物流とはモノが製造され、その後倉庫を通って私たち消費者に届けられるまでの工程を言います。
物流市場はどんどん需要が増して規模が大きくなっています。
その背景には、新型コロナウイルスの影響も関係しており、ECサイトを利用する人が増加しているからです。
しかし、物流が成長するに伴い、人手不足が懸念されているのが現状です。
また、国際物流では主に航空や海上輸送になり、インターネットの普及で海外にビジネス展開する企業は増加しているというもの。
この記事は、国土交通省の「物流を取り巻く動向について」を参考に解説しています。
是非ご覧ください。
目次
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物流の現状について
2018年までの調べでは、国内総生産GDPが7年続けてプラスになっています。
GDPとは国内で生産されたサービスや商品の付加価値の合計です。
ところが、国内と国際貨物輸送量はそれぞれ減少傾向にあります。
物流事業
運輸業界は全体およそ38兆円の産業になっており、そのうち物流は24兆円占めている状態です。
また、運輸業界の総就業者はおよそ333万人と言われていて、その中でも物流の就業者は258万人います。
物流事業者には下記の種類があります。
- トラック運送
- 倉庫業
- 内航海運
- 鉄道利用運送
- 外航利用運送
- 港湾運送
- 航空利用運送 等
日本は面積が狭いので、貨物輸送はトラックや自動車がメインになっており全体の50%、次に内航海運が40%、鉄道は5%ほどの割合で輸送されています。
国内貨物輸送量が多い品目
国内で多く輸送されている品目はこちらです。
- その他の特殊品
- 砂利、砂、石材
- 機械
- 食料工業品
- 日用品
最近では、非金属鉱や化学薬品の輸送量が大きく減っています。
他に、石油製品や木材、穀物などありますが、そこまで増減がみられませんでした。
運送される貨物量は減少傾向
1度に運送する貨物の量が年々減少していて小口化が進んでいます。
0.1トン未満の荷物を運ぶ割合がどんどん増えている現状です。
| 年度 | 0.1トン未満 | 0.1〜0.5トン | 0.5〜1トン | 1〜5トン | 5トン以上 |
| 1990 | 55.6% | 18.5% | 6.4% | 13.5% | 6.0% |
| 1995 | 57.9% | 19.0% | 5.8% | 12.0% | 5.3% |
| 2000 | 63.6% | 16.7% | 4.8% | 9.9% | 5.0% |
| 2005 | 68.7% | 15.2% | 4.0% | 7.9% | 4.1% |
| 2010 | 75.1% | 11.9% | 3.4% | 6.2% | 3.4% |
ECサイトの利用と宅配の増加
ネットから商品を購入する消費者が増えて、その手軽さからコンビニの利用を上回る勢いで、EC市場規模は大きくなっています。
具体的には、2007年のEC市場は全体で5.3兆円でしたが、2018年には18兆円の規模までに右肩上がりになっています。
また、ECサイトの利用者が増えたことから、宅配便の件数も5年間で18%増加(およそ6.7億個)しました。
宅配便の件数が増えると今度は、不在だった時の再配達の件数も増えてしまい、全体の15%が再配達されています。
これからもEC市場は伸びていくので、再配達が発生しないように対策していくことが大事です。
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国内物流の現状
最近、国内では賃貸の物流施設のニーズがあり、全体の施設およそ7割を占めています。
以前の物流施設は、運送会社や倉庫会社が持ち主で、卸メーカーと契約をしている倉庫業がほとんどでした。
1999年から投資会社や不動産開発会社が持ち主となり、賃貸物流施設が増加傾向に。
また、物流施設の開発は、外資系企業や大手デベロッパーなども積極的に取り組んでいるため、競合が激しくなっています。
物流施設の機能
物流施設の機能は近年、保管する倉庫だけでなく、流通加工や集配送など様々な機能が付け加えられています。
そして、複数のテナントが入れる敷地面積が広い大型の物流施設「マルチテナント型」が国内では多くなっています。
ドライバーの厳しい労働環境
トラックドライバーの拘束時間は13時間と決められていますが、実際のところは長時間労働になっていることがほとんどです。
理由としては荷物を積み下ろしにかかる時間や、荷物を待っている「荷待ち時間」に多くの時間を取られるからです。
1回の運行に荷待ち時間は、2時間以上かかるのが全体の3割で、中には6時間以上かかるケースもあります。
加えて、長距離運転になる場合は、早朝や深夜から仕事開始になることもあり、不規則な労働になりやすいです。
荷待ち時間もそうですが、再配達が発生してしまうと、その分時間がかかってしまうので、ドライバーにとって手間になります。
ドライバーの高齢化と人手不足
日本は少子高齢化が進んでいるため、2065年には人口の40%が65歳以上と言われています。
それに伴いトラックドライバーは、全ての産業平均を上回るスピードで高齢化が進んでいます。
全産業の平均年齢は43歳に対して、大型ドライバーは49歳近くです。
今後、退職者が増えていくため、人手不足が深刻化することが考えられます。
また、ドライバーは厳しい労働であるというイメージが強いため、若い世代の人材が集まりにくい点もあります。
大型ドライバーで言うと2019年では、40歳未満が20%で40歳以上が80%の割合です。
運送業界では仕事が増えたのに、人手が足りない状態になっているため、今後の課題となっています。
LNGバンカリング
2020年から船舶の排出ガスの規制が強くなり、燃料となるLNG(液体天然ガス)を取り入れた動きが進んでいます。
日本は世界でトップのLNG輸入国なので、国港湾の強化をするため、アジア地域で先頭を立って、LNGバンカリング拠点を作り上げようとしています。
これによって、新しい市場を切り開き、日本の国港湾へ寄港を増やしていけるでしょう。
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国際物流の現状
新型コロナウイルスの影響で、世界的に2020年の国内総生産GDPは下がり気味でしたが、中国やインドなどは、日本やアメリカより経済成長率が高い状態です。
日本は1999年から現在まで中国と貿易した金額が4倍以上に増えていて、アメリカを抜いて1番貿易をしている国になります。
中国やASEANで貿易した金額は4割を占めています。
輸出入額と貨物量
2018年の調べによると、日本で最も輸出額が大きいのは、自動車や電子部品などの機械が多く、輸入額に関しては液化天然ガスや原油が多いです。
一方、輸出貨物量が多い品目は、金属機械が50%以上、次に化学工業品です。
輸入貨物量は、鉱産品と化学工業品が大きく占めています。
世界の港湾にあるコンテナ個数
世界各地にあるコンテナ個数は、2008年から2018年の10年間で1.5倍も増えています。
世界で最もコンテナ個数が多い国は中国で、次にシンガポール、韓国と続きます。
日本は1984年にTOP 10に入っていたものの、2018年時点で東京は30位となりました。
また、日本のコンテナ船は年々大きくなっていて、日本初のコンテナ船は1968年頃、「船長187m・最大積載量752TEU」でしたが、現在は「船長400m・最大積載量23,500TEU」まで大型になりました。
外航海運について
世界の海上荷動量は、毎年およそ4%増えて拡大しているのに対し、日本の外航海運は減少している状態です。
日本のコンテナ船事業は、統合して新しい会社「オーシャン ネットワーク エクスプレス ホールディングス(株)」ONEを平成30年シンガポールに設立しました。
世界的にONEのコンテナ船事業の規模は、6位にランキング入りしています。
国際航空貨物について
日本の航空貨物の輸出で多いのは、自動車や機械、電子部品などで、輸入は食料や国際宅配便、機械が多く占めています。
世界の空港で最も航空貨物量が多いのは香港国際空港です。
他にTOP10に入っている空港のほとんどはアジアになり、日本の成田国際空港は6位に入っています。
昨今アジアは、国際物流が急激に拡大。
ASEANの人口は増え続けていることや、中国では購入する人が多いため、生産だけでなく消費市場として成長をしています。
日本も物流企業は進出しており、アジアへ展開していることが多いです。
物流の国際評価
アジアの物流に対する環境を、世界の物流関係者から評価をしてもらった結果、日本が最も高評価でした。
これは、世界銀行の調べで日本が1位、次にシンガポール、香港の順になります。
また、日本の食品や水産物の輸出額は、7年連続で上がっています。
輸出額の74%はアジアへ輸出したものです。
鮮度を保つのが重要な鮮魚や生鮮は、航空輸送で輸出することが大半ですが、鮮度が長い時間保たれる冷凍の食品は、大量輸送ができる海上輸送で行われます。
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最近の動向・まとめ
新型コロナウイルスは物流に対しても、大きく影響を及ぼしています。
在宅ワークや外出自粛などにより、宅配便の量は増加していきました。
企業の物流に関しては、工場では素材や部品のニーズが少なくなり、海外から材料の輸入も少なくなっていたことから低調。
国際物流は、いろいろな国で消費や生産が減少していた為、貿易貨物が大きく減少でした。
航空の物流変動
2020年2月以降は、国際線の旅客数が減り、3月くらいから国内線も減少していきました。
4月になると初の緊急事態宣言が出され、前年同月比で9割も減少。
航空貨物は、旅客数に比べるとそこまで減少していませんが、5割減りました。
鉄道の物流変動
新幹線も航空と同じ2月から乗客数が減りだし、4月の前年同月比は9割減りました。
JR貨物輸送も減少はしましたが、1割くらいの減少でした。
宅配便・郵便・高速道路の物流変動
高速道路の利用者も2月から減少して、4月には3割まで減りました。
一方、宅配便に関しては前年同月比で増えていて、4月は25%も増加しましたが、郵便に関しては15%減少していました。
減った貿易量
WTOの見通しでは、2020年の後半から貿易量が回復すると言われていましたが、実際のところは回復が遅れていました。
日本の貿易は輸入出が前年同月比1.0下がってしまい、中国からの輸入も多く減りましたが、4月から増えました。
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まとめ
物流市場は、新型コロナウイルスの影響でECサイトのニーズが増え続けています。
しかし、ドライバーの高齢化や人手不足は深刻化しており、課題がたくさん残っていますが、事業を行うチャンスとも言えます。
ドライバーの負担を少なくして、増え続ける物流に対応できる仕組みを構築することが大切です。
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