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AI検索での自社の見え方を測る方法【2026】指名・非指名の記録とGA4での追い方

AI検索での自社の見え方を測る方法【2026】指名・非指名の記録とGA4での追い方
執筆:片岡弘一(Shopi Lab 共同事業責任者)
監修:黒岩俊児(株式会社セルフプラス 代表・Shopify Plus Partner)
公開日:2026年10月9日|本記事は各社の公式発表・一次情報にもとづき、EC構築の実務者が内容を確認しています。

「AIO対策をやったが、効果が出ているのかどうか分からない」という相談を多く受けます。原因ははっきりしています。AI検索には、検索順位に相当する固定の指標がありません。ChatGPT・Perplexity・Google AI Overviewsの回答は毎回文章が生成し直されるため、同じ質問でも自社が出る回もあれば出ない回もあります。AIが商品を推薦し、そのまま購入まで導く動きはAIコマースとも呼ばれ、EC事業者にとって無視できない導線になりつつあります。本記事は、指名クエリ・非指名クエリを分けて手で記録する方法と、GA4・Search Consoleで補足的に追える範囲を、測れないものと明確に分けて整理します。情報は2026年9月時点で各社の公式情報を確認したものです。

効果測定に迷う担当者の多くは、GEO・AIO施策(構造化データの整備やllms.txtの設置など)には着手していても、「その後どう確認すればいいか」までは決めていません。施策の実装方法自体はECサイトのGEO対策で扱っているので、本記事では実装後の「見え方をどう確認するか」に絞って手順化します。

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「順位」ではなく「言及」と「引用」を測る

「順位」ではなく「言及」と「引用」を測る

従来のSEOでは「検索結果の何位に出たか」という単一の指標で効果を追えました。AI検索ではこれが成立しません。生成AIの回答は固定の10件リストではなく、質問のたびに文章を生成し直す仕組みだからです。同じ質問をした場合でも、モデルの内部処理やその時点で参照した情報によって、回答内容が変わることがあります。

測るべきは「言及」と「引用」の2種類です。言及は、回答本文の中で社名・商品名が文章として登場すること。引用は、回答の出典としてURLが明示され、自社ページへのリンクとして示されることです。言及だけでは流入は生まれませんが、認知や比較検討の材料にはなります。引用は実際にクリックされうる形なので、GA4での計測につながる可能性があります。この2つを区別せずに「出た/出ていない」だけで記録すると、何を改善すべきかが見えなくなります。

さらに、SEOでは「1位のページ」が明確でしたが、AIの回答は複数の企業を並べて紹介する形式が多く、自社が出たとしても何社中の何番目に書かれているか、他社と比べて好意的な書かれ方かどうかまで見なければ、実務の判断材料になりません。同じ「出た」でも、単独で推薦されている場合と、5社並べた末尾に一言添えられている場合とでは意味が違います。記録の際は、出たかどうかの2択ではなく、書かれ方の温度感まで残すようにしてください。

この区別は改善の手を打つ相手を見極めるためにも必要です。言及すらされない非指名クエリが多ければ、まだ認知・比較の土俵に乗れていないということなので、コンテンツの拡充や構造化データの整備が優先課題になります。逆に言及はされるのに引用(リンク)されない場合は、情報源として選ばれる決め手(一次情報・具体的な数値・出典の明記など)が不足している可能性が高く、打ち手が変わります。

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指名クエリと非指名クエリを分けて設計する

指名クエリと非指名クエリを分けて設計する

測定するクエリ(AIへの質問文)は、指名クエリ(自社の社名・商品名を含む質問)と非指名クエリ(カテゴリ語だけの質問)に分けて設計します。目的が異なるためです。

種類目的クエリ例
指名クエリAIが自社を正しく説明できているか(事実誤認のチェック)「(自社名) とは」「(商品名) 評判」「(自社名) 料金」
非指名クエリ比較・推薦の文脈で自社が候補に挙がるか(認知・想起のチェック)「Shopify 構築 会社 おすすめ」「ECサイト 制作 費用 相場」

クエリの文言は一度決めたら固定してください。毎回言い回しを変えると、出た・出ないの差が「AIの回答の揺れ」なのか「質問文の違い」なのか切り分けられなくなります。指名5問・非指名5問程度から始め、競合や自社の扱われ方が気になる質問が見つかったら追加していく運用が現実的です。

非指名クエリは、担当者の想像で作らず、実際に顧客が使っている言葉から選んでください。問い合わせフォームで多い質問、広告の検索キーワードレポートで反応の良いキーワード、営業時によく聞かれる比較の切り口などが材料になります。自社が想定していない言葉で検索(質問)されている場合、AIの回答にも登場していない可能性が高く、そこが次の施策の対象になります。

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ログイン状態を揃え、同じ質問を複数回実行する

ログイン状態を揃え、同じ質問を複数回実行する

記録の前提として、2つの条件を揃える必要があります。

  1. パーソナライズをできる限り切る。 ChatGPTは2026年8月27日の仕様変更により、会話を開始する時点で「パーソナライズする/しない」を選べるようになりました。しない場合、既存のメモリやカスタム指示を使わず、その会話からも新しいメモリを作りません(OpenAI Help Center(Temporary Chat FAQ))。Perplexityはプロフィールアイコンから「Incognito」を選ぶと、検索履歴とメモリが自動的に無効になり、会話は保存されません(Perplexity Help Center(Incognito Mode))。Google AI Overviewsはサインアウト状態やシークレットモードでも表示されますが、位置情報(IPアドレス由来)による絞り込みは残るため、テストする拠点をできるだけ揃えてください(Google 検索ヘルプ)。
  2. 同じ質問を複数回実行する。 生成AIの回答は確率的に生成されるため、1回の結果だけでは「出た」「出ていない」を断定できません。最低でも同じ質問を3回は実行し、3回中何回出たかで記録してください。1回だけの結果を「AIOの成果」として報告すると、次に確認したときに再現せず、信頼を失う原因になります。

AIの回答内容や挙動は各社が随時更新しており、更新の告知がない変更も起こります。先週と今週で結果が変わっても、それが自社の施策の効果なのか、モデル側の変更なのかは、この方法だけでは切り分けられません。傾向として見る、という前提を崩さないでください。

実行する担当者も固定することをおすすめします。人によって使っているアカウントの地域設定、ブラウザの言語設定、過去の検索履歴が異なり、それらも回答に影響しうるためです。可能であれば、毎回同じ人が、同じデバイス・同じブラウザプロファイルで実行し、条件のばらつきそのものを記録の対象から減らしてください。

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記録する項目と記録表の作り方

記録する項目と記録表の作り方

記録はスプレッドシート等で構いません。最低限、次の項目を残します。

項目記録する内容
実施日いつ実行したか
AIツール・モードChatGPT / Perplexity / Google AI Overviews・AIモードのどれか、ログイン有無・パーソナライズ有無
クエリ指名・非指名の別と、質問文そのもの
自社の扱われ方言及のみ/引用リンクあり/出なかった、のいずれか
引用元URL引用リンクがある場合、自社サイトの何のページが示されたか
競合の状況同時に挙がった競合の社数・社名
内容の正確性価格・仕様・提供範囲などに事実誤認がないか

ChatGPTとPerplexityは回答を共有リンクとして書き出せるため、証跡として残しておくと後から見返せます。Google AI Overviewsには共有リンクの機能がないため、スクリーンショットで残す方法が現実的です。記録表は指名・非指名・実行回ごとに行を分け、週次や隔週など決めた頻度で継続することで、初めて「増えている/減っている」という傾向が読めるようになります。

記入例を1行だけ示します。

実施日AIツールクエリ(非指名)扱われ方引用元URL競合の状況
2026/9/8ChatGPT(Temporary・非パーソナライズ)「Shopify 構築 会社 おすすめ」引用リンクあり(3社中2番目)自社の制作実績ページ大手代理店1社・同規模会社1社

1行だけでは何も判断できません。この記録を週次で積み重ね、指名・非指名それぞれで「3回中何回、引用として出たか」の推移を見ることで、初めて施策の効果を語れる材料になります。記録を始めた最初の数週間は「基準がまだない状態」であることを社内にも共有しておくと、早すぎる評価を避けられます。

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GA4でAI経由の流入を追う

GA4でAI経由の流入を追う

GA4は2026年5月13日、既定のチャネルグループに「AI Assistant」を追加しました(Google公式:アナリティクスの最新情報)。認識されたAIアシスタントの参照元にはmediumとしてai-assistantが自動付与され、このチャネルに分類されます。公式の説明にはChatGPT・Gemini・Deepseek・Copilot・Grokなどが例示されています(Google公式:既定のチャネルグループ)。

Google AI Overviews・AIモードはAI Assistantチャネルの対象外で、Organic Searchに含まれます(Google公式:既定のチャネルグループ)。Perplexityについては、公式ヘルプの例示に名前がないことだけを根拠に「必ずReferralになる」とは判断できません。実際のセッションの参照元・メディア・チャネルを確認し、必要に応じてperplexity.aiを含む探索やカスタムチャネルで補足してください。

もう一つ、限界として押さえておくべき点があります。AIの回答からURLをコピー&ペーストして訪問した場合や、AIアプリ内蔵のブラウザ経由の場合は参照元(リファラ)が付かず、多くの場合UTMも付与されないため、GA4上は「Direct(直接)」に混ざります。つまりAI経由の流入は、GA4のAI Assistantチャネルの数字より実際には多い可能性があります。この点と、施策の具体的な設計はECサイトのGEO対策で詳しく解説しているので、あわせて確認してください。

AI Assistantチャネルの数字を見るときは、絶対値そのものより、週次・月次の推移と、そこからの直帰率・コンバージョン率を合わせて見てください。件数がまだ少ない段階では、1件の外れ値で傾向が大きく揺れます。手動記録での「引用が増えた」というタイミングと、GA4上のAI Assistantチャネルの増減が同じ方向を向いているかどうかの突き合わせが、実務上いちばん現実的な確認の仕方です。

Search Consoleにも、2026年6月3日から一部サイト向けに順次提供が始まり、2026年8月31日に全世界のサイトへロールアウトが完了した生成AIパフォーマンスレポートがあります。AI Overviews・AIモード・Discoverの生成AI機能での「表示回数」を、ページ・国・デバイス・日付の単位で確認できます(Google Search Central Blog)。ただし提供されているのは表示回数のみで、クリック数・CTR・検索クエリは提供されていません。「表示されているか」は分かっても、そこから実際にクリックされたかどうかは、このレポート単体では分かりません。

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間接指標で補う|指名検索数とブランド流入

間接指標で補う|指名検索数とブランド流入

AIの回答で自社名を知った人が、その場で離脱せず、改めてGoogleで社名を検索してから訪問するという行動も起こり得ます。Search Consoleの検索パフォーマンスレポートで自社名・商品名を含むクエリだけを絞り込み、表示回数・クリック数の推移を月次で見ておくと、AIO施策の間接的な手がかりになります。GA4のDirect(直接)流入やブランド名オーガニック流入の増減もあわせて見てください。

ただしこれは相関であって因果ではありません。指名検索が増えた理由がAIでの言及なのか、広告や口コミなど他の要因なのかは、この指標だけでは証明できません。「AIOをやってから増えた」という時系列の一致を確認する材料として使い、断定は避けてください。施策の実施日をメモしておき、指標の変化と突き合わせられるようにしておくことが、後から振り返る際の唯一の手がかりになります。

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測れないもの・測れると書けないもの

測れないもの・測れると書けないもの

最後に、現時点で測れないことをはっきりさせておきます。

  • 全AIを横断した「引用シェア」の正確な数値。 ChatGPT・Perplexity・Google AI Overviewsが、自社が回答に登場した割合を公式に開示するAPIや管理画面は現時点でありません。
  • Search Consoleの生成AIレポートからのクリック実績。 表示回数だけが提供されており、クリック数・CTR・クエリ語は含まれません。
  • 数回のサンプルからの「露出率◯%」という断定。 手動記録は実行した回数の中での結果でしかなく、母数を明示せずに割合だけを一人歩きさせないでください。
  • 他拠点・他アカウントでの再現性。 パーソナライズや所在地の影響が残るため、自社で確認できた結果が、別のユーザー環境でも同じとは限りません。

「AI可視性スコア」のような指標を謳う外部ツールも増えていますが、算出方法を公開していないものが少なくありません。導入を検討する場合は、何を根拠にスコアを出しているかを確認してから判断してください。

測れないことを認めた上でできることは、限られた確認方法の中で「事実として何が分かったか」を積み重ねることです。指名クエリでAIが自社の料金や機能を誤って説明していれば、それは順位が下がったことより直接的な問題です。まずは事実誤認の有無から確認し、次に非指名クエリでの露出、最後にGA4・Search Consoleでの補足という順に手をつけるのが、限られた工数の中で優先度をつける現実的な進め方です。

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よくある質問(FAQ)

AI検索での順位を調べるツールはありますか?

現時点(2026年9月確認時点)で、AI検索での露出を公式に数値化する「順位チェッカー」に相当するものは、ChatGPT・Perplexity・Googleのいずれも提供していません。民間ツールが「AI可視性」等の指標を掲げていますが、算出方法が非公開のものが多く、裏付けを取れません。本記事で紹介した手動記録とGA4・Search Consoleの組み合わせが、現状で事実として確認できる方法です。

ChatGPTで同じ質問をしても毎回答えが違うのはなぜですか?

生成AIは検索エンジンのように固定された結果リストを返しているのではなく、質問のたびに回答の文章を生成し直しているためです。そのため1回の実行結果だけで「出た/出ていない」を判断せず、同じ質問を複数回実行し、その中で何回出たかという形で記録する必要があります。

GA4でAI経由の流入はどう見分けますか?

GA4は2026年5月13日以降、既定のチャネルグループに「AI Assistant」を追加しており、ChatGPT・Gemini・Deepseek・Copilot・Grokからの参照がここに自動分類されます。設定は不要です。ただしURLのコピー&ペーストやアプリ内ブラウザ経由の流入はリファラが付かずDirectに混ざるため、実際のAI経由流入はこの数字より多い可能性があります。

Perplexityからの流入もGA4のAI Assistantチャネルに入りますか?

公式ヘルプの例示だけでは、Perplexityからの流入が常に特定のチャネルに入るとは断定できません。自社のGA4で参照元・メディア・チャネルを確認してください。AI Assistant以外に分類される流入は、perplexity.aiを含む探索などで補足できます。

Search ConsoleでAI Overviewsからの流入を確認できますか?

確認できるのは表示回数(インプレッション)のみです。2026年8月31日に全世界のサイトへロールアウトが完了した生成AIパフォーマンスレポートで、AI Overviews・AIモード・Discoverの生成AI機能での表示を、ページ・国・デバイス・日付単位で見られます。クリック数・CTR・検索クエリは提供されていないため、実際にクリックされたかどうかはGA4など別の方法で確認する必要があります。

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まとめ|「言及と引用の記録」から始める

まとめ|「言及と引用の記録」から始める

AIOの効果測定は、検索順位という便利な単一指標を捨てるところから始まります。指名・非指名のクエリを固定し、ログイン状態を揃えて複数回記録し、GA4のAI Assistantチャネルと検索コンソールの生成AIパフォーマンスレポートで補強する。それでも測れない範囲は「測れない」と正直に書き残し、次に確認すべき宿題として扱ってください。この積み重ねが、AIOを「やったつもり」で終わらせない唯一の方法です。自社のAIO対策を何から設計すべきか迷う場合はAIO無料診断で、施策全体の優先順位はECサイトのGEO対策にまとめています。

掲載情報は記事執筆・更新日時点のものです。最新情報とは異なる可能性がありますのでご了承下さい。

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