監修:黒岩俊児(株式会社セルフプラス 代表・Shopify Plus Partner)
公開日:2026年10月23日|本記事は各社の公式発表・一次情報にもとづき、EC構築の実務者が内容を確認しています。
「FAQページを作ったのに、問い合わせは減らないし、AI検索にも拾われている気配がない」という相談を受けることがあります。原因の多くは、FAQPageの構造化データを入れれば検索結果に星や質問リストが大きく表示される、という2023年より前の情報のまま止まっていることと、そもそも「問いの立て方」が自社目線のままであることの2つです。構造化データの実装全般はShopifyの構造化データ実装ガイドで扱っているので、本記事はFAQという1つの型に絞り、Googleの公式ドキュメントで確認できる現在のリッチリザルトの扱いと、問いの立て方・答えの書き方・実装方法までを整理します。情報は2026年9月時点で一次情報を確認したものです。
先に結論を書きます。FAQPageのリッチリザルト機能は、2026年5月7日以降Google検索に表示されなくなり、該当のドキュメントも2026年6月15日に削除されています。「入れれば検索結果で目立つ」という動機でFAQPageを実装する意味は、もうありません。それでもFAQページ自体を作る価値は残っています。その理由と、リッチリザルトとは別の軸での書き方・実装方法を、本記事で順に説明します。
目次
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FAQのリッチリザルトは、もうGoogle検索に表示されない
Googleの構造化データに関する更新履歴を確認すると、FAQのリッチリザルトは次の順で扱いが変わっています(Google Search Central「最新情報」)。
- 2023年9月14日:FAQ構造化データのドキュメントが更新され、「よく知られた、権威のある政府機関・医療機関のサイトにのみ表示される」という制限が明記されました。一般の商用サイトは、この時点で事実上対象外になっています。
- 2026年5月8日:FAQリッチリザルトのドキュメントに非推奨(廃止予定)の告知が追加され、「この機能は2026年5月7日以降Google検索に表示されなくなる」と明記されました。
- 2026年6月15日:FAQリッチリザルトのドキュメントページ自体が削除されました。理由として「この機能はすでにGoogle検索結果に表示されていないため」と明記されています。
現在、FAQ構造化データの旧ドキュメントURL(/search/docs/appearance/structured-data/faqpage)に直接アクセスすると、Search Centralの更新履歴ページへ転送され、上記の削除告知が表示されるだけになっています(2026年9月確認)。つまり2026年9月時点では、FAQPageの構造化データを実装しても、政府機関・医療機関を含めどのサイトであっても、Google検索結果上での見た目の変化(質問がドロップダウン表示される機能)はもう起こりません。「FAQPageを入れればリッチリザルトに出る」という説明は、サイトの種類を問わず、現在は成立しないと理解しておく必要があります。
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それでも書く価値がある理由——リッチリザルトと「拾われるか」は別の話

Googleの構造化データに関する一般的な説明では、構造化データを追加する目的についてこう案内されています。「構造化データを追加すると、ユーザーにとってより魅力的な検索結果(リッチリザルトと呼ばれます)を実現できる場合があります」(Google Search Central(構造化データの仕組み))。「実現できる場合があります」という表現の通り、構造化データはもともとリッチリザルトを保証するものではなく、FAQに限って言えば保証以前に表示機能自体がなくなっています。一方で同じ説明には、構造化データのもう一つの役割も書かれています。「Googleは、ウェブ上で見つけた構造化データを使って、ページの内容を理解したり、ウェブや世界全般についての情報を収集したりします」。つまり構造化データは、見た目を変える装飾ではなく、ページの内容を機械が読み取りやすい形で示す情報という位置づけが本来のものです。リッチリザルトという「見た目の効果」が消えても、この役割自体はなくなっていません。
実際、FAQPageという型自体はschema.orgの現行の語彙として今も維持されており、Google検索のインデックス集計では2026年8月時点で100万〜1,000万ドメインが使用していると公開されています(schema.org(FAQPage))。Google検索のリッチリザルトという1つの表示機能が終了したことと、FAQPageという構造化データの型そのものが役目を終えたことは、別の話です。
AI検索(ChatGPT検索・Perplexity・Google AI Overviewsなど)が、ページの構造化データを内部でどこまで直接参照しているかは、各社とも詳細を公開しておらず、確認できる一次情報がありません。断定はできませんが、確認できる事実として言えるのは、1つの質問に1つの答えが完結して書かれているページは、その部分だけを単独で取り出しやすい形になっているということです。これはリッチリザルトの有無とは無関係な、ページの書き方そのものの話です。本記事の後半では、この「1問1答で完結させる」書き方を中心に扱います。AI検索での自社の見え方を継続的に確認する方法や、AIO施策全体の優先順位はECサイトのGEO対策にまとめています。
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問いの立て方——社内用語ではなく、聞かれた言葉で拾う

FAQページの成否は、実装よりも先に「どの質問を選ぶか」で決まります。自社の商品名・機能名・社内の呼び方で質問を作ると、その言葉で検索する人・その言葉でAIに質問する人がそもそもいないため、誰にも拾われません。お客様が実際に使っている言葉から起こす必要があります。
- 問い合わせフォーム・メール・チャットの履歴を直近3〜6ヶ月分読み返し、同じ内容の質問が繰り返し来ているものを拾い出す
- 電話・対面での接客時によく聞かれる質問を、営業担当・カスタマーサポート担当にヒアリングして書き出してもらう(社内でしか通じない言い回しは、聞かれた通りの言葉に直す)
- Search Consoleの検索パフォーマンスレポートで、自社ページが表示回数はあるのにクリック率が低いクエリを確認する(疑問形のクエリは特にFAQ化の候補になる)
- 検索広告のキーワードレポートで、反応の良い検索語・疑問形のキーワードを確認する
- 競合のFAQページやレビューサイトの質問を参考にする場合も、自社の実際の問い合わせと重なる項目だけを採用し、当てはまらない質問は削る
出てきた質問は、基本的にそのまま見出しにします。社内で使っている表現(たとえば「与信手続き」)を、お客様が使う言葉(「支払いの審査ってどのくらいかかりますか」)に言い換える作業が、この工程でもっとも重要です。言い換えずに社内用語のまま公開すると、検索でもAIへの質問でもその言葉自体が使われないため、拾われようがありません。
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答えの書き方——1問1答で完結させる

質問の直後に置く答えは、他のページを読まないと結論が分からない書き方にしないことが原則です。「詳しくはこちらのページをご覧ください」で答えを終わらせると、リンク先まで読まれない限り疑問が解消せず、AIが回答を生成する際にもその1問1答を単体で引用しにくくなります。
- 答えの最初の1〜2文で結論(Yes/No、金額、期間など)を明示する
- 前提条件や例外は、結論を示した後に補足として続ける
- 他ページへのリンクは「補足情報」として添える程度にとどめ、リンクを読まなくても回答として成立する状態にする
- 1つの回答は3〜5文程度を目安にし、複数の論点を1つの回答に詰め込まない(論点が複数あるなら質問そのものを分ける)
- 価格・日数・上限など変更されやすい数字は、更新日や「◯年◯月時点」を明記する
良い例と避けたい例を1つずつ示します。
| 質問 | 回答 | |
|---|---|---|
| 避けたい例 | 送料はいくらですか? | 送料についてはこちらのページをご確認ください。 |
| 良い例 | 送料はいくらですか? | 【架空店舗の例】全国一律770円(税込)です。合計金額が11,000円(税込)以上の場合は送料無料になります。実装時は自店の条件と更新日に置き換えます。 |
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FAQPage構造化データの実装方法と、入れてよい条件
FAQPageは、質問と回答のペアをmainEntityという配列の中に、Question型(質問文をname)とacceptedAnswer(Answer型、回答文をtext)として並べる構造です(schema.org(FAQPage))。実装例は次の通りです。
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "FAQPage",
"mainEntity": [
{
"@type": "Question",
"name": "送料はいくらですか?",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "全国一律770円(税込)です。合計金額が11,000円(税込)以上の場合は送料無料になります。"
}
}
]
}
実装そのものはこの通り難しくありませんが、「入れてよい条件」は2026年9月時点で整理すると次のようになります。まず、Google検索のFAQリッチリザルトを目的にした条件——以前は「政府機関・医療機関のみ」という制限がありました——は、機能自体が終了したことで意味を持たなくなっています。残るのは、FAQに限らずすべての構造化データに共通するGoogleの一般的なガイドラインです。「ページに表示されていない内容をマークアップしない」「構造化データはページの内容を偽りなく表す必要がある」「無関係な内容や誤解を招く内容をマークアップしない」の3点です(Google Search Central(構造化データに関する一般的なガイドライン))。違反した場合、そのページはリッチリザルトの対象から外れますが、Web検索の順位自体には影響しないとも明記されています(Google Search Central(構造化データに関する一般的なガイドライン))。FAQPageに限って言えば表示機能自体がすでにないため、この条件は「ページ本文に実際に書いてある質問と回答だけをJSON-LDにする」という、実装上の最低限のルールとして守っておく位置づけになります。
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商品ページ・サービスページ・独立したFAQページ、どこに置くか
FAQは1箇所にまとめる必要はなく、質問の性質によって置き場所を分けたほうが、読む人にとっても文脈が伝わりやすくなります。
| 置き場所 | 向いている質問 | 理由 |
|---|---|---|
| 商品ページ内 | その商品固有の仕様・使い方・適合性に関する質問 | 購入検討中の文脈と回答が一致し、同じページ内で疑問が解消する |
| サービスページ内 | 料金プラン・契約条件・導入までの流れに関する質問 | サービス内容の説明と地続きで読める |
| 独立したFAQページ | 送料・返品・支払い方法・会員登録など、複数の商品・サービスに共通する質問 | 特定のページに紐付けると重複が発生するため、1箇所にまとめて他ページからリンクする |
独立したFAQページに置いた質問を商品ページ側でも聞かれる場合は、商品ページには結論の1文だけを書き、詳細は独立FAQページへのリンクで補う、という使い分けが現実的です。逆に独立FAQページに商品固有の質問を混ぜると、「その商品を検討している人にしか関係ない話」が並ぶページになり、他の質問を探しに来た人にとってのノイズになります。
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Shopify・WordPressでの実装

Shopifyでは、テーマにFAQ用のセクションが標準搭載されていない場合、FAQ表示用のセクションをテーマに追加し、質問・回答をメタフィールドやセクションのブロックとして登録した上で、そのデータをJSON-LDとして出力するsnippetをtheme.liquidまたは該当テンプレートに追加する実装が一般的です。Shopifyアプリストアにも、FAQ表示とJSON-LD出力をセットで提供するアプリがありますが、アプリ側が生成するJSON-LDが実際にページに表示されている質問・回答と一致しているかは、導入後にリッチリザルトテストやSchema Markup Validatorで必ず確認してください。
WordPressでは、Yoast SEOやRank MathなどのSEOプラグインにFAQ用のブロックが用意されており、ブロックエディタ上でQ&Aを入力すると、対応するJSON-LDが自動生成されるものが多くあります。プラグインを使わない場合は、本記事のように、カスタムHTMLブロックに<script type="application/ld+json">を直接記述する方法もありますが、この場合はページ本文のFAQ見出し・本文と、JSON-LD側の質問・回答の文言を手動で一致させ続ける必要があります。本文を修正したのにJSON-LD側を直し忘れる、という不一致がもっとも起きやすい実装ミスです。
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やってはいけないこと

- 広告・宣伝目的のFAQ。「なぜ弊社が選ばれるのか」のような、実際には誰も質問しない宣伝文句を疑問形にしただけの項目は、FAQではなく広告です。読む人にもAIにも、実際の疑問への回答としては扱われません。
- ページに表示されていない内容をJSON-LDだけに書くこと。Googleの一般的なガイドラインで明確に禁止されています(Google Search Central(構造化データに関する一般的なガイドライン))。本文を見た人と、JSON-LDを読み取る機械とで、得られる情報が変わってしまいます。
- 1つの回答に複数の論点を詰め込むこと。1問1答の原則が崩れ、他ページへの参照なしでは答えが完結しなくなります。
- 同じ質問文を複数のページに使い回すこと。検索エンジン・AIの双方にとって、どちらが正しい回答かを判断しづらくなります。置き場所を1箇所に決め、他ページからはリンクで誘導してください。
- 一度作って更新しないこと。価格・送料・営業時間などは変わります。FAQは公開して終わりではなく、内容が変わるたびに見直す前提の情報です。
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よくある質問(FAQ)
FAQPageの構造化データを入れると、まだGoogleの検索結果で目立つようになりますか?
なりません。FAQリッチリザルトの機能自体が2026年5月7日以降Google検索に表示されなくなっており、該当のドキュメントも2026年6月15日に削除されています。政府機関・医療機関のサイトを含め、現在はどのサイトであってもこの機能による表示の変化は起こりません。
リッチリザルトに出ないなら、FAQPageのJSON-LDを入れる意味はありませんか?
見た目の効果はなくなりましたが、Googleは構造化データをページの内容を理解するための情報としても使うと説明しており、schema.orgのFAQPageという型自体も現行の語彙として維持されています。表示機能とは別に、ページの内容を機械が読み取りやすい形で示す役割は残っています。
FAQに書く質問は、どうやって選べばいいですか?
自社の商品名や社内用語で質問を作るのではなく、問い合わせ履歴・接客時の質問・Search Consoleの検索クエリ・広告のキーワードレポートなど、お客様が実際に使っている言葉から拾ってください。社内でしか通じない言い回しのまま公開すると、その言葉で検索する人もAIに質問する人もいないため、読まれません。
FAQの回答はどのくらいの長さで書けばいいですか?
目安は3〜5文です。最初の1〜2文で結論を示し、前提条件や例外はその後に補足として続けます。他ページへのリンクは補足情報にとどめ、リンクを読まなくても回答として成立する状態にしてください。
FAQは商品ページと独立したFAQページ、どちらに置くべきですか?
質問の性質で使い分けます。商品固有の質問は商品ページ内に、料金・契約条件などはサービスページ内に、送料・返品・支払い方法など複数のページに共通する質問は独立したFAQページにまとめ、各ページからリンクで誘導する形が実務的です。
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まとめ|リッチリザルトではなく、問いと答えの中身で拾われる

FAQページの価値は、Googleのリッチリザルトという見た目の機能から切り離して考える必要があります。FAQリッチリザルトはすでに終了していますが、問いをお客様の言葉で立て、1問1答で完結させて書くという中身の作り方自体は、リッチリザルトの有無に関係なく効果を持ちます。実装する場合は、ページに表示されている質問・回答だけをJSON-LDにするという最低限のルールを守ってください。構造化データ全体の実装はShopifyの構造化データ実装ガイド、AI検索対策全体の優先順位はECサイトのGEO対策にまとめています。自社が何から着手すべきか迷う場合はAIO無料診断もご利用ください。
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