ネットショップの開設について検索していると、「世界シェア率No,1のShopify」という文字を頻繁に目にしませんか。しかし「Shopifyとは何か」が分からず、疑問を抱えている方も多いと思います。
そこで今回はShopifyについて、基本的な機能や料金、メリット・デメリット、他社との違いなど、気になる特徴をまとめてみました。少しでも興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
Shopify(ショッピファイ)とは
Shopify(ショッピファイ)とは、世界シェア率No.1のECサイト構築サービスです。2004年にカナダで誕生したNYSE(ニューヨーク証券取引所)の上場企業であり、世界175か国・100万以上のネットショッピングサイトがShopifyを導入しています。
他国の言語・通過に対応している他、シンプルかつ高性能な機能・サービスが良いと好評です。日本では、2017年に日本法人「Shopify JAPAN」を設立し、和訳を含め国内向けの調整が始まっています。2020年1月には日経新聞でも紹介され、より一層多くの注目を集めるようになりました。
Shopify(ショッピファイ)の基本機能
Shopifyの基本機能は、消費者側が使用する「フロント機能」と運営者が使用する「管理機能」と大きく2つあります。
消費者(ユーザー)側が使用する「フロント機能」
フロント機能には、「商品ページ」「カートチェックアウト」「顧客管理」「ブログ」「ブログ」といったものがあります。消費者にとって分かりやすく、使いやすいサイトを作るのに必要な便利機能が詰まっています。商品の魅力を消費者に届ける、サイトの表向き機能というイメージです。
運営者(バックオフィス)側が使用する「管理機能」
管理機能には、「アカウント管理」「オンラインストア」「販売チャンネル」「ホームページ」「商品管理」「ドメイン」「決済方法」「配送」「ストア分析」「コンテンツ管理」「生産性向上ツール」などの、実に豊富な機能が備わっています。
消費者が安全にサイトを利用できるように環境を整える他、商品の販売・在庫などの状況を把握するのに欠かせない機能です。
Shopify(ショッピファイ)の料金プラン
Shopifyでは、料金やサービス内容の異なる3つのプランを用意しています。
ベーシック | ビジネスを新しく始めるのに必要な最低限な機能 |
スタンダード | ビジネスの更なる成長をサポートする機能 |
プレミアム | ビジネスの規模を広げる高度な機能 |
プラン別に具体的な違いをまとめましたので、以下を参考に確認してみてください。
月額29米ドル:ベーシックプラン
ベーシックプランは、ECサイト運営に必要な最低限のサービスを提供しています。以下の内容は他2プランとも共通しており、Shopifyのベースとなっているのがポイントです。
- ECサイト・ブログを含むネットショップ
- 24時間体制のサポート
- 販売チャンネルの追加機能
- 手動による注文作成
- クーポンコード
- 無料SSL証明書
- かご落ち対策
- ギフトカード
ただし、「各料金・手数料」「管理権限の付与可能人数」だけは、他2プランとは異なります。管理権限の付与可能人数は3人までであり、海外のオンラインクレジットカード手数料が3.9%、日本のクレジットカード手数料が3.4%発生します。
月額79米ドル:スタンダードプラン
ベーシックプランの内容に加えて「プロフェッショナルレポート」のサービスが利用できます。時間帯による変化・初回とリピーターの違い・国別の販売状況など、カテゴリーごとに顧客を分析できるのが特徴です。
「どんな人が」「どのように利用して」「どのように商品を購入しているのか」ストアに必要なデータを効率よく整理できます。また管理権限の付与可能人数が5人に増え、海外のオンラインクレジットカード手数料が3.85%、日本のクレジットカード手数料が3.3%まで下がります。
月額299米ドル:プレミアムプラン
スタンダードプランに加えて、マーケティングの戦略・分析に役立つ「カスタムレポートビルダー」と、最新かつ正確な配送料を自動計算する「外部サービスの計算済配送料」の2つが利用できます。プレミアムプランであれば、Shopifyが提供する全サービスを活用できるのが特徴です。
管理権限の付与可能人数は15人にまで増え、海外のオンラインクレジットカード手数料が3.8%、日本のクレジットカード手数料が3.25%まで下がります。
Shopify(ショッピファイ)のメリット7つ
Shopifyには、以下7つのメリットがあります。
- コストパフォーマンスに優れている、
- 拡張機能アプリが充実している
- SNS連携力が高く、集客に強い
- 初めてでも簡単にサイトを構築・更新できる
- 海外向けサイトに挑戦しやすい
- API連携による業務効率化が見込める
- クラウド型サービスで常に最新機能が利用できる
コストパフォーマンスに優れている
Shopifyでは初期費用が掛からず、基本的には月額制で提供しています。各手数料については最低水準を維持しており、販売事業に関する金銭的負担を軽減できるのが魅力です。
また、1~3年の年間契約者(一括払いのみ)に向けて、「1年・10%OFF」「2年・20%OFF」「3年・25%OFF」の割引サービスも設けています。
必要な機能を都度追加できるため、「ひとまずコスト押さえて、質の高いECサイトを作りたい」という方は、特にShopifyがおすすめです。
拡張機能アプリが充実している
Shopifyでは、拡張機能のあるアプリが充実しています。独自アプリを開発している他、3,000種類以上も完備しているのが魅力です。
専用APPストアから取り込むことで、誰でも簡単にECサイトのクオリティの向上を見込めます。好みの形・デザインに仕上げる「カスタマイズ性の高さ」は、Shopifyが人気を集める理由のひとつと言えます。
SNS連携力が高く、集客に強い
Shopifyは、InstagramやFacebookなど、集客に役立つSNSとの連携機能が充実しています。特Facebookにおいては、チャット対応やショッピングカートへの誘導など、売り上げアップにつながるサイトとの連携力の高さを実感できるでしょう。
初めてでも簡単にサイトを構築・更新できる
Shopifyは100種類以上のテーマから選択するだけで、簡単にECサイトを構築できます。HTMLやCSSなどの専用知識・スキルがなくても、諸費者の目を惹く魅力的なECサイトに仕上がるのがポイントです。
さらに冒頭でも述べている通り、Shopifyは管理機能も充実しています。配送漏れやネット決済など、初心者にとって複雑な処理・設定も、Shopifyのサポートサービスが柔軟にカバーします。
海外向けサイトに挑戦しやすい
Shopifyは既存の設定で既に、他国の言語・通過に対応した環境が整っています。自ら難しい処理・設定をしなくても、スムーズかつ気軽に挑戦できるのが魅力です。海外への配送処理をShopify内で簡単に手続きできるメリットもあります。
実際に、Shopifyで海外向けのECサイト(越境EC)の構築・運営に成功している方も多く、「いずれは国内から海外に向けて顧客を広げたい」と考えている方からも注目を集めています。
API連携による業務効率化が見込める
ShopifyのAPIでは、外部システムとの連携にも対応しています。MAツール・タスク管理ツール・CRM・POSなど、連携できるシステムも豊富です。
例えば、CRMとの連携であれば顧客情報、POS連携なら在庫情報と、Shopifyひとつで確認・管理できます。このようにAPI連携を上手く活用することで手間を省き、業務の効率化を図れます。
クラウド型サービスで常に最新機能が利用できる
Shopifyはパッケージ型ではなく、クラウド型(SaaS型)でサービスを提供しています。パッケージ型では更新情報を確認してから、自ら処理しなければなりません。更新内容によっては、時間が掛かる場合もあります。
対して、クラウド型であれば、常に更新した最新版を利用できるのが特徴です。更新に掛かる面倒な手間を減らすことで、別の目的に割り当てる時間を増やせます。
Shopify(ショッピファイ)のデメリット
メリットの多いShopifyですが、3つだけデメリットも存在します。利用者によって負担の大きさは異なりますが、利用前に一度確認しておきましょう。
- 日本語(和訳)がない箇所もある
- 日本の通販に対応していない部分がある
- 専門知識・スキルがないと独自性を出しにくい
日本語(和訳)がない箇所もある
多言語に対応するShopifyですが、日本語に対応しきれていない部分もあります。Shopify JAPANによるサポートサービスも増えつつありますが、本場カナダで発信しているShopifyの最新情報やアプリ機能の説明・使用方法といった部分にまで、和訳が追い付いていないケースも確認できます。
需要の高いアプリについては、ブログやサイトで詳細を確認できるので、ぜひ活用してみてください。また、本場カナダで発信している最新情報が気になる方は、翻訳機の利用もおすすめです。
和訳してある性格な情報を取得しにくい現状ですが、Shopify JAPANによるサポートが少しずつ広がっていくことを期待しましょう。
日本の通販に対応していない部分がある
カナダを拠点とするShopifyは、アプリや機能が豊富で魅力的です。しかし、日本のECサイトでありがちな一般的な機能が、Shopifyでも同じように備わっているわけではありません。
便利な機能が豊富である反面、Shopifyを使っていくと「あれ?」と感じる部分も出てくると思います。特に国内ECサイトの構築経験が豊富であれば、以前と比べて物足りなさを感じることも多いでしょう。
専門知識・スキルがないと独自性を出しにくい
テーマを豊富に揃えているShopifyでは、初心者でも簡単にECサイトを構築できます。ですが、よりオリジナル性のある独自のサイトを構築していくとなると、HTMLやCSSといった専門知識が必要です。
Shopifyと他の類似サービスとの違い
Shopifyの特徴について紹介してきましたが、他の類似サービス(プラットフォーム)と何が違うのか気になりませんか。以下4つと比較してみた結果をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
- 国内シェア率No.1の「EC-CUBE」
- GMOメイクショップ株式会社が運営する「Makeshop」
- 国内ネットショップ開設数No.1の「BASE」
- 18歳以上であれば誰でも開設できる「STORES.jp」
国内シェア率No.1の「EC-CUBE」
EC-CUBEは、国内約3万以上のネットショップが利用する、無料のEC構築プラットフォームです。800種利以上の拡張プログラムを完備しています。Shopifyのクラウド型とは異なり、EC-CUBEはパッケージ型であることが大きな違いです。サーバーの管理や定期的なアップデートが必要になるため、業務の手間を減らしたい方はShopifyが向いているでしょう。
GMOメイクショップ株式会社が運営する「Makeshop」
Makeshopは国内流通額No.1の実績を持つ、ASPショッピングカートサービスです。BtoB向けのオプション機能が充実しており、技術と知識がれば競合との差別化を図れる魅力があります。しかし、Shopifyとは異なり、Makeshopの利用には初期費用が発生します。対象とする顧客・ユーザーの幅も狭く、BtoBに限定している点も違いのひとつです。
国内ネットショップ開設数No.1の「BASE」
BASEは、メールアドレスを登録するだけで、無料かつ簡単にECサイトを構築できるのが魅力です。初期費用はもちろん、月額固定費も発生しません。コストだけを考えると、Shopifyよりも優れており、気軽に始めやすいメリットがあります。
しかし、カスタイマイズ性を比較すると、無料では提供できないShopifyの高性能な一面が抜き出るでしょう。
18歳以上であれば誰でも開設できる「STORES.jp」
STORES.jpでは、無料・有料の2プランを提供しています。Facebookからも登録できる他、ファッションアプリ「WEAR」と連携できるのが特徴です。Shopifyとの大きな違いは、越境ECに対応していないことです。国内に特化したECサービスであるため、海外向けのサイト構築を考えているのであれば、Shopifyが向いています。
Shopify(ショッピファイ)の利用企業例
最後にShopifyを利用している企業を紹介します。一度は目にしたことがある有名企業もShopifyを活用しているので、ぜひ参考に覗いてみるのもおすすめです。
- テレビCMでも目にする大手飲料メーカー「Red Bull SHOP」のHP
- シンプルかつ豊富な決済方法に対応している「ゴーゴーカレー」のHP
- 26種類以上の他国通過に対応している「A Bathing Ape」のHP
まとめ
「Shopifyとは」という疑問をメインに、Shopifyの特徴をまとめました。Shopifyは、世界各国で注目を集める人気ECサービスです。Shopifyでは「14日間の無料トライアル」も実施しています。
「もっと詳しく知りたい!」「日本語だけでどこまでできるのか挑戦してみたい」など、Shopifyに興味のある方はぜひ一度利用してみてください。