECサイトを利用しており、イギリスアマゾンは、ヨーロッパで一番利用されているとも言われるECサイトです。
Amazon.ukで検索すると、日本酒はもちろん、梅酒やウイスキーなどの日本のお酒の品揃えが多くリーズナブルな価格で販売されています。
Amazon FBA (Amazon独自の物流サービスの倉庫)に商品を送っておくと、ヨーロッパ各国(イギリス・フランス・イタリア・ドイツ・スペイン・ポーランド)へ自動的に商品を配送することが可能です。
Amazon.uk(イギリスアマゾン)への出店手続きは、ウェブ上で簡単に行うことができます。

Amazon出店手続きはこちらから

公式サイト:Amazon.uk

【ebay(イーベイ)】

イーベイは、Amazonと同じくアメリカ発の世界最大のインターネットオークションサイトです。Amazonに続いて人気が高いのが、イギリスのebay.co.ukです。
しかしebayでは、一般的にはお酒類を出品することが認められていないため、今のところebayでのお酒販売は諦めなくてはなりません。
イーベイでお酒の販売ができるよう今後に期待したいところです。

公式サイト:ebay

【Japancentre(ジャパンセンター)】

ジャパンセンターは、日本の商品専門のECサイトです。
日本のお酒も取り扱っており、ヨーロッパなどの国からの注文にも対応しています。出店方法については、問い合わせ先に確認が必要です。

Japancentre問い合わせ

公式サイト:Japancentre

【Japan foods(ジャパンフーズ)】

ジャパンセンターと同じく日本商品の専門ECサイトです。
日本酒や焼酎を中心に日本のお酒を扱っており、品揃えはヨーロッパ最大級となっています。こちらもヨーロッパ各国への配送が可能です。
出店方法については、問い合わせ先に確認が必要です。

Japan Foods 問い合わせ

公式サイト:Japan foods

ドイツ

【大洋食品】

デュッセルドルフにある日本の食品店のECサイトです。日本のお酒の取扱いはそれほど多くはありません。大手銘柄日本酒を数種類ずつ扱っているという状況です。
オンラインショップはドイツ語のみの仕様ですが、問い合わせは日本語も対応しているようです。出店手続きは問い合わせ先からとなります。

大洋食品問い合わせはこちらから

公式サイト:大洋食品

【松竹】

同じくデュッセルドルフにある日本食品のECサイトです。日本酒・梅酒・ウイスキー・ビールなど品揃えは少ないですが、様々なカテゴリのお酒を扱っています。
サイトは完全日本語対応ですが、出店の際は電話での問い合わせになるので、難易度が高めかもしれません。

公式サイト:松竹

日本酒の各国別販売方法:中国への輸出

中国は世界最大規模のECモールをもっており、多くの現地の人々に使われているため、集客の面で大変魅力的です。

ここでは、中国にお酒を輸出する際におすすめの現地プラットフォームを見ていきましょう。

【天猫(TMALL)】

天猫はアリババが運営する中国最大のECサイトです。日本でいう楽天と同じモール型のプラットフォームで、出店者はアリババに登録手数料を支払います。

海外食品も含め国内外で約5万店が出店していますが、出品されている日本製品の8割が美容用品やベビー用品であり、食品の取り扱いはまだ多くありません。

公式サイト:天猫(TMALL)

【京東(JD)】

京東は、中国第2位のEC売上シェアを持つ大手ECサイトです。日本でいうAmazonのような形です。2015年には日本製品専用サイト「日本館」が開設され、日本産品の販売額は天猫に負けない勢いで増加傾向にあります。

京東(ジンドン)では、150社程度の事業者が日本のお酒を取り扱っており、日本でも人気のある銘柄も販売されています。

公式サイト:京東(JD)

日本の越境ECプラットフォームを利用する

日本の越境ECプラットフォームを利用し、日本のお酒を海外に販売するという方法も存在するので、こちらでご紹介します。

一度出品するだけで複数の国への販路を確保できることが、日本のプラットフォームの魅力といえます。

【酒虎(さけとら)】

酒虎は、「日本酒卸売のコンタツ」と「物流のトランスコスモス」が共同で運営する酒ECサイトです。

日本酒、焼酎、地ビールなど約70種類を世界各地49カ国へ向けて販売しています。酒虎が蔵元と契約を結び直販するというモデルのようです。

公式サイト:酒虎

【Rakuten Global Market】

楽天が運営する越境ECプラットフォームです。こちらは、日本の楽天に出店すると、自動的に海外のサイトとして作成されます。越境EC初心者でも、簡単に越境ECに挑戦することができるモールです。

しかし、現在はこちらのプラットフォームは撤退となってしまいました。

公式サイト:Rakuten Global Market

日本酒の越境ECでの成功事例

こちらでは、日本酒の越境ECで成功事例をお伝えします。

【インアゴーラ株式会社】

「インアゴーラ株式会社」は、中国国内唯一の日本商品特化型越境ECのサービスを提供しており、日本酒(岩手県の銘酒「南部美人」)の販売で成功しています。

日本酒の販売に中国のSNSをうまく活用し、酒蔵の歴史・伝統を伝えつつ、中国の消費者の心に響くようなPR映像を制作しました。

さらに、SNSで強い影響力をもっているインフルエンサーを起用して、ホームパーティーなどの楽しそうな様子を配信することも効果的です。

日本酒の背景にあるストーリーなどを映像で伝えることが、効果的なマーケティングになったのです。このように、ラベルに載せきれない日本酒の情報を、EC利用者に向けてサイト上で伝えることができることは、越境ECのメリットといえます。

また、中国の人気なアプリ「Wechat」内で公式アカウントを設けて、クーポンの配布やキャンペーンをなどのアプローチを行うなど、中国の消費者に合わせた対応をすることは越境ECを成功するための秘訣といえるでしょう。

参考URL:https://jp.sake-times.com/knowledge/international/sake_g_cross-border-ec-to-china

【KURAND】

KURANDは、日本国内での日本酒販売で成功している会社です。

日本酒とはあまり接点がなかったような、20代〜30代の人がメインユーザーとなっているため、わかりやすいコンセプトと斬新なデザインが特徴の日本酒が揃っています。

ネーミングも独特で、味噌に合う日本酒の「てまえみそ」、食前酒の「Te-hajime」などとお酒っぽくない斬新なネーミング揃い。ついつい気になって買ってみたくなる商品ばかりです。

さらに商品情報には、おすすめの飲み方、その日本酒によく合う料理、開発ストーリーなども記入されています。

SNSでは、雪見だいふく(アイス)に熱い日本酒をかけて食べたり、熱燗にはちみつを入れて飲んだりといった、若い人たちも受けるような発信で大きな反響を呼んでいます。

現在は、国内のみならず海外での販売をスタートしていて、今後が楽しみなECサイトのひとつです。

参考URL:https://www.shopify.jp/blog/success-story-kurand

まとめ:越境ECサイトを活用した日本酒の各国別販売方法と成功事例を解説

いかがでしたでしょうか?

今回ご紹介した国以外にも、越境ECで日本のお酒を売り込めるEC市場は存在しますし、ECモール以外にも輸出する手段は数多くあります。

輸出先国の規制や法律には十分注意しながら、それぞれの国の特徴を掴んで、日本酒などのお酒の輸出にチャレンジしてみてください。

Shopify experts(エキスパート)ならShopi Lab

監修者
木村太一
木村太一

木村太一 越境(海外)マーケティング・動画クリエイター

2021年6月より越境マーケティングをさらに強化するため、アメリカ ロサンゼルスにて駐在。以前はフィリピンに約3年滞在し、留学・現地学校での勤務・現地就職を経験。海外歴は計5年程。主にコンテンツ作成やマーケティングを担当し、現在は登録者30万人のYoutuberのマネージメントも手掛ける。内閣府認証 留学協会認定カウンセラーとしても活動中。留学協会・大阪支部長代理。

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