EC(electronic commerce)サイトは、インターネット上で自社の商品やサービスを販売するサイトです。ECサイトの構築方式は、以下の5種類があります。
- 市販のECパッケージを使って構築する
- オープンソースのECパッケージを使って構築する
- ASP(Application Service Provider)のサービスを利用する
- クラウドECを使い構築する
- フルスクラッチで1から構築する
それぞれメリット・デメリットがありますが、この記事ではフルスクラッチで構築する場合のメリット・デメリットについて説明します。
目次
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フルスクラッチとは?

フルスクラッチは、既存のプログラムやソフトを使用せず、ゼロからECサイトを構築することです。手間とコストはかかりますが、自由度が高く細部までこだわったECサイトを構築できます。
近年は、専門的な知識がなくても手軽にECサイトを作れるプラットフォームも多く登場しています。多くのサービスは無料で使用できるので、手間や費用がかかるフルスクラッチよりコストパフォーマンスに優れているのも魅力です。
ただ、ユニクロやZOZOTOWNなど一般的によく知られるサイトもフルスクラッチを用いるものがたくさんあります。手間やコストをかけてまでフルスクラッチを使用する理由は、何か問題が起きたときに柔軟に対応できることです。
簡単にECサイトを作れるプラットフォームの場合は、プロバイダーがシステム管理を行っているので勝手に変更することはできません。この点がフルスクラッチとの大きな違いなのです。
世の中のトレンドは常に変動しており、ユーザーのニーズに合わせて機能やデザインを改善しなければ市場で生き残っていけません。フルスクラッチはシステム管理をすべて自社で行っているので、効果測定に応じて柔軟に対応できるのです。
スピーディーに対応でいる分、ビジネスチャンスも逃しません。
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フルスクラッチECサイト構築はもう古い?

2019年現在、ECサイトを1から作成するフルスクラッチで構築するのは、かなり少なくなっており、多くの企業がECパッケージをカスタマイズしたり、ASPを利用したりする方式で構築しています。これは費用対効果の問題で、フルスクラッチで作成するよりパッケージやASPを利用した方が、コストが安く、開発も早く進むからです。
しかし、ユニクロやZOZOTOWNなど日本を代表するメーカーがフルスクラッチを選択している例もあります。どういう種類のECサイトがフルスクラッチを必要とするのでしょうか?
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フルスクラッチがECサイト構築で選ばれるのはなぜなのか?

いくら自由度が高く、突発的なアクシデントに柔軟に対応できるとは言え、中小企業の多くは手軽にECサイトが構築できるパッケージやASP(Application Service Provider)を利用される割合が多いです。
しかし、そんな中でフルスクラッチを選ぶ企業は少なからず存在します。
いったい、なぜでしょうか。
その理由は先述した通り、ECサイトの内製化がもたらすメリットが大きいから。そして、そのメリットの中でも特に大きな理由として挙げられるのが、高速PDCAサイクル(※)を回せる点です。
基本的にECサイトには完成はありません。常に世の中のトレンドや需要に合わせて、機能やオプションを追加し、使いやすくなるように改善していく必要があります。
また、ECサイトに改善すべきポイントが見つかった際にフルスクラッチであれば、修正対応からABテストといった効果測定を迅速に行うことが可能です。ビジネスの規模が大きければ大きいほど、世の中の流れには敏感にならなければなりません。
そんな状況下でも、効率的に売上を伸ばしていく方法のひとつとして、フルスクラッチが選ばれていることがわかります。
(※)PDCAサイクル:「Plan」「Do」「Check」「Action」の頭文字。それぞれ「計画」「実行」「評価」「改善」を意味。
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フルスクラッチをECサイト構築で採用するメリットとは?

フルスクラッチの開発は、既存のプログラムを一切使わずに1からシステムを構築します。そのため、他の方式に比べて、最も自由度が高く、費用を考えなければ全ての要望を実現することができます。
したがって、特殊な販売形態のECサイトを作らなければならない企業はこの方式を採用せざるを得ません。また、自社で開発可能な場合、ハードからソフトまで全ての開発・運用管理を内製化できます。実はフルスクラッチでもっとも大きなメリットはこの内製化にあります。
「開発費用をかけて、なおかつ自社内に開発・運用管理要員を置くのはコストがかかりすぎるのでは?」と疑問に思う人もいるでしょう。商品を販売するのが目的なのに、開発リソースまで自社に抱えるのは過剰投資に見えるからです。
しかし、ECサイトで得られる消費者の行動データを分析して、コンバージョンレート(サイト訪問客の内、実際に購入した人の割合)を上げるために「高速PDCA」を実行するには内製化が必要なのです。
「高速PDCA」は、データ分析から売上向上に役立つと思われるサイトの改善案を企画(Plan)し、実際に適用(Do)して結果を検証(Check)し、さらに改善(Action)する。
このPDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルを高速に回すことで、どんどん利用者が買い物しやすいようにサイトを作り替えて売上を伸ばす手法です。これを実践するには分析、企画、開発・運用管理を行なう人間が全て社内にいなければ高速化できません。
システム開発を外部委託していると意思疎通に時間がかかる上、システムの改修にも時間がかかります。パッケージでは仮説を検証するための機能が実装できない可能性があります。
したがって、システムに関わるリソース(ハード、ソフト、人材)を全て社内に持っている必要があり、実際にフルスクラッチしている企業として例に挙げたZOZOTOWNは、ZOZOの100%出資した子会社であるZOZOテクノロジーがこのPDCAの実行部隊になっています。
カスタマイズ性の広さ
また、5種類の構築方式のなかでも、フルスクラッチが最もカスタマイズ性が広い構築方式と言えます。
EC業界では、フルスクラッチの自由度、カスタマイズ性の高さが注目されてきました。要件定義以外は、まったくなにもないところからシステム構築をスタートしますので、資金や人材、または時間さえ許すなら、インターネットであらゆることが可能であると考えても良いでしょう。
他の構築方式でも、相応のカスタマイズ性は備えていますが、やはり限界はあります。例えばASPにおいては、かなり進化してきているとはいえ、カートのカスタマイズは基本的に困難となっています。
その点、フルスクラッチの代表格であるユニクロやZOZOTOWNサイトでは、高速PDCAを回しつつ、コンバージョン率を高めるために、カート周りを随時改善しています。 さらには、あらゆるシステム連携が可能になりますので、フルスクラッチ以上にカスタマイズ性が高い構築方式はないと言ってよいでしょう。
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フルスクラッチをECサイト構築で採用するデメリット

フルスクラッチを採用するデメリットは、1から作り上げるため、パッケージやASPを利用して作るより費用が高く、開発期間が長くなることです。またサーバなどのハード購入費用と設置場所、システム開発・運用管理の人員が必要となります。
そして、システムを更新した際の、開発・運用ドキュメントなどのシステム資料への反映が遅れがち(最悪最新版にならない)になることです。特に費用や開発期間の面から考えた場合、前述した特殊な販売形態をしていたり、ECサイトの「高速PDCA」を実践する予定がなかったりする場合は、フルスクラッチはほとんどメリットがありません。
競争の激しいネットビジネスの世界では何よりもスピードが求められるので、よほど大規模なECサイトを作って市場のシェアの大半を奪うような構想がない限り、フルスクラッチを選択するのは間違いである可能性が高いです。
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内製化によるメリットを活かせる大規模ECサイトはフルスクラッチを選択!

5種類ある構築方式の中からフルスクラッチを選択するECサイトは、ZOZOTOWNのように内製化によるメリットを活かせる大規模ECサイトでしょう。中小のネットショップや一般的な企業の通販サイトなどはパッケージやASPを利用した方が、間違いが少なくなります。
しかし、ECサイトの分析データを活かした「高速PDCA」による売上の最大化を目指すのであれば、フルスクラッチ+内製化でチャレンジすべきです。
| 構築方式 | 費用 | 開発期間 | メリット | デメリット |
| ECパッケージ | 数百万~ | 短い | 機能が充実している カスタマイズ可能 | コストがかかる システムが古くなる |
| オープンソース | 無料~ | 短い~ | 月額費用が安価 | ベンダーの力量に幅がある |
| ASP | 数万~ | 短い | すぐに運用可能 | カスタマイズや連携が困難 |
| クラウドEC | 数万~ | 短い | カスタマイズ可能 | 社内で保守管理不可 |
| フルスクラッチ | 1千万~ | 長い~ | すべて可能 | 大きなコストがかかる システムが古くなる |
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フルスクラッチのECサイト構築事例5選

メリットの多いフルスクラッチですが、どのようにECサイトを構築すればいいか悩む運営者もいるはずです。
ここでは、フルスクラッチのECサイト構築事例をまとめました。フルスクラッチ型ECサイトを構築する際の参考にしましょう。
無印良品
大手ECモールでも販路を拡大していますが、自社サイトはフルスクラッチ型で制作されています。2020年は前年比売上の大幅増を叩きだしており、フルスクラッチ型ECサイトの成功例です。
また自社アプリの開発により、さまざまなチャンネルから多くのユーザーを取り込めます。さらに独自に開発されたMUJI passport Payにより、店舗でバーコードを提示するだけで買い物できるのも魅力です。
ユニクロ
ECサイトの収益に強い企業であるユニクロは、アパレル業界でトップクラスの売上高を誇ります。
高い売上げを維持できるのは、独自性の高いフルスクラッチ型ECサイトを構築しているためです。
また実店舗と連動した店頭受け取りや着こなしのヒントを得られるアプリの導入により、自宅にいながら自分に適したアイテムを購入することができます。
ファッション関係のECサイトを構築したいなら、ユニクロを参考にするのがいいかもしれません。
ヨドバシカメラ
家電業界ECサイトで人気を誇るヨドバシカメラの自社サイトでも、フルスクラッチ型ECサイトを制作しています。
人気を誇る理由は、商品点数の多さや配送スピードの速さ、送料無料などです。フルスクラッチ型だからこそ実現できたサイト規模で、オム二チャネル化にも成功しています。オムニチャネル化とは、企業と顧客のタッチポイントや販売経路をすべて統合して顧客にアプローチする方法です。
ZOZO TOWN
ブランドアイテムを取り扱うファッション通販サイトのZOZO TOWNもルスクラッチで制作されたモール型ECサイトです。国内最大級のアパレルブランド商品数が並んでおり、既存のECパッケージでは作れなかった世界観を醸し出しています。
また、若年層のユーザーを取り込むためにプロモーションも定期的に実施されているのも特徴です。2021年には過去最高の収益を上げています。モール型ECサイトを構築したい場合に参考にしましょう。
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フルスクラッチでECサイトを構築するポイント

フルスクラッチ型ECサイトを運用するには、いくつか工程を踏むことが必要です。
フルスクラッチ型ECサイトを運用するまでに必要な工程には、次のようなものがあります。
- 要件定義
- 設計
- プログラム開発
- テスト
- 運用
これらの工程のなかでもっとも重要になるのが、要件定義です。
要件定義とは、ECサイトで実現したい要件を決めることです。要件定義で目的が曖昧になるとシステム開発後に一からやり直さなければいけなくなります。
システムの再開発には、別途費用がかかるので多大なコストがかかる可能性もあります。このようなリスクを回避するためにも、要件定義をしっかり固めておくことが必要です。
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まとめ:フルスクラッチとは?ECサイトの5種類の構築方式を徹底比較

今回はECサイトの構築方式、フルスクラッチについて解説しました。
フルスクラッチを使ったECサイトの構築にはシステム開発・運用管理の人的リソースやハードの購入費用など、多くのコストがかかります。このような事情により、現時点でフルスクラッチを採用するのは、広範囲にマーケティング展開を行う大企業であることがほとんどです。
そのため、サイトの構築にあまりコストをかけられない中小企業の多くはECモールへの出店やASPを使った構築を選ぶ傾向にあると言えるでしょう。
しかし、記事内でも解説したように、ECサイト構築の内製化はカスタマイズ性・自由度が高い、といったメリットがあるのも事実です。自社内で独自にオプション(機能)を追加していけば、他のECサイトとの差別化を図ることも容易でしょう。
将来的にあなたがECサイトを大規模に展開していき、インターネット上での販路獲得を目指すのであれば、「コストに見合ったリターンが得られるのか」をしっかりと考察したうえで検討してみてください。競合が多いレッドオーシャンとは言え、EC市場は今後も成長していくことが見込まれます。
記事の中で解説した内容を参考に最適なプラットフォームを選んで、ECサイトを構築していってくださいね。
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