この記事を読んでいる皆様の中には、海外を相手に越境ECサイトの構築を検討しているという方もいるのではないでしょうか。
近年増加している外国人観光客の影響などにより、越境ECは年々注目度を増しています。
ただ、その際に知っておかねばならないポイントに、関税の問題があります。
今回は、越境ECサイトにおける関税について抑えておくべき点を説明していきます。
各国の関税事情を知ろう!
越境ECに参入する際には、日本の関税のことだけでなく、海外の関税事情などを把握しておくことが大事です。国によって自社の取り扱っている商品にかかる関税は変化します。
特に、関税について複雑な制度があるのが中国です。中国には、保税区と呼ばれる越境ECサービスの試験地が存在します。
ここでは、特殊閉鎖区域という所に商品を一旦輸送し、まとめて保管しておき、注文があるごとに通関手続きをして出荷するというモデルの実験を行っています。
ここを利用すると、一定額まで関税は0%になります。このように、国により関税に関する制度などは大きく異なります。こうした違いを上手く利用し、国ごとに戦略を変えていくことが重要です。
関税事情は変化する恐れがある!
その様な越境ECに関係する関税制度は、一度把握して終わりではありません。先述の中国では、広がりを見せる越境EC市場に対応するための法改正が盛んにおこなわれています。
越境ECは比較的新しい市場になるため、中国以外でもこのような新たな業態に対応するための法改正が行われる可能性はゼロではありません。越境ECを展開しようとしている国の最新情報を常にチェックしておく事も大切です。
ただし、こうした現地の事情の細部までの把握は、ECサイト運営者だけが担うのは現実的に困難な面もあり、越境ECに強い専門家や企業に一任するケースも多いです。
関税がかかることを購入者に分かるようにしよう!
また、越境ECサイト上では、購入者に対し商品に関税がかかることを明記する必要があります。その点が不明瞭で、関税を負担するのがショップ側だと勘違いした消費者からクレームが来るという事も考えられます。
そのようなトラブルを未然に防ぐためにも、関税を負担するのがショップなのか、購入者なのかをサイト上の目立つ箇所に記載する必要があります。今では関税を自動計算するツールも存在するので、そのようなツールを活用し、ユーザーの利便性などを高める工夫を行う事も重要です。
ちなみに、越境ECにおいては、購入者が関税を負担するケースが多いです。
まとめ|関税の知識を身に付け、越境ECを成功させよう!
ここまでの説明をまとめると
- 各国によって関税の制度は大きく異なるため、その特徴を知る必要がある
- 関税事情は変化するので、各国の法改正に敏感になる必要がある
- 購入者に対して、関税について明記して、クレームを未然に防ぐ
これからも広がりを見せ続けるであろう越境EC市場の参入には、国内市場以外にも集客の幅を広げられる可能性があるなどのメリットがあります。
一方で各国の関税事情などを知らず、トラブルが続くようではそのメリットを得ることが出来ません。展開しようとしている各国の関税や関連法などに対する正しい知識を身に付け、越境ECを成功に導きましょう。