D2Cは、企業が直接消費者と取り引きをするビジネスモデルです。顧客データを蓄積できたり見込み客を獲得できたりなど、D2Cビジネスには多くのメリットがあります。今回は、メンズアパレル業界でD2Cビジネスが注目される理由や成功するポイントを解説します。D2Cメンズアパレルブランド成功事例も紹介するので、参考にしてください。
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D2Cとは?
D2Cは、企業が直接消費者と取り引きをするビジネスモデルです。英語では、「Direct to Consumer」と表記します。2000年代後半から、D2Cを採用する企業が増えてきています。ここからは、D2Cの仕組みや将来の成長規模、従来のビジネスモデルの違いを確認していきましょう。
D2Cの仕組み
D2Cは、仲介業者を介さず、ECサイトを利用して直接消費者とやり取りするビジネスモデルです。消費者に直接商品を売る手法は以前から存在していましたが、D2Cはインターネットをビジネスに活かしているのが大きな特徴です。
たとえば、アパレル業界の場合、本来は衣服を工場で製作したあとは問屋に下ろすのが一般的でした。しかし、D2Cは注文を受けると自社倉庫から直接顧客に商品を届けます。問屋といった仲介業者がいないため、すべての作業は自社で担います。
D2Cの成長規模
今大きな注目を集めるD2Cビジネスは、年々成長し続けています。とくに、スマホが普及した2010年頃からは急激な成長を見せています。これまで実店舗でしか買い物できませんでしたが、スマホの普及でネット購入ができるようになりました。スマホの普及がD2Cビジネスを後押ししているのです。
また、従来はモノに価値が置かれていましたが、体験を重視したいと考える消費者が増えています。D2Cブランドは、事業主の原体験から着想を得た商品開発から始まるものが多いです。高い体験価値を得られるとして消費者から注目を集めています。
今後もD2Cの成長規模は拡大していくことが予測されています。この波に乗るには、D2Cビジネスに力を入れることが重要です。
従来のビジネスモデルの違い
これまでのビジネスモデルは、メーカーが製作した商品が消費者に届くまで卸問屋や小売店、代理店など複数の仲介業者を介します。仲介業者を介すると仲介手数料(マージン)が発生するため、最終的にメーカーの利益が少なくなることがあります。
しかし、D2Cビジネスは仲介業者が入らないため、メーカーの利益を上げられるのです。また、仲介手数料が発生しないため、従来より安い価格で商品を提供できることもあります。消費者にとっても大きなメリットのあるビジネスモデルです。
D2Cがアパレルブランドで注目される理由
D2Cがアパレルブランドで注目される理由には、次のようなものが挙げられます。
- 理由1.顧客データを蓄積できる
- 理由2.カスタマイズ性が高い
- 理由3.見込み客を獲得できる
- 理由4.顧客の声を直接聞ける
- 理由5.コストを抑えられる
それぞれの理由について解説します。
理由1.顧客データを蓄積できる
D2Cがアパレルブランドで注目される理由として、顧客データを蓄積できることが挙げられます。D2Cは仲介業者を介さず、自社サイトで直接消費者に商品を販売できます。
そのため、顧客の個人情報はもちろんのこと、販売履歴やリピート率など自社で顧客データを蓄積することが可能です。顧客データの収集により、商品開発やマーケティングに活用できるため、売上増加につなげられます。
理由2.カスタマイズ性が高い
D2Cビジネスは、独自のマーケティング施策をおこなえるなどカスタマイズ性に優れています。たとえば、大手プラットフォームを利用している場合、利用者には多くの制約が設けられており、キャンペーンを自由におこなえないことも多いです。
独自のマーケティング施策をおこなえないため、競合他社との差別化も難しくなります。D2Cビジネスであれば、インフルエンサーを起用したキャンペーンなど独自のマーケティングが実施可能です。
理由3.見込み客を獲得できる
D2Cビジネスは、見込み客の獲得に効果があります。従来のビジネスモデルと異なり、D2Cはブランドの世界観まで提供できます。近年はモノより体験を重視する消費者が増えており、共感を得られないと購入につながらないことも多いです。
しかし、商品誕生までのストーリーを自社サイトやSNSを通して発信すれば、そこに共感してくれる消費者が増えます。見込み客にもアプローチできるため、顧客へと変わる可能性が高まります。
理由4.顧客の声を直接聞ける
大手プラットフォームに出店するなど従来のビジネスモデルでは、自社で顧客データを蓄積するのが困難でした。どのような人が、どのような商品を購入してくれたのか情報を得られなかったのです。
しかし、D2Cビジネスは自社で個人情報はもちろんのこと、購入商品や購入頻度、リピート率など詳細な顧客データを蓄積できます。また、SNSでは直接顧客とやり取りができ、実際に商品を利用した顧客の生の声を聞くことが可能です。より顧客が求める商品開発や改善に活かせます。
理由5.コストを抑えられる
D2Cビジネスは、商品製作から販売までにかかるコストを抑えられます。仲介業者が入ると、衣服を製作するメーカーから顧客の手元に届くまでさまざまな仲介手数料が発生します。仲介手数料が発生すると、その分だけ商品価格も高くなるのです。
一方、D2Cビジネスは仲介業者が入らないため、仲介手数料は発生しません。また、販売はすべて自社サイト上でおこなうため、店舗のテナント料や人件費なども削減できます。結果的に、安い商品価格で消費者に提供することが可能になります。
D2Cメンズアパレルブランド成功事例7選
D2Cメンズアパレルブランド成功事例には、次のようなものが挙げられます。
- D2Cメンズアパレル1.FABRIC TOKYO(ファブリックトーキョー)
- D2Cメンズアパレル2.10YC(テン ワイ シー)
- D2Cメンズアパレル3.Factelier(ファクトリエ)
- D2Cメンズアパレル4.ALL YOURS(オールユアーズ)
- D2Cメンズアパレル5.Bonobos(ボノボス)
- D2Cメンズアパレル6.HushTug(ハッシュタグ)
- D2Cメンズアパレル7.Knot(ノット)
それぞれの成功事例について詳しく解説します。
D2Cメンズアパレル1.FABRIC TOKYO(ファブリックトーキョー)
公式サイト FABRIC TOKYO
FABRIC TOKYOは、オーダースーツブランドです。実店舗で採寸や記事選定をおこない、販売は自社サイト上でおこないます。一度採寸をおこなえば、そのデータが保存されるため、ネット上で簡単にオーダースーツを購入することが可能です。
採寸や記事選定をおこなうため実店舗は必要ですが、スーツを取り揃える必要はありません。実店舗は比較的コンパクトなサイズ感で、賃料や人件費などの固定費を削減できます。高品質なオーダースーツを手頃な価格で提供することに成功しました。
D2Cメンズアパレル2.10YC(テン ワイ シー)
公式サイト 10YC
「10年着続けたいと思える服」をコンセプトに立ち上げたアパレルブランドです。長く着続けてもらうために商品を売るだけでなく、修理や染め替え、下取りなどのサービスを提供しています。
ただし、修理や染め替えに出してもらうのは、顧客に手間がかかることも多いです。お客様に長く着続けたいと考えてもらうには、「修理や染め替えを依頼したい」と思ってもらえるコミュニケーションを取ることが求められます。消費者との関係を重視することで継続的な関係を構築できます。
D2Cメンズアパレル3.Factelier(ファクトリエ)
公式サイト Factelier
「語れるもので日々を豊かに」をコンセプトに立ち上げられたアパレルブランドです。職人を大切にしており、大量生産は一切していません。また、工場直販で仲介業者が介入しないため、高品質な商品でもお手頃な価格で販売できます。
さらに、今は物より共感を重視する消費者が増えています。その結果、「消費者だけでなく、作り手を大事にするブランドを選びたい」と考える人が増えているのです。そんな消費者を獲得すべく、「日本の職人を大切にする」を目指し、その考え方に共感を得た消費者の獲得に成功しています。
D2Cメンズアパレル4.ALL YOURS(オールユアーズ)
公式サイト ALL YOURS
「着ていることすら忘れてしまう」をコンセプトにしたアパレルブランドです。ファッションには華やかで煌びやかな印象がありますが、そのイメージを覆すような洋服を提案しています。たとえば、アップル創業者であるスティーブ・ジョブズ氏は、毎日黒のタートルネックを着用していました。
このようにALL YOURSでは、自分の皮膚のように一体化して馴染む洋服を販売しているのです。近年は商品そのものより、共感を重視する消費者が増えています。ALL YOURSでは、生き方に通じるファッション論で消費者にアプローチしています。消費者に直接働きかけられるD2Cビジネスを選び、ブランド認知に成功しています。
D2Cメンズアパレル5.Bonobos(ボノボス)
公式サイト Bonobos
「男性にもデニム以外のパンツの選択肢がほしい」という思いから、メンズパンツのみを取り扱うメンズアパレルブランドです。2007年に創業して半年間で約450万円の売上に成功しています。
人気は加速し続け、創業から10年で合計約147億円の投資を受けるほどブランドは成長しました。ECサイト内ではカスタマーサービスに力を入れ、お客様の要望に合わせた提案をおこないます。オンライン上での柔軟な接客に成功し、多くの男性の心を掴んでいます。
D2Cメンズアパレル6.HushTug(ハッシュタグ)
公式サイト HushTug
レザー関連の商品を多く取り扱うアパレルブランドです。HushTugでは、上質なモンゴルレザーを使用したメンズバッグをお手頃価格で販売しています。商品価格を抑えて安く販売できるのは、仲介業者を挟まないD2Cブランドだからです。
ただ一方で、メンズバッグを作成する職人への給料は下げていないのが特徴です。モンゴルレザーを使用することで、モンゴルの産業支援にもつながります。このような活動により、ブランドの想いに共感してくれるファンを着実に増やしています。
D2Cメンズアパレル7.Knot(ノット)
公式サイト Knot
カスタマイズウォッチ」のパイオニアである時計ブランドです。2014年に吉祥寺の小さなマンションの一室で誕生して以降、モノづくりで人と人の思いを結んできました。Knotでは、単に時間を見る道具を販売しているわけではありません。
大切な人と過ごす思い出や職人の伝統技術を、将来へとつなげることを使命と考えています。このような考え方を自社サイトで発信し、共感してくれる顧客獲得に成功しています。
D2Cメンズアパレルブランドの成功理由
D2Cメンズアパレルブランドの成功理由には、次のようなものが挙げられます。
- 成功1.ターゲットが明確である
- 成功2.ブランドの世界観がある
- 成功3.SNSを活用している
- 成功4.効果測定を実施している
それぞれの成功理由について詳しく解説します。
成功1.ターゲットが明確である
D2Cで成功するメンズアパレルブランドは、ターゲットを明確に設定しています。ターゲットが曖昧なブランドは、どんなに良い商品を開発しても、顧客の興味や関心を惹くことはできません。
特に、近年は商品より共感が重視されているため、ターゲット層に向けた商品開発が重要です。ブランドを立ち上げる前に、明確なターゲットを定めましょう。すでにブランドを立ち上げている場合は、ターゲットを見直すのが良いかもしれません。
成功2.ブランドの世界観がある
D2Cで成功するメンズアパレルブランドは、独自の世界観があることが多いです。インターネットが普及したことにより、消費者は好きなものを手軽に購入できるようになりました。
しかし、インターネット上は商品で溢れており、その中で利益を上げるには消費者に選んでもらう必要があります。そこで重要になるのが、他者と異なる世界観を持つことです。世界観に共感する消費者がいれば、新規顧客獲得にもつなげられます。
成功3.SNSを活用している
D2Cメンズアパレルブランドは実店舗を持たず、ECサイトで販売することが多いです。ただECサイトを運営してもお客様は訪問してくれず、認知を高めるPR活動をおこなうことが重要です。そこで多くのブランドが活用しているのがSNSです。
SNSは、一方的に情報を発信する場でなく、顧客と直接コミュニケーションが取れます。質の高いコミュニケーションを積み重ねることで、信頼関係を構築できる場合があるのです。結果的に、継続的に購入してくれる優良顧客になることがあります。
成功4.効果測定を実施している
D2Cで成功するメンズアパレルブランドは、効果測定を実施しています。D2Cビジネスは、すぐに効果の得られるものではありません。期待する効果を得るには効果検証を繰り返し実施して、ブランドそのものを改善していくことが重要です。
社会は常に変化しており、「昨年まで売れていた商品が今年は売れなくなる」といった現象はよく起こります。効果測定すれば、社会の変化にいち早く気づけることも多いです。商品開発やマーケティングに活かせるので、効果測定を定期的におこないましょう。
D2Cメンズアパレルブランドを立ち上げるならShopify
公式サイト Shopify
D2Cメンズアパレルブランドを立ち上げるなら、世界でもっとも利用されているECプラットフォーム「Shopify」がおすすめです。初期費用は不要で月額課金制を採用しており、費用を抑えてECサイトを運用できます。また、初心者でも簡単にサイトを構築できるので専門知識は必要ありません。
SNS連携にも対応しているので、集客するための施策をおこなえます。 越境ECに対応しているため、国内だけでなく、将来的に海外にも販売経路を拡大させたい方にも最適です。お試し期間もあるため、気になる方は試してみてはいかがでしょうか。
まとめ:D2Cメンズアパレルブランド成功事例7選!成功させるためには?
D2Cの市場規模は拡大しており、今後も成長し続けることが予測されています。近年はメンズアパレルブランドでもD2Cビジネスを取り入れる企業が増えており、実際に成功する事例も多いです。
ただし、単にD2Cビジネスを取り入れてもメンズアパレルブランドが成功するわけではありません。ターゲットを明確にしたり、ブランドの世界観を構築したりすることが求められます。ここで紹介したメンズアパレルブランドの成功事例を参考に、D2Cビジネスの導入を進めましょう。
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