近頃、実店舗で商品を販売するだけではなく、ネットショップを取り入れている企業が増加していますが、その手法がECサイトです。
ECサイトの中でも世界で最も利用されているのが「Shopify」です。カナダ発祥の世界175ヵ国で100万以上のストアが開設されています。
Shopifyでストアを開設したらそれで終わりではく、分析を行って売上を作っていくことが重要です。
この記事では、Shopifyのストア分析方法を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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Shopifyのストア分析とは?
ストア内のアクティビティやインサイトを確認し、オンラインストアを分析して最適化するツールが、Shopifyのストア分析です。Shopifyのストア分析には、次のような機能があります。
- ダッシュボード
- レポート
- ライブビュー
ダッシュボード
ダッシュボードとは、アクセス数や販売額、購入率などオンラインストアの運営における指標を確認できる機能です。レポート内を確認すれば、より詳細な指標を確認することもできます。ダッシュボードで確認できるデータは、全16項目です。
- コンバージョン率
- 平均注文額
- リピーター率
- ロケーション別の売上
- ソーシャルソース別の売上
- スタッフ別の売上
- トラフィック別の売上
- 上位のランディングページ
- 販売単位別の商品
- セッション別の参照元
- セッションの合計
- マーケティングによる売上
- デバイス別のセッション
- ロケーション別のセッション
- トラフィック別のセッション
- ソーシャルソース別のセッション
レポート
レポートは、より細かくデータを分析できるツールのことです。ただし、契約するプランによって使える機能は異なるため注意しなければいけません。
レポートで確認できるデータは、以下のとおりです。
- 集客
- 財務
- 在庫
- 行動
- 注文管理
- マーケティング
- カスタムレポート
- 製品分析
- 小売販売
- 顧客管理
- 利益率
- 売上
ライブビュー
ライブビューは、ストアへのアクセスやユーザーの行動をリアルタイムで確認できるツールです。ユーザーの行動も確認できるため、ストアの現状を分析したい場合に役立ちます。
ライブビューで確認できるデータは、以下のとおりです。
- 販売合計
- 現在の訪問者
- セッション数
- 注文総数
- ロケーション
- 顧客管理
- ユーザーの行動
- 上位の商品
Shopifyのストア分析を行うメリットとは?
上記でShopifyで活用できるストア分析について概略をお伝えしてきました。多種多様なデータを利用できることが、お分かりいただけたと思います。
しかし、実際にこのデータが自社にどう役立つのか?イメージできないということもあると思いますので、ここではShopifyストア分析機能を活用するメリットについて解説します。
1.マーケティングへの活用
Shopifyストア分析機能から得られたデータを、自社のマーケティング施策に活用するのは、大きなメリットの1つです。
具体的な活用例としては「サイト内検索」でどのようなキーワードが入力されているかや、どの商品ページにアクセスが集まっているのかを確認し、顧客ニーズを把握。その後、期間限定でニーズの高い商品をキャンペーンで販売する、などの活用が考えられます。
2.ECストア運営上の問題点を素早く把握
Shopifyストア分析機能は、他のツールとは異なり、かなり細かい点をデータとして把握することができます。そのため、ECストア運営上の問題点を素早くつかむことにも役立ちます。
例えば「新規顧客とリピート顧客の販売数比較」などはその1つです。リピートが多いことは好ましいことですが、極端に新規顧客が減っている場合、将来の売上が先細りになってしまうリスクがあります。
そういった問題点に気づくことで、集客のための広告強化やオウンドメディアの活性化など、様々な施策を早めにとることができます。
他の分析ツールでは、全体の売上数などは把握できても、Shopifyストア分析機能ほどには細かくないため、問題点の把握がそれだけ遅れてしまうことにもなります。このように、Shopifyストア分析機能を使えば、自社ECサイトの問題点を素早く見つけ出し、継続的な業務改善を行うことができるのです。
3.ECサイト運用の効率化
通常、ECサイトを運営していれば毎月、収支の分析や在庫の把握など様々な管理業務が発生します。各データをエクセルなどに入力するだけでも相当な時間がかかるのではないでしょうか。
しかし、Shopifyストア分析機能を利用すれば、自社に必要なレポートはほぼ一式、標準で揃っています。
例えば、財務サマリーページでは、指定した期間中の売上、決済、売上総利益などのデータを確認することができます。
また、ECサイト運用に関わる複数人でデータを共有管理できるという点も、業務の効率化に大きく寄与します。
例えば顧客からの問い合わせに対応するにしても、Shopifyストア分析機能を使えば、データを共有できるため、「二重返信・対応漏れ・対応忘れ」などのトラブルを防ぐことが可能です。
以上、主な利点を3つ取り上げてきましたが、Shopifyストア分析機能はECサイトの売上拡大には欠かせないものと言えるでしょう。
Shopifyのストア分析・アクセス解析をする3つの方法
Shopifyで分析を行うには、以下の3つの方法があります。
- 標準機能を利用
- アプリを用いる
- 外部ツールの利用
3つの分析ツールを使って、ストアの運営体制をうまく整えていきましょう。
それぞれ解説していきます。
標準機能を用いてShopifyのストア分析する方法
Shopifyの標準機能で分析できる内容は下記の表にある項目です。
プランによって利用できる機能が違ってくるので、確認しておきましょう。
Shopify Lite | ベーシック | スタンダード | プレミアム | Shopify Plus | |
ダッシュボード | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
財務レポート | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ライブビュー | ― | ○ | ○ | ○ | ○ |
集客レポート | ― | ○ | ○ | ○ | ○ |
在庫レポート | ― | ○(4/5ページ) | ○ | ○ | ○ |
行動レポート | ― | ○(5/6ページ) | ○ | ○ | ○ |
マーケティングレポート | ― | ○(1/5ページ) | ○ | ○ | ○ |
販売レポート | ― | ― | ○ | ○ | ○ |
POS販売レポート | ― | ― | ○ | ○ | ○ |
利益レポート | ― | ― | ○ | ○ | ○ |
顧客レポート | ― | ― | ○(5/7ページ) | ○ | ○ |
カスタムレポート | ― | ― | ― | ○ | ○ |
ダッシュボードの分析
ストア分析から「ダッシュボード」を開くと以下のデータが表示されます。
- 販売合計
- オンラインストアのコンバージョン率
- オンラインストアのセッション率
- 平均注文金額
- リピーターの割合
- 総注文数 等
ダッシュボード機能はリピーター率やコンバージョン率も閲覧でき、これらは売上に関わってくる部分なので、しっかり運営に活かせるように分析します。
レポート機能
また、「レポート機能」もあり以下の項目をチェックできます。
- 財務:財務情報を確認できる
- 行動:ユーザーの行動を分析できる
- 販売:ユーザーの注文に関するデータを把握できる
- POS:POS注文の情報をまとめたもの
- 顧客:ユーザーの平均注文単価・予想購入額を把握するためもの
- 利益:マージンや利益に関する情報が確認できる
- 集客:ストア内の時間の経過・参照元・ロケーションによるセッションを確認できる
- 在庫:1日に販売された商品の数と割合を把握できる
- マーケティング:ストアの注文に関する情報がまとめられている
- カスタム:必要なデータを絞り込み表示できる
カートや決済の情報も把握できるため、分析するなら決済をメインにすると良いです。
具体的には、「よく使われている決済方法は何か」「売上が良い決済方法はどれか」などの情報が分かるので、ストア運営の改善に役立つデータになります。
ただし、ダッシュボードと財務レポート以外の機能を利用するには、ベーシック以上のプランを契約しないと利用できません。
アプリを用いてShopifyのストア分析をする方法
Shopifyのアプリケーションは数千種類もあり、ストアの需要に合わせてアプリを導入することで、細かく分析が可能になります。
特に取り入れておいた方が良いのが「ヒートマップ」を作成できるアプリで、視覚的に分析できます。
ヒートマップアプリ
おすすめアプリ ラッキーオレンジヒートマップ&リプレイ(Lucky Orange Heatmaps & Replay)
ヒートマップを作成できる「ラッキーオレンジヒートマップ&リプレイ(Lucky Orange Heatmaps & Replay)」というアプリがあります。
このアプリを使うと、顧客の「マウスの動き」を捉えて、どのように行動していたのかヒートマップを作ってくれるのです。
ヒートマップ以外にも、モニタリング機能も搭載されていてユーザーのアクションを分析できます。
非常に人気で必ず導入するべき、と言われているアプリです。
アプリの月額料金
ラッキーオレンジヒートマップ&リプレイのアプリは、無料期間が1週間あります。
1週間を過ぎたら、下記の表からプランを選んで利用することになります。
スターター | スモールビジネス | ミディアム | ラージ | エンタープライズ | |
月額料 | 10ドル | 20ドル | 50ドル | 100ドル | 問い合わせ |
閲覧ページ | 25,000 | 60,000 | 200,000 | 500,000 | 1億 |
使用サイト | 1 | 3 | 8 | 16 | 問い合わせ |
アプリの機能について
ラッキーオレンジヒートマップ&リプレイのアプリは、ヒートマップ作成に加えて他にも機能があり、よく使われるのがこちらです。
- ヒートマップ作成
- レコーディング機能
- ユーザーの動きをリアルタイム分析
それぞれ解説していきます。
ヒートマップ作成
自分のストア内で、ユーザーがどのようなアクションをしているのか視覚的に把握できるのがヒートマップです。
主な機能は下記になります。
- 訪問したユーザーのマウスの動きを捉える
- クリックした部分を可視化
ストア運営者は顧客の動きをヒートマップで把握できるので、どこにクリックが多くされているのか分析できます。
分析した結果から、ストアのレイアウトやボタン配置を反映させられという訳です。
Webマーケティングの専門知識がなくても、視覚的にユーザーの動きが判断できるので、改善点を発見しやすいです。
レコーディング機能
ラッキーオレンジヒートマップ&リプレイには、レコーディング機能も搭載されており、ユーザーがストアを訪問してから退室するまでのマウスの動きを録画しています。
そのため、自分のストアに訪問したユーザーが、どのようにサイト内を見ているのか、その動きを捉えることができます。
- ユーザーは最初に何から見るのか
- 購入は即決しているか
- 商品のサイズなど確認しているか
上記の項目などが、マウスの動きから把握できるようになります。
ユーザーの動きから、ボタンだと間違われていた文字だったり、逆にボタンなのに気づいてもらえなかったりするポイントが発見できるので、ストアの改善に役立ちます。
ユーザーの動きをリアルタイム分析
レコーディング機能と似たような機能になりますが、異なるポイントは録画ではなく、リアルタイムに見られることです。
多少時間のずれは生じますが、リアルタイムで自分のストアに訪問しているユーザーの動きを把握できます。
加えて、リアルタイムに訪問してくれているユーザーに対し、直接チャットを送ることもできます。
その他のおすすめアプリ
おすすめアプリ SEO Image Optimizer Wizard
ほかにもShopifyのストア分析におすすめのアプリが「SEO Image Optimizer Wizard」です。
このアプリは、サイトのパフォーマンスを分析し、自分のストアの優れている点や劣っている点を示してくれるので、ストア運営がうまくいっていない時におすすめのアプリと言えます。
外部ツールを用いてShopifyのストア分析をする方法
API連携によって外部ツールを導入して分析できる方法があります。
たくさん外部ツールはありますが、特に導入しておいた方が良いのは、WEBサイト解析ツールの「Googleアナリティクス」と「Googleサーチコンソール」です。
両者ともGoogleが無償で提供しているので、ぜひ利用しておきたい分析ツールです。それぞれ解説していきます。
Googleアナリティクス
いろいろなWEBサイトに導入されているアクセス解析ツールです。
GoogleアナリティクスはShopifyにも用いることができ、分析方法や使い方の情報は検索するとすぐに出てくるのはメリットです。
分析できる内容はたくさんありますが、特に重要な項目は以下になります。
- アクセス数
- 滞在時間
- ユーザーのエリア
- デバイス
ユーザーについて分析できることは有益になります。
Googleサーチコンソール
Googleアナリティクスはユーザーの行動を分析するのに対し、GoogleサーチコンソールはGoogleで検索された時の情報を知ることができます。
特にチェックしておくべき項目は以下になります。
- 検索キーワード
- クリック数
- 表示回数
- 検索ページ
- 平均検索順位
どのようなキーワードから検索されているのか、自分のサイトの順位はどのくらいなのか、クリック数などのデータは、しっかり把握しておくことが大切です。
Googleアナリティクスの分析例
外部ツールのGoogleアナリティクスを使った分析例を2つ紹介していきます。
- ストアへのアクセスが8割スマートフォンだった場合
Googleアナリティクスを使ってデータ分析したところ、スマートフォンから8割のアクセスがあったという結果だった場合、パソコンではなくスマトーフォンで見やすいサイト設計をする必要があります。
また、アクセスのほとんどがスマートフォンだった場合、画像が適した場所に配置されているのか考えなくてはなりません。
スマートフォンから見て画像が小さすぎないかチェックして、小さかったら別の画像に変更して改善するような手順です。
- 離島のエリアからアクセスが多かった場合
Googleアナリティクスを使ってデータを見たら沖縄などの離島からのアクセスが多かった場合、「送料設定」に着目します。
配送日数にどのくらいかかるのか記したり、送料を登録したりするなど工夫をすることで、ユーザーに喜ばれるストアになるでしょう。
Shopifyのストア分析をする際のポイント
オンラインストアで利益を上げるためには、データを分析して随時反映していくことが大切です。しかし、Shopifyのストア分析を実施する際は、いくつか注意したいポイントがあります。
- データが一致しない場合がある
- データの更新には時間がかかる
ストア分析の利用におけるポイントを押さえておくことで、より有効なデータ分析を行えます。それぞれのポイントについて確認していきましょう。
ポイント①データが一致しない場合がある
ストア分析は複雑なところがあり、基本的にはShopifyの定義のもと数値化されています。外部ツールを利用してストア内の分析を行うと、異なるデータが表示される場合も多いです。
例えば、セッションの定義やレポートによるタイムゾーンの違いなどがあります。ストア分析と外部ツールのすべてのデータを一致させることは困難であることを理解しておきましょう。
ポイント②データの更新には時間がかかる
ストア分析は、リアルタイムで表示されるデータがあります。現時点でのデータを取得できるので、すぐに知りたい場合に最適です。
ただ一方で、データが表示されるまで半日~2日かかることもあります。どのような分析方法を選ぶかでデータの更新にかかる時間が異なるので、事前に確認しておくことが大切です。特に、レポートの更新日時は随時確認しておきましょう。
Shopifyのストア分析を活用しない方が良いケースもあるのか?
Shopifyストア分析機能は、非常に高機能でほとんどのECサイトにとって、活用することが望ましいです。
しかし、場合によっては活用することで混乱を招くため、あえて使用しないという選択をした方が良いときや、別システムで補完した方が良いというケースもありますので、ここで紹介しておきます。
Shopify以外のECサイトで販売を行っている
Shopifyストア分析機能は、Shopifyで構築したECストアのみ分析する事ができます。そのため、アマゾンや楽天市場に出店しているような場合は、データの一元管理ができません。
仮にAmazonで商品が売れても、そのデータがShopifyのデータに反映されるわけではないため、手動で連携させる業務を行う必要が出てきます。
このように、データ管理が煩雑になってくると運営上のミスが多くなる上、正しく経営状態を把握することが困難になります。そのため、複数のECサイトで販売を展開している場合は、それらのデータを一元管理できるように別のシステムを利用した方が妥当です。
実店舗で売買を行っている
Shopifyのストア分析機能は、実店舗で売買されたデータを自動で反映することができません。そのため、実店舗で商品の売買を行っている場合、少なくともShopifyのストア分析機能以外の別システムで補完する必要があります。
これも先ほど挙げたAmazonや楽天市場で併売している場合と同じく、データを一元化できないため、管理が煩雑になってしまうということが理由です。
例えば、既に実店舗で完売し、在庫切れとなった状態でも、それがShopifyのECサイトに反映される訳ではありません。手動で逐一、在庫数などのデータを同期する必要があります。
そのため、万が一、ECサイトへデータの反映が遅れたり、単純な入力ミスがあれば、お客様との間でトラブルに発展してしまうことも考えられます。
典型的な業界としては、リユース業です。
リユース業では実店舗で商品を売買し、かつ買い取った商品をモールなどを含めて複数のECサイトで併売出品することが多くなります。そのため、Shopifyのストア分析機能だけで全てのデータを管理することは、現実的に難しいと言えるでしょう。
この場合、売買が行われている箇所の全てを横断的に把握するシステムが必要です。
以上、ネット上でShopify以外のECサイトを利用し併売している場合や、実店舗で同一商品を扱っている場合などは、Shopifyのストア分析機能をあえて活用せず、別ツールの導入を考えてみてください。
まとめ:Shopifyのストア分析をフル活用して売上を上げる方法を解説
Shopifyのストア分析の方法について解説しました。Shopifyの分析は標準機能だけでも十分行えますがアプリを導入することで、より細く手間をかけずに分析できます。
また、外部ツールのGoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールは必ず導入することをおすすめします。PDCAを回してサイト運営することは重要なので、きちんとサイトの現状を把握し、改善していき売上を伸ばしていきましょう。
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